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府議会の報告

平成23年9月定例会 代表質問

平成23年9月28日
宗清 皇一 議員

1 橋下知事の政治手法について

(1) 職員基本条例、教育基本条例について
(質問)
知事は就任当初から、「職員基本条例」や「教育基本条例」を考えていた、条例がないことがおかしいと発言されていた。
本来、職員のマネジメントは知事の専権事項。
そうであれば、今回のような議員提案という形を取らずに、知事自らが条例を提案されるべきではなかったのか。
我々は、提案のされ方に疑問を持っている。
【知事答弁】
今回の条例は府議会の会派である大阪維新の会が提案。
組織のトップである以上、ルールを知事規則の内部指針という形でもできる。
しかしそれでは行政の内部ルールになってしまうので、それにとどまらず、 議会が公選職という立場で組織の在り方を規定するというやり方もあってしかるべき。
<再質問>
現在提案されている職員基本条例について、違法性が疑われる部分があると思う。
職員の所管部長でもあり、法規の所管部長でもある総務部長のご所見を伺う。
【総務部長答弁】
任命権者の懲戒・分限処分の裁量を縛るのは違法。
また、幹部職員を任期付きで公募する点は、法の趣旨にそぐわないなど、問題点はある。
<再質問>
違法性の疑いがある条例案だということだが、もし可決された場合、地方自治法に基づいて知事は再議に付さなければならない。
知事、再議に付していただけるか。
【知事答弁】
違法な条例の場合には必要的な再議だから、法に基づいた対応をしなくてはならない。
だから、しっかり議会で議論して頂いたうえで担当部局の意見を聞きながら最終的な判断をしていきたい。
(2)現職校長の政治的行為について
(質問)
続いて、教職員のマネジメントについて、お尋ねいたします。
去る9月19日に、「大阪から日本の政治を変える」と題するフォーラムが開催されました。
主催者は「大阪から日本を変える志民の会」ですが、新聞紙上では、大阪維新の会の幹事長が参加することが事前に報道されていました。
このような政治色の強い集会に、現職の校長が参加したことについて、教育長のご所見をお聞かせください。
【教育長答弁】
地方公務員は、法律で政治的行為を制限されている。
ご指摘の件については、管理職たる校長として、慎重にしてほしかったと思っているが、処分にあたるようなことではない。
<再質問>
この校長は、任期付きで採用された民間人で、知事のご友人だったと思います。
知事は、友人で、現職の校長である方が、大阪維新の会の政治色の強い集会に出席されたことについて、どう思われますか。
【知事答弁】
法で禁じられている政治的行為ではないと思っている。

2 定数並びに選挙区に関する条例について

(質問)
我々は、今次定例会に府議会議員の定数及び選挙区並びに各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例改正案を提案させていただいております。
先の議会では維新の会の議員提案によって何の審議もなく強引に定数削減条例が可決されました。
なぜ、あの時期に1票の格差を広げるような選挙区割りで提案されたのか。
また、知事は「現行法では1票の格差を是正できない」と発言しておられましたが、我々が提案させて頂いた案は、同じ定数で、 現行法内で以前よりも、1票の格差を縮めることができる案であります。
我々の提案について、知事のお考えをお聞かせください。
【知事答弁】
定数は、維新が提案したもの。議員間討論をしてほしい。
まず数を減らすのが先。1票の格差を減らせるなら、議論の余地はある。
いわゆるゲリマンダーにつながるので、選挙区は簡単に触れないと思っていた。
認識が違うなら、改めなければならない。

3 財政運営基本条例について

(質問)
橋下知事が10月の採決日の直後に辞職をされるのであれば、この条例を引き続き提案するのは理屈にあいません。
ダブル選挙を明言され、もうすぐ辞職されようとしている方が、 民意で選ばれた次の知事の予算編成を縛るような条例を出されるのは本末転倒であり取り下げるべきだと考えますがどうですか。
【知事答弁】
知事になって痛感したルール無き府の財政運営を正したもので、ルール化は絶対必要。
自分が辞めるのなら、なおさら必要であり、次の知事が誰になっても、納税者の立場に立って財政運営のルールを定めておきたい

4 りんくう2事業と大阪府都市開発株式会社(OTK)について

(1)りんくう国際物流株式会社に対する債権放棄について
(質問)
この間、大阪府はどのように対応してきたのか。
こういう事態に陥る前に担保を設定することも可能だったのではないか。住宅まちづくり部長に聞く。
【住宅まちづくり部長答弁】
府民の財産である貸付金などが毀損する事態となったことは、大変申し訳ない。
OTKが受ける経営リスクも考慮した中で、苦渋の選択。
担保権については、公的役割として貸付したものであり、設定しなかった。仮に設定しても、劣後にならざるを得ない。
(2)大阪りんくうホテル株式会社への支援について
(質問)
そもそも、経営破たんした、りんくうゲートタワービルを民間事業者に売却するために、大阪府はホテル事業をOTKに押し付けたのです。
押付けられたOTKは子会社であるホテル会社に資金融資を行い支援を続けてきましたが、押付けた側の府は一体、 何をしてきたのでしょうか。
今までの無策が今回の事態を招いたのではないでしょうか。
もっと早く手を打てば、OTKの損失も少なかったはず。住宅まちづくり部長のお考えを聞く。
【住宅まちづくり部長答弁】
りんくうゲートタワービルの主要テナントであるホテルについては、りんくうタウンの都市機能、 にぎわいづくりにとって核となる施設であり、OTKの支援のもとに経営改善を図ることとした。
しかしながら、厳しい経営状況を改善できず、今回、新たな民間事業者に事業を引き受けていただいたところ。
こうした経緯の中、抜本的な対応について早期に決断できなかった結果、OTKの負担が増加したことは、 ホテル事業の引き受けをお願いした立場として、たいへん重く受け止めている。
今後、議員ご指摘のとおり、りんくうタウンのまちづくりについて、 アニメやゲームなどの日本が力をもっている分野を集積させる「クールジャパンフロント」や総合特区制度を活用した「国際医療交流の拠点づくり」により、 恒常的な国内外からの集客やブランド力の向上に取り組み、まちの活性化に全力を挙げていく。
(まとめ)
府の公金が債権放棄という形で失われることについては、橋下知事にも責任の一端があるということ指摘しておきます。
なお、先日、大阪維新の会の代表質問において、OTKの完全民営化への行程表を示せという質問がありましたが、 OTKに関連する債権放棄については、今次定例会の議案にあがっているのであり、議論の真っ最中であります。
すでに片がついて、OTKの債務整理が終わったかのように扱うことは、言語道断であると指摘しておきます。

5 防災対策について

(1) 災害に強いまちづくりについて
(要望)
去る3月11日に、東日本大震災が起こり、大きな被害が出ました。
わが会派は、以前から繰り返し、いつ起きるか分からない大規模地震に対して、行政として万全の対策を講じておく必要がある、 と主張してきました。
近い将来、確実に起きると言われている東南海・南海地震に対する備えを府内市町村と力を合わせて取り組まなければなりません。
また、様々な災害に対しても府の財政状況が厳しいことを理由に防災対策がおろそかにすることは許されません。
知事及び理事者におかれましては、防潮堤の耐震補強や、土砂災害対策事業など、 災害に強いまちづくりに関する取り組みを着実に推進していただくことを要望しておきます。
(2)地域防災計画の見直し過程について
(質問)
府地域防災計画の見直しについて、府などから岩手県に派遣された職員の生の声を反映し、 見直しを進めていることを目に見えるような形で明らかにすれば、府民も心強く思うのではないか。
【危機管理監答弁】
地域防災計画の見直しにあたっては、関西広域連合が現在策定を進めている「関西防災・減災プラン(仮称)」 とも整合性をはかるとともに、震災直後から被災地支援の様々な業務に従事してきた職員から直接話を聞くなどし、 教訓や課題を府の防災対策に活かしていく。
(3)槇尾川の治水対策について
(質問)
府は槇尾川でダム建設を予定していた治水対策を変更し、河川改修にするという方針を決定した。
本来、ダムは時間雨量80㍉対策を視野に入れて建設していたが、先の台風12号の大雨を見ても、 80㍉を超える雨は想定外とはいえない。知事はそれでも判断は最善だったと思うのか。
【知事答弁】
ダムと河川改修の治水効果は五分五分とあって悩んだが、河川改修を選んだのは最善の判断だったと思っている。
80㍉対策という目標をおろしたわけではないが、将来的にダムをどうするかは、そのときの財政状況を見て判断することで、 今は考えていない。

6 高校の授業料無償化について

(1)私立高校の授業料の適切な保護者負担について
(質問)
知事は、私立高校の入学者が増えることによって、より多くの授業料収入と高校経常費助成を受けることができ、 法人経営面でプラス要素となる、と主張されています。
しかし、必ずしも、知事が主張されたように、法人の経営面でプラスにはなるとは限りません。
また、私学の経営が苦しくなれば、校舎の耐震化への投資が進みません。
子供たちの安全確保の観点から、公私の格差があってならないと考えます。
知事は、私学の校舎耐震化が遅れることになりうるという点について、どのようにお考えですか。
さらに、特色ある教育を継続し、生徒の選択の幅を広げるためにも、58万円以上の授業料を求めていた学校については、 適切な保護者負担を求めるべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
公私同じように扱うべきと思っている。
耐震化にかかる費用も本当は私学をサポートすべき。
でも財政的制約から無理。国の補助を使いながらやってほしい。
基本は議員指摘の通り。
保護者負担を増やさない、という点は譲れない。
助成を増やしても、キャップはめないと保護者負担が増えるおそれがある。
(2)授業料無償化に伴う高校入学時及び卒業時の学力懸念について
(質問)
公立はともかく、私学にも大阪府の莫大な税金を投入し、授業料を無償化しているのです。
常識的な高校卒業程度の学力や社会常識を生徒が身につけたことを確認してから、卒業させるべき。
最低限の学力がなければ、高校に入れないような入学基準をきっちり定めるべき。知事のご所見を伺う。
【知事答弁】
そのとおりだが、誰が指示するのか。
政治的中立性が言われる中では何も言えない。
一定の政治的関与は実現しなければならない。
<再質問>
知事は就任当初、私立高への助成を10%カットし、公立志向が強まった。
今年度は180度政策を転換し、私学に受験生が集中した結果、公立の4割が定員割れとなった。
制度の激変の結果、定員割れの公立は学力不十分でも入学させ、生徒数の確保が目的の私立も出てくる可能性がある。
大阪の教育の混乱をどう考えるか。
【知事質問】
私学助成の費用を限られた財源から捻出するのは本当に大変だった。
今回の措置は保護者負担を少なくして、学校間の切磋琢磨で互いに向上してもらうものだ。
激変というが、誰にとっての激変なのか。激変のデメリットといえば定員割れした公立高ということになるが、 3000人が行きたい私学へ行ったということではないか。

7 住宅政策について

(1)住宅バウチャー制度の財源について
(質問)
大阪府住宅まちづくりマスタープラン(住生活基本計画)の素案が示され、 低所得者への対応として住宅バウチャー制度が検討されている。
制度に関する大阪府の案をとりまとめて、国へ提案するとのことだが、この施策が全国展開されるとなれば、 全国で子ども手当と同じ規模の予算が必要となる。そんな財源が国にあるとお思いか。知事のご所見を伺う。
【知事答弁】
いまの制度のままでは、国は出さない。
国家戦略を出さねばならない。公がハードを提供していた時代は変わってきている。
民の中ですべてを回していく。金銭給付をやるべき。現状は承知している。
(2)ストック戸数半減との関連について
(質問)
昨年度出された「大阪府財政構造改革プラン(案)」では、府営住宅のストック戸数を将来的に半減することが明記されています。
このストック戸数半減への道のりのなかで、バウチャー制度の位置づけはどうなっているのでしょうか。
府営住宅の半減はバウチャー導入が前提なのでしょうか。そうであれば、国が認めない時は半減できないのでしょうか。
知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
住宅セーフティネットの対象者をどうするか、から議論がいる。生活保護との関連を含めて、議論は煮詰まっていない。
乱暴な半減はいけない。バウチャーは考え方のひとつ。半減が目標ではない。
その他の手法で住宅セーフティネットができれば、半減を進めるということ。
<指摘>
住宅政策だけを考えれば「民間の住宅を活用」と言う言葉は、大変美しい言葉に聞こえます。
しかし、医療や年金、介護、また、生活保護との関係、保育、教育等1つ1つの政策との整合性が全く見えません。
府営住宅の半減を本当に目指されているのであれば、思いつきではなく、 現実的な根拠を示してから進めるべきであると指摘しておきます。

8 阪神高速道路株式会社の料金改定について

(1)パスポートセンターの権限移譲
(質問)
次に、阪神高速道路株式会社の料金改定についてであります。
知事は、議案提出にあたって国に求めた条件として、「ハイウェイオーソリティー構想」の実現を目指し、 阪神圏の料金体系一元化や平成26年度以降の政策的料金施策への対応等、 具体的な検討を早急かつ着実に進めることを挙げておられました。
このたび、この条件が整ったということで議案を出されていますので、お伺い致します。
そもそも知事の考えるハイウェイオーソリティー構想のエリアはどこですか。
また、誰がどのように料金を決定すると想定されているのですか。
【知事答弁】
エリアは関西。
(都市高速道路)主体はいろんな考えあるが、広域連合と言う案もある。制度設計はまだ。
<再質問>
橋下知事の考えるハイウェイオーソリティ構想では対象エリアの中のことしか考えていない。
エリア内は料金が一本化、対距離料金になり使いやすくなると思われますが、エリア外の車はどうなるのか。
新しい垣根ができて料金が複雑になり使いづらくなります。エリアの外の人の不利益を考えているのか。
昔の道路公団、ネクスコは会社は別々だが、一部を除いて料金は一元化され、対距離制をしいています。
地元エゴが全面に出て、地域間対立になりかねない、知事のハイウェイオーソリティ構想は国が認めるわけがないと思われますが、 国や他県が知事の主張を全面的に受け入れると思われているのですか。
【知事答弁】
ハイウェイオーソリティ構想で何をめざすのかから議論がいる。
そのあとに、他エリアからの車についての制度設計は行政がやるべきこと。財源確保してインフラ整備することが第一。
<再質問>
知事はこれまで現行案のままでは絶対に同意しないと繰り返されてきた。
同意条件として国に、エリア内の料金体系を一元化する「ハイウェイオーソリティー構想」の実現を求めているが、 国との協議議事録からは「25年度末に方向性を示す努力をする」としか思えない。一歩進んだと言えるのか。
【知事答弁】
そんなに軽く言わないでほしい。大変だった。
3年かかってやっとここまで。不十分と言われれば努力するが、進んだと思っている。
<再質問>
知事は高速道路の話になると、国の責任や阪神高速道路の責任を追及されていますが、この間、大阪府は、 十分なことをしてきたのでしょうか。
例えば、第2阪奈道路と阪神高速の一元化に向けての努力や南阪奈道路とネクスコとの制度設計への第一歩は踏み出せていますか。
ご自身に権限があることから進めておられるのでしょうか。
【知事答弁】
部局と僕は議論していないので、部長から答弁してほしい。
<再質問>
部局と話していないとのことだが、指示はしたか。
【知事答弁】
道路公社を含めて考えてくれとは言っている。
<再質問>
では、都市整備部長はどうか。
【都市整備部長答弁】
可能な限り、道路公社の経営改善をしながら、ハイウェイオーソリティ構想に向けてやりたい。
<再質問>
先日の知事との意見交換会でお聞きした内容と、今回提案された議案の内容は全く同じでありますが、 知事ご自身は、500円~900円の対距離料金制について、納得しておられるのでしょうか。
【知事答弁】
行政の長として提案した。
<指摘>
国に言っていくのは結構だが、足元からやってほしい。

9 成人病センター建替えについて

(1)これまでの経緯について
(質問)
2月議会では様々な議論の末、成人病センターの大手前移転が否決されました。
あの時の議会からの指摘や議論をどのように受け止められているのでしょうか。
また、なぜ、否決されたと思われているのでしょうか。
また、なぜ最初に議会に提案される前に、専門家の意見を聞くなり、府民アンケートをしなかったのか。
最終判断は橋下知事の政治判断にだけ従えばよいとして提案されたのか。
以上3点について、健康医療部長のご所見をお伺いいたします。
【健康医療部長答弁】
2月議会で否決された理由は、地元住民への説明が不足していたのではないかという点、自民党の現地建替え案のほうが、 大手前移転案に比べ優位性があるのではないかという点、庁舎移転との関係などの問題点を指摘され、それに対して、 私どもが十分に納得いただけるご説明をしきれなかった結果。
2点目、何故、専門家の意見などを聴かなかったかというご指摘については、21年9月議会で、 大手前地区移転を前提とする整備基本構想を、さらに22年2月議会で、PFIの事前準備業務の予算も認めていただいていたため、 改めて、専門家から意見をお聴きしたりする必要があるとは考えていなかった。
大阪府は、がん死亡率が全国ワーストレベルにあるため、がん対策の環境整備を早期に進めたかったため、22年度に引き続いて、 23年度についても、成人病センターの移転整備を進める議案を提出した。
<再質問>
橋下知事が府民ニーズやがん患者の思いをどのように理解され、政治判断をされているかわかりませんが、 橋下知事が大手前に移転する決断をされた理由は「早期に建て替えすることが、大阪全体の利益につながる」ということでありました。
しかし、大阪府の行ったインターネットでの府民アンケート調査においては、病院建替えに際して、交通の利便性が一番重要という結果が出ています。
このアンケート結果の内容が、大阪府の意思決定にどのように影響を与えているのか、知事にお伺いします。
【知事答弁】
西日本で最高のがんの治療センターを大阪の地に早期につくるということが、府民全体の利益にかなうというふうに判断したまで。
こまかな調査を積み上げて決めたわけではない。
<再質問>
例えば、2月議会では、現地建て替えのリスクは公衆衛生研究所や環境農林水産総合研究所の移転が決まらないと着工できないと説明をされていました。
では、現地建替え案をブラッシュアップするにあたって、橋下知事から環境農林水産総合研究所の移転にあたっての具体的な指示はありましたか。
環境農林水産部長にお尋ねいたします。
【環境農林水産部長答弁】
直接的な知事からの指示はありません。
移転建替えに関わる環境農林水産総合研究所の移転の個所については、21年の6月の段階で可能性について健康医療部で検証会を開き、 可能であるとお答えしている。
<再質問>
では、橋下知事から公衆衛生研究所の移転にあたっての具体的な指示はありましたか。
健康医療部長にお尋ねいたします。
【健康医療部長答弁】
公衆衛生研究所の移転建替えにあたって、かなり長い経過の議論があったが、具体的に知事から指示はない。
<再質問>
ここからはP3施設のことについてお伺いいたします。
なぜ、成人病センターの研究所にP3施設をつくられたのか、理由を教えて下さい。誰の発案なのか。
どのような実験をされるつもりだったのか。費用はどの程度であったのか。
1度もP3レベルの実験をしていないとの説明だが、根拠を示して頂けるか。
【健康医療部長答弁】
通告がないので正確な答弁はできない。
研究所の建替え整備は10年以上前に議論されて進めたもの。
誰の発案かなどは、正確にご説明する材料を持ち合わせていない。
それからP3の実験をしていない事については、P3は非常に厳格な法に基づく運用が定められており、記録は全部保存されているので、 P3レベルの実験計画はなかったという事は確認できます。さらに、文部科学大臣の法に基づく認可が必要。
そこも確認していただければ記録がないことは明らか。
そういう意味でP3の実験施設は使っていないということ。
<再質問>
10年間全く使っていないP3施設をなぜ、放置していたのか、「今後、大手前にはP3施設は作らない、 他の施設であってもP3レベルの実験はしない」という誓約書を住民に提示することはできるのか。
【知事答弁】
形式はどういう形になるか、考えますが、きちんとそこは住民の皆さんにお約束したい。
(2)大手前・森之宮まちづくりについて
最近になって橋下知事は大手前について、「副首都構想」「大阪を首都のバックアップ機能」にする等の発言をされておられますが、 どのような趣旨で発言されているのか私たちには理解できません。国の「何」をバックアップされるのか、 そのためにどのような施設や機能が必要なのか、そのために大手前にどの程度の面積が必要なのか、 人員はどの程度の規模を想定しているのか、大手前・森之宮まちづくりの責任者である木村副知事にお尋ねいたします。
【木村副知事答弁】
今、ご質問のあった中身につきましてはこれからの議論。
<再質問>
今後どのような手続きでまちづくりを進めていかれようとしているのか。
【知事答弁】
大手前に副首都とは言っていない。
政府の防災拠点のバックアップを近畿に持ってきて、合同庁舎で建設することを提案しているところ。
いきなり人員体制をどうするというレベルでなく、まずは日本の中で近畿、 関西を首都圏のバックアップに位置付けてくれということ。
<指摘>
橋下知事は過去に「大手前の一等地を行政官庁が占めておく必要はない」と言っており、 現在の副首都構想とは全く反対のことを言っている。大手前に役所があった方がいいのか、 成人病センターがあった方がよいのかわかりません。知事の思いつきだけで、大手前のまちづくりを推進されるのは、 府民全体に利益に反します。
成人病センターの話に戻りますが、2月議会で指摘されたことを真摯に受け止め、現地建て替えを進めていれば、 成人病センターの建て替えは少なくとも6カ月短縮できたと考えます。いずれにしても、府知事を辞職される方が、 辞職した後の府政運営に責任は持てないと考えます。次期知事の下でしっかりと議論することが、民意だと考えます。
今議会に提出されている予算案を取り下げて頂きたいと思いますが、いかがですか。
【知事答弁】
議会でのご判断も民意。議会の総合判断で、この問題は決めていただきたい。

10 庁舎問題について

(1)これまでの経緯について
(質問)
このまま庁舎が2つあれば、莫大な経費がかかり府民の皆様に大きな負担を強いることは明白。
咲洲庁舎へ全面移転できない今、知事のとるべき選択肢は咲洲庁舎から撤退して大手前に戻ることだと考えますが、 知事の認識をお聞かせ下さい。
【知事答弁】
大手前に戻る話をするためには、咲洲庁舎が売却できて、 その後の維持管理費・大規模修繕費がかからないということをまず前提にしないと。
特区申請をして、アジアの拠点として活性化するように、議会の皆さんと力を合わせていきたい。
<再質問>
特区申請に庁舎は必要なのか。
【政策企画部長答弁】
庁舎があることは特区の指定要件ではありません。
但し、地域の責任ある関与として、地方公共団体の体制の強化は評価されることになると考えている。
<再質問>
当初1平方メートルあたり108万円とされていた大手前地区の土地単価は、次の説明では98万円/㎡になり、 平成23年3月時点で79万円まで下落しています。実に27%の下落です。なぜ、このような甘い試算をされたのですか。
【知事答弁】
土地の価格は読めない。
だからこそ、鑑定士という資格の者が評価をする。
一定のプロセスを踏んできたとしか答えられない。
<再質問>
庁舎移転によって改革や変化を得られるということだが、平成21年9月定例会で約束してきたことですら全くできていません。
あれから咲洲にどのような変化があったのですか。企業誘致やまちづくりに進展はありましたか。
【政策企画部長答弁】
庁舎問題を契機にして、大阪市と夢洲咲洲地区の活性化に協働して取り組んできたところ。
<再質問>
知事はいまになって、東日本大震災がさも、咲洲庁舎にとって想定外であるかのような発言をしておられるが、 咲洲は震度3だった。
ただ、長周期地震動の影響で共振した。
WTCビルが防災拠点になり得ない理由は、以前から指摘されている。
検証は不十分であったと言わざるを得ません。
橋下知事はそもそも庁舎移転を提案されるまえに、なぜ、専門家の意見を聞かなかったのですか。
【知事答弁】
咲洲庁舎の問題点ばかり言っているが、上町断層だってまずい時がある。
まさに、咲洲庁舎がダメな場合には大手前の防災拠点を使えばいい、 大手前の防災拠点がダメな場合は咲洲庁舎を使えばいいというデュアル論自体については専門家会議のみなさん有効性は認めた。
仮にデュアル論だったとしても揺れ幅の問題があるので、咲洲はデュアルの一方を担えないということで、 防災拠点として使わないと判断した。
<再質問>
デュアル論の話でなく、こういうことを含めてWTC購入前に何故、専門家の意見を聞かなかったのですか、という質問なんです。
【知事答弁】
十分聞いている。
僕が直接聞かなくても部局が徹底して専門家の意見を聞きながら検証している。
(参考:実際には防災の専門家の意見は聞いていない)
(2)今後の問題解決の選択肢について
次に今後の庁舎問題、現状の課題について質問します。
このまま大手前と咲洲の2つの庁舎を使い続けるならば、維持費や大規模修繕費なども考慮すると、 今後30年で1200億円以上かかる。
また、21年の9月議会に移転条例を提案された時は、知事は、「庁舎の問題というものは、防災拠点の議論じゃない。
あくまでも庁舎の議論、今の庁舎環境をどのように改善するのか、それから府の財政状況をどのように考えるのか、 ありとあらゆる諸要素を総合した上で最終的にどちらがいいのかということを判断する、そういう政治判断が必要。
防災拠点を今つくろうとしてるわけではない。」これが移転を主張された時の知事の答弁であります。
その理屈であれば、今回も庁舎問題は、「財政問題」「庁舎環境」「執務環境」等を総合的に、 今すぐ知事が政治判断されれば結論は出ると思いますが、どうですか。
【知事答弁】
もちろんおっしゃる通り。WTCビルの売却の可能性とか、30年スパンの財政シュミレーションだから、 その前提条件がそろった時に判断すると思う。
<再質問>
ところで、咲洲庁舎が、現行法の対策は取れているから一般のビルとして使うのは問題ないのに、 防災拠点としては使えないのはなぜか。何を根拠に判断されたのか。現行法を満たしているからビルとして建っているのであって、 法律の話をしているのではない。
長周期地震動の影響があったのは咲洲庁舎、旧WTCビルの固有の問題。建ててはいけない場所に、 建ててはいけない高さのもんを建てたというのが専門家のご意見。咲洲庁舎固有の問題として、専門家会議の検証を経て、 知事は一般庁舎なら大丈夫という判断をされた。
防災拠点として使わないという判断をされたのは、知事の勝手な政治判断ではないのか。
【知事答弁】
先ず防災拠点と一般のビルは違う。
旧WTCビルの固有の問題としてとらえろということだが、専門家会議のみなさんの意見は確定知見にはなっていない。
今から長周期地震動について検討していくと項目にあるが、そうなると咲洲庁舎だけの問題ではなく、日本全体の高層ビルの問題。
たまたま旧WTCビルは注目されて地震計もあり、庁舎移転の問題がからんで注目されているだけ。
今この段階で直ちに防災拠点として判断できるかと言えばできない。
それは確定知見、来年秋の防災会議を見て、判断が出れば使わないし、 もしかすると一定の要件を満たしてこういうことをすれば使えるということになれば使っていけばいいと思う。
<再質問>
何度も言いますが、知事が中央防災会議の議論を待つ理屈がわかりません。
仮に1年待っても選択肢は今と同じであると考えます。
1 咲洲庁舎を解体し更地にして売却
2 咲洲庁舎を解体し、新庁舎を建設
3 咲洲庁舎の高さを変え、庁舎として使用
4 咲洲庁舎の高さを変え、売却
5 全面撤退し、放置する
6 現状のまま利用(橋下知事の主張)・・・1200億円
しかし、いずれの案も着手されるまで大きなお金(減階の工事費、耐震工事費、維持管理費等)が必要です。
我が会派から1番コストのかからない案をご提示させて頂きます。
本館の西館は撤去し、東館は歴史的建造物でありますので耐震化し有効活用を致します。
本館南側に約6万2千㎡の庁舎を建てて、撤去した本館の500人、別館の1350人、咲洲からの2000名を集約させます。
新しい庁舎を仮に成人病センターの建て替え用地等を使用して、PFI手法を使わなければ、 平成28年までに完成すると試算しています。整備単価を30万円とすれば、193億円で集約庁舎を建てることができます。
咲洲庁舎の職員は知事が決断されれば、24年当初には大手前周辺の民間ビルに帰ってくることが出来ます。
また、咲洲庁舎に入っているテナントすべてに退去して頂きます。咲洲から全面撤退すれば、 24年度以降の咲洲庁舎にかかる維持管理費、大規模修繕費が不要となります。このようにして、整備費、管理経費、 大規模修繕費の合計を比較すると、我々の案では平成53年度までの30年間で853億円の負担で済みます。(表 参照)
2つの庁舎を持ち続ける場合に比べれば、実に347億円の府民負担を減らすことができるのです。
橋下知事が今すぐ決断され、大至急大手前に集約されることをお勧めいたしますがいかがですか。
【知事答弁】
決定手的な前提条件が欠けている。咲洲庁舎はどうするのか。
売れていることが前提になっている。そこを隠してはダメ。
咲洲庁舎が売れなかった場合の維持管理費など積算されていない。
今回そこを入れての判断。事実誤認だ。
<再質問>
維持管理費の問題は、僕が提案するのに売り先まで見つけてこないと提案できないというのはおかしい。
全ては橋下知事がやってきたこと。一生懸命、売り先を見つける努力をするのは貴方の責任。
一つの案としてこうやり方もあると提案している。端的に答えてください。2つの庁舎を持ち続ける理由はあるのか。
【知事答弁】
それは現在売り先が見つからないという話で、行政が撤退する、危ないと言っているものを買う人は出てこないのが現実論で、 もう一つは咲洲地区の事を考えれば通常を有する耐震性があれば撤退する必要がない。
今こういう状況で確定知見のない中で全面撤退をするマイナスの方がはるかに大きい。
公はしっかり議論して前提条件を吟味して最後に政治判断で全面撤退するか決めなくてはいけない。
条件の一つとして売り先、中央防災会議の確定知見をしっかり待って、 もう一度諸条件を見たうえで決断する方が政治判断として正しいと思う。
<再質問>
橋下知事の思いつきで提案し、強引な手法によって咲洲庁舎を購入しました。
しかし、咲洲庁舎を購入したことが、今になっては庁舎問題をより複雑にし、 府民の皆様に大きな財政負担をかける結果となっています。咲洲庁舎の問題だけは橋下知事自身が責任を持つべきであり、 知事を辞職して大阪市長選挙に出馬している場合ではないと考えます。
このような状態にあっても、知事は責任を放棄し辞職されてでもダブル選挙するおつもりなのか。
ダブル選が始まるまでに、庁舎問題すべてにケリをつけていただきたいと考えるが、どうか。
【知事答弁】
政治判断はその時々の判断。現行法上求められる耐震性は有している。
専門家会議のみなさんの意見は確定的な知見ではない。
こういう中で庁舎移転はこだわってきたけれども、議会のご指摘を受けてここは一時止まろうというのが僕の政治判断。
前提条件がなにもそろってない段階でそんな判断をしたら市民に対して地元に対して咲洲地区に対して誤ったメッセージになるから。
それも含めて僕は全面移転までは止めたけれども、撤退まではやらない。
現状でやっていくことがぎりぎりの判断。
<まとめ>
この庁舎問題は大変重大な問題。
議会議員各位にはもう一度、咲洲庁舎がいるかどうか記名投票すべきだと考える。
橋下知事の初めの主張は、庁舎は「1本化」でなければならない。
買い取り予算を認めさせたいときは、庁舎は「2つ」あっても大丈夫。
購入が認められれば、コストがかかるからやっぱり庁舎は「1つ」震災が起こればやっぱり「2つ」いる。
これでは、ワケがわからない。 今までの庁舎移転の議論はなんだったのか、少しでも、問題は解決したのか。
また、移転を推進されてきた方々は、何の解決策も示されず、だれも責任を取ろうとされない。
移転を強烈に推進してきた橋下知事が全責任を取られるべき。
この4年間、橋下知事が大阪府の財政改革、大都市問題を中心に頑張ってこられた。
しかし、知事1人の力で出来たのではない。
府民はもとより、職員も議会も自らの給与カットをはじめ、全力で橋下知事の改革に協力してきたのではないか。
現下の大阪を取り巻く環境は本当に厳しいものがある。
今こそ、府議会と知事が自らの職責を果たす中で、それぞれが課題の克服に全力を注がなければならない。
本来の府政がどうあるべきか、地に足をつけた議論をしなければならないと考えます。
だからあえて苦言を呈して来たのだと申し上げて、質問を終わる。

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