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府議会の報告

平成24年2月定例会 代表質問

平成24年2月29日
花谷 充愉 議員

1 財政

(1)予算案と財政規律について
①予算案にかかる政策目標について
【質問】
今回審議対象である平成24年度予算案は、どのような政策目標を立てて編成されたのでしょうか。
知事の予算編成に対する思いを聞かせて下さい。
【知事答弁】
平成24年度当初予算案は、財政規律を堅持しつつ、府政の喫緊の課題を的確に対応していくことを目的として、編成をしました。
私としては、厳しい財政状況の中、真に災害に強い街づくりや、教育、子育て、障がい者支援といったセーフティネットを確保するための施策、 産業振興や新エネルギー、都市魅力創造といった大阪の成長を実現する為の施策など、思いをもって重点的に配分をしました。
②財政運営基本条例に関して
【質問】
平成24年度予算案は、12月に可決された財政運営基本条例どおり、「収入の範囲で予算を組む」「将来世代にツケを先送りしない」という内容になっているのか、順次確認していきたいと思います。
財政運営基本条例第19条では、10年以内に達成すべき財政調整基金の積み立て目標額を定める、と規定されています。
そのため、今回1,450億円の目標額が議会に示されています。
しかし、積立目標を示した最初の議会で、財政調整基金から525億円もの取り崩しをする予算案となっています。
その結果、本来収支額はマイナス265億円となっています。これでは「収入の範囲で予算を組んでいる」と言えないと我々は考えます。
この事実をお認めになりますか。総務部長のご所見をお伺いします。
【総務部長答弁】
まず、財政調整基金ですが、これは年度間の財源を調整するために積立を行っているもの。 したがって、年々の予算編成にあたり、住民サービスあるいは府税収入等のバランスを考慮して、 必要な場合にこれを取り崩して収入に充てるのは、この基金の本来目的に沿ったことだと思っております。
そういう意味で、私どもは24年度予算につきましても収入の範囲内で予算編成ができたものと考えております。
また、目標額を設定しながら取り崩している、というご指摘はそのとおりですが、 府が「収入の範囲」の「収入」を整理すべきということで、平成20年に府庁財政研究会というものを設けて議論し 、財政調整基金については補完的な収入としています。
それから、本来収支がプラスであることが目標となっているではないか、というご指摘がございました。
これについても、同研究会で、望むべくは取崩しなくて当該年度の歳入で運営することが望ましいという意味で目標指標としています。
我々としては、必ず堅持すべき目標としては、財調も含めての正味収支のプラスと設定をしているところです。
【再質問】
総務部長からは、財政調整基金は収入だとお答えいただいたと思うのですが、そこで知事にお伺いします。
減債基金を満額積んである場合、私も財政調整基金は収入だと判断してもいいなと思うのですが、今、大阪府は違う。減債基金は満額積めてない。
それに、財政調整基金を積み増しするためにしているような借金もしている中で、果たしてこれが収入だと言えるかどうか。
【知事答弁】
現在、減債基金につきましては返済のベースには乗せてきております。
その返済ベースにのった中での財政調整基金の活用ということになりますと、年度間の調整を図ることを目的として積み立てられたものですから、 財政調整基金からの予算への計上は収入であると判断しております。
《指摘》
減債基金が満額ないというのが今の実情ですので、財政調整基金が収入だといえるかどうかというのは、 知事がおっしゃっていることが、私たちと同じ思いだということにはつながらないと思っています。
③財政リスクについて
(臨時財政対策債等の元金償還額と交付税措置額のかい離)
【質問】
続いて、基金にかかる財政リスクについてお尋ねします。
臨時財政対策債は、本来、地方交付税として国から現金で交付されるべきものを、国の財源不足のために、 地方自治体自らが起債して資金確保しているものです。償還財源は、あとで地方交付税に上乗せされるため、 地方自治体の負担とはならない、というのがこれまでの説明でした。
しかし、府民の方からは、前知事が黒字だ、優良会社になったんだ、1,000億円の貯金もつくったんだ、 と言っていたにも関わらず、大阪府の借金は増えているのではないか、と疑問を示されております。
この点について、我が会派は独自研究を試みました。その結果、年度ごとの臨時財政対策債等の償還額と、 地方交付税のもととなる基準財政需要額への算入額に違いがあることがわかりました。
府債の発行額の大半を占める満期一括償還の例で言うと、基準財政需要額の算入は、全国の自治体の償還方法ペースの平均を基準として、 3年間据え置きのあと、一部を20年償還、残りを30年償還するものとされており、府の償還方法よりも前倒しで償還していく形になっています。
このため、20年目までは、府が減債基金に積み立てていく額より基準財政需要額に算入される額が大きくなりますが、21年目以降は逆転し、 一般財源で持ち出して償還することとなります。(資料1(PDF))
同様の現象は減収補填債などでも見られ、これら臨時財政対策債等の償還にかかる一般財源からの持ち出しは、 平成34年度から55年度の22年間で約5,100億円にのぼるという試算になります。(資料2(PDF))
これは明らかに将来世代に負担を先送りしていると考えますが、この事実について、総務部長のご所見をお伺いします。
【総務部長答弁】
まず、先送りと考えるかどうかということですが、交付税は一般財源ですので、 交付税算定にあたって積まれている個々の基準財政需要額に当該自治体の歳出が縛られるということではありませんので、 そこにかい離があるということは何ら問題がないと考えています。
それから大阪府の場合は、30年償還のルールを作って減債基金の積み立てを行っていますので、 将来へ負担を先送りしたことにはならないと考えております。大阪府は30年償還ですが全国には20年償還の自治体もあります。
それらの平均値をとって基準財政需要額を算定されているので、かい離が生じているということであります。
そうしますと、当然20年償還も基準財政需要額のなかでは加味しておりますので、30年償還と比べますと前半に基準財政需要額の措置が厚く、 後半に薄くなるというのはお示しの通りです。
5,100億円という数値は、手元に数字がありませんので確認ができません。
④減債基金への積み立ての必要性
(臨時財政対策債等の元金償還額と交付税措置額のかい離)
【質問】
橋下知事時代に府債残高が増えたことを指摘されると、臨時財政対策債の元利償還分は全額交付税措置されているので、 大阪府の借金ではない、国の借金だと主張され、実質府債残高は減っていると主張されていました。
確かに交付税で措置されている額をきちんと減債基金に積んでおけば、その理屈は成り立ちます。
しかしながら、交付税措置された額と実際の償還額との差額(資料3(PDF))が、例えば橋下知事就任時の平成20年度には292億円ありますが、 言ってみればこれだけの金額を先食いし、一般財源として使ってしまったことがわかります。平成20年度から平成23年度までの差額を合計すると、1,253億円になります。
これだけの金額があったからこそ、財政調整基金の残高が今年度末で1,236億円もあるのではないでしょうか。
言い換えれば、借金を返すべきお金を貯金しただけであり、本来は使えるお金ではないと言えます。
さらに言えば、財政調整基金の中身は、減債基金と同じだということです。
24年度予算で財政調整基金を取り崩しているのは、減債基金から借り入れをしているようなものです。
これは財政運営基本条例第7条によって禁じ手とされ、「収入」とすべきでない、とされているはずです。
このような財政運営を続けていれば、平成34年度から平成55年度までの臨時財政対策債等の元利償還金は、 一般財源で対応しなければならないということになります。このような状況においても、臨時財政対策債は本当に大阪府の借金でないといえるのでしょうか。
総務部長の御所見をお伺いします。
【総務部長答弁】
交付税は一般財源でございますので、基準財政需要額の額と、実際の予算における歳出の額と異なるものは、 別にこの問題に限らず多々ありまして、そこは全体としての税を含めた一般財源と歳出、行政サービスの確保というのを考慮しながら財政運営を行っていまして、 その点についてはご理解をいただきたいと思います。
臨時財政対策債について、借金と考えないのかというご指摘でございますので、それについては私も当然、府の借金だと認識してございます。
ただ、本来であれば交付税として措置されるべきものを府が借金をしておると、こういう理解でございます。
【再質問】
部長から、府の借金だと、ただ返済は国から手当てされているんだという答弁だったと思います。
スライド(資料4(PDF))をご覧ください。
これは昨年4月の府政だよりに掲載されていたグラフですが、将来世代に負担を先送りしない、という項目で、 実質負債残高はピークアウトしていると示されたものです。
この広報のやり方も適切ではなかったのではないでしょうか。
部長お願いします。
【総務部長答弁】
今、お示しいただきましたのは実質負債残高ですが、これは一般会計、特別会計を合わせたすべての会計の負債残高から、 税や交付税の代替として発行した負債を除いたもの、本来、税なり交付税として措置されるべきものは除きましたという意味でお示ししております。
ただ、この点につきましてはこれまでも議会の中で誤解を与えるのではないか、というご指摘をいただきまして、 これを含めた全体としての負債残高もあわせて示すべきだとご指摘をいただきまして現在そのように両方お示しをさせていただいております。
【知事答弁】
本来この臨時財政対策債は、交付税においてキャッシュでもって措置されるものと僕は認識しておりまして、 それが国においての税収不足、財源不足から地方に借金を付け替えられたものだと考えております。
そもそもが、地財政制度においてこの交付税措置というものが現金で、キャッシュでなされていればこのようなややこしい会計手法をとる必要もないということでありまして、 地方財政制度そのものを変えていかなければならない。これは、私が当時自民党にいたときも、国に対して散々要望した中身でありまして、 この国の制度自身を一度根元から見直さなければならないと考えています。
また、この臨時財政対策債の償還につきましては、大阪府においては30年償還のルールを定めまして、 そのルールを逸脱することなく返済をしてまいる工程を組んでおりますから、一方的に将来世代にツケをまわしているということには当たらないと思っています。
【再質問】
私たちが指摘しているのは、国の借金だと言っているのであれば、きちんと国の借金として扱わないといけなのではないですかと、 交付税措置をしてたくさんいただいているのにちょっとしか積んでいないというのは将来に負担を先送りしているのと一緒ではないですかとお尋ねをしたんです。
だから平成20年度から、1,510億円ぐらい、橋下・前知事の就任後ですね、それぐらいは減債基金に積んでおくべきだと思います。
それが積んでおられたら、今、松井知事がおっしゃっているように、将来世代に負担を先送りしないということにつながると思いますが、いかがですか。
【知事答弁】
ほんとに、財政のやりくりをしっかりやっていかなければならないと思います。
ただ、僕はあまり国の借金、大阪府の借金、基礎自治体の借金と、これは全て国民の借金であるわけですから、 あまり国に責任転換するのはどうかと思いますが、そもそもの地方財政制度をもっとわかりやすくするためにも、地方財政制度の大改革が必要だと思っております。
臨時財政対策債の償還と交付税の算入との差をいわれているものでありますが、交付税はあくまでも毎年度の行政需要、こういうものに充てられる一般財源としてとらえておりまして、基準財政需要額どおりの歳出を組むことを求められているものではありません。ご指摘のかい離の点については、地方財政制度の問題であり積戻しということは、今現状では考えておりません。 そもそもこの20年大阪の産業、景気、こういうものは非常に厳しい状況でありまして、そんな中で税収は毎年下がり続けております。
その下がった中で府民の行政需要にこたえるために、臨財債等を活用しているものであります。
⑤第三セクター等改革推進債
【質問】
地域整備事業会計を今年度末で廃止するにあたり、過去の起債残高を清算するために、第三セクター等改革推進債、 いわゆる三セク債を238億円発行する、という補正予算案が提案されています。
特別会計を廃止するからには、事業は終了しているものと考えがちですが、まだ未処分の土地が残っており、 土地を一般会計に引き継ぐ代わりに、土地の時価評価分の三セク債を発行するということです。なぜ事業は続くのに、 会計を廃止するのでしょうか。この特別な起債ができることによって、財政調整基金にお金を残すことができるからではありませんか。
三セク債を発行しなくても、財政調整基金を取り崩す方法もあるし、何か事業をやめるという選択肢もあったはずです。
次のスライド(資料5(PDF))をご覧ください。これは財政調整基金の推移を書いたものです。今回の238億円がなければ、 24年度の財政調整基金の残高は約470億円となり、24年度と同じ予算を25年度に組もうとすると、お金が足りなくなることになります。
このような予算の組み方について、知事はどうお考えなのでしょうか。
【知事答弁】
第三セクター等改革推進債については一般会計が移管を受ける造成資産の範囲で発行するものとしたことであり、 不足額をふまえて現世代で負担するのではなく世代間の公平性の観点も踏まえて発行するものであります。
負担の先送り、財政調整基金に残高を確保するということを意図したものではありません。
今年度でこの事業会計を閉鎖いたしますから、この際、精算をしとこうということで発行するものです。
今の資産を逆算いたしまして、今の資産価値以上のものは、この起債の発行をいたしておりませんので、ご指摘にはあたらないのではと思っております。
《指摘》
僕は今の説明はやっぱり来年の財政調整基金の残高を確保するために、今回は三セク債を発行したというふうに見てしまいます。
だからそれはしっかりと指摘をしておきたいと思います。
⑥収支見通し
【質問】
スライド(資料6(PDF))をご覧ください。
地方交付税の先食い分で257億円、そして財政調整基金の取り崩しで525億円、 合計すると平成24年度は782億円が収入の範囲外だと我々は指摘します。いわば赤字と言うことができます。
次のスライド(資料7(PDF))をご覧ください。これは粗い試算で示された今後の財政収支見通しですが、財政調整基金を10年間で740億円積み戻さないといけない、 減債基金へは平成49年度までに1,713億円積み立てなければならないと書いております。
私たちは、先ほどの先食いしてしまった臨財債等償還用の5,100億円をこれとは別に用意しなければいけないというふうに思っています。
さらに言えば、起債償還の想定金利は平成25年度は1.6%ですが、平成32年度には3%に上がると想定されています。
実に1.4ポイントの差があります。金利上昇分を大阪府単独で負担していくことになれば、大変な負担になると考えられます。
これらの点について、知事はどのように考えておられますか。
【知事答弁】
先ほどお示しされた財政収支の見通し、粗い試算ですが、これは、臨財債の返済も踏まえてあります。
この試算にもとづいてしっかり返済していきたいと思います。
また、金利等につきましては、中長期において毎年度、時点変更を行って、トレンドを把握して、 仮収支試算を把握しながら計画的に財政運営を行っていきたいと思っております。
【再質問】
この項の最後に、何度も言いますけども、財調基金が収入だとおっしゃるんだったら、今我々が申し上げたこと全てクリアすべきだと申し上げたいと思います。
減債基金を満額にしておいてくださいということです。
さらには、今、臨時財政対策債の交付税措置の分、国の制度が悪い悪いとおっしゃいますので、そこで私の方から提案させていただきます。
見える化をしていただけたらなと思います。
減債基金を二つに分けて、一つは国の借金を返済するための減債基金の積み立て分、交付税措置をされている分をそのまま積むべきではないですか。
それ以外の部分はいたしかたない。
これをきちっと数字をお見せいただくことによって我々の本当の府の財政の姿というのが見えるんではないですか。
いかがですか。知事のおっしゃっていること、前の知事のおっしゃっていること合致すると思いますよ。
【知事答弁】
何度も申し上げます。5,100億円は将来世代に間違いなく先送りしています。
それをきちんと担保するための第二の減債基金で見える化をしていただきたい。それが府民のためであります。
(2)超過課税について
【質問】
知事は、国際戦略特区での地方税減免を始める時期に合わせて、法人府民税の均等割り分の超過課税を廃止する方針を示されました。
なぜ今年から廃止なさらないのですか。スピード感を重視する知事ならば、今すぐされてもおかしくないと考えますが、ご所見をお聞かせください。
また、本当に企業へのインセンティブとするのであれば、法人事業税のほうを減税すべきと考えます。
これまで法人府民税の超過課税で得られていた約54億円相当の額を、法人事業税で割り戻して減税すれば、利益のあがっている、 がんばっている企業への減税が大きくなり、喜ばれると考えますが、知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
超過課税の廃止についてのご質問ですが、これは今回、国際総合戦略特区の指定を受けまして大阪に企業を呼び込んでくる、 そして雇用を造る、賑わいを造るということで、大きなインセンティブを造らなければなかなか市場は反応していただけないということから、 この特区において新規参入企業等へ地方税を5年間ゼロにしようという方向を橋下市長とともに話し合ったところであります。
新しく入られる企業に対して税の大きな優遇をする限りは、大阪で今まで頑張ってきていただいている企業に対しても、 何らかお気持ちだけでもこれからも頑張ってくださいよということを伝えなければならないということで、 他府県と比べて突出して高い超過課税の均等割りを、一度廃止しようということで現在、検討しているものであります。
【再質問】
今回の松井知事の決断にあたって、超過課税がどのくらい企業誘致の阻害要因になっているのかお調べになったのですか。
超過課税をやめたら企業は本当に大阪に来てくれるのでしょうか。どれぐらいの効果を想定しているのですか。
さらには格段に大阪が高いというのはどういうことですか。
【知事答弁】
我々は今回特区の指定を受けて、この特区を最大限生かしたい、その特区を最大限生かすためには規制緩和と税の圧倒的なインセンティブが必要ということで考えたわけです。
当時はそういう特区指定がなかったから、超過課税をやめることによって、穴が開いた部分というか税が入ってこない分ですね、 これが非常に厳しい状況になるということで難しいと判断をされたと思うのですけど、これ今回、地方税ゼロというのも5年間ですから、 その間に呼び込めば、その後はまた税をいただける仕組みになるんですね。
だからそこで損をして得を取れではないですけど、まずはその部分を、超過課税を、特区の税のインセンティブとあわせて、 他府県と比べて突出して高い超過課税の均等割り分の廃止を考えたものであります。
法人府民均等割りは31府県で実施されていますけども、最少は高知県が500円加算であるところ、 大阪府は1.5倍または2倍相当の加算をしておるということで、他府県と比べて突出して高いということです。

2 商店街等地域商業の活性化について

【質問】
大阪を元気にするためには商業の振興も考えていないといけないと思います。
平成21年5月に、我が会派の主導による議員提案で「大阪府商業者等による地域のまちづくりの促進に関する条例」が制定されました。
この条例のなかでは、府は地域のまちづくり活動のために必要な支援を行うものとする、となっています。実際のところ、 大阪府はどのような施策をとってくださっているのでしょうか。予算規模としては、他府県と比べて非常に小さいと思います。
大都会の東京都ですら、数十億円規模の予算を投じています。もう少し、応援していただいてもよいのではないでしょうか。
北海道の例をあげると、「地域商業の活性化に関する条例」案が知事提案されております。
これは、事業者自身に地域貢献活動の作成・提出を義務付けたり、商業事業者が撤退するときの知事への事前報告制度や、 後継店の確保の努力規定を置いておられます。
このような例を参考に、なにか大阪府として制度を検討していただけないでしょうか。商工労働部長のご所見をお伺いします。
【商工労働部長答弁】
商店街振興にあたって、府として取り組まなければならない課題として、
・商店街の活性化に取り組むリーダーの育成と、リーダーをサポートする体制づくり
・活性化の成功事例をモデルにし、その取り組みを普及すること
・商店街振興の大きな妨げである、空き店舗対策の積極的な推進
・市町村や商工会議所・商工会との連携による地元のコミットメントを求めての、地域のまちづくりと一体となった商店街振興の推進
の4点を選定し、重点的に取り組んできました。
例えば、空き店舗対策については、緊急雇用基金を活用した就労支援と商店街活性化をめざす事業を拡充しましたほか、空き店舗の発生を未然に防ぐ協定を検討し、 個別商店街での具体化を働きかけるなど、積極的な取り組みを進めてまいりました。
なお、空き店舗の発生を未然に防ぐ協定については、緒についたところですが、その効果を検証しながら、その制度化についても検討していきたいと考えております。
また、来年度からは、「まちづくり一体型商店街活性化事業」に取り組みます。
これは、商店街に継続して人の流れを呼び込む仕組みを作っていくことがねらいでございまして、そのプラン作りを支援していくということでございます。
厳しい財政状況ではありますが、今後とも、地域商業の活性化に向け、職員が最大限工夫をし、汗を流しながら積極的に応援してまいりたいと考えております。

3 府のガバナンス(庁内の意思決定のあり方について)

(1)府市統合本部と顧問・参与の役割
【質問】
府市統合本部会議の議事録を見せていただきました。
この会議の場では、特別顧問のみなさんが府の政策を決定し、知事・市長がお墨付きを与えているように感じます。
特別顧問はそもそも、知事が政策的又は専門的事項に関し、助言をしてもらうために委嘱しているはずです。
選挙で選ばれたのは知事ですので、知事自身が責任をもって政策決定すべきではないのでしょうか。
この点、どのようにお考えですか。
【知事答弁】
府市統合本部の議事録を見て頂いたらわかっていただけると思うのですけど、特別顧問、府市統合本部の委員の皆様、 一つの課題において全く違うご意見のときもある。様々なご意見を聴きながら、決定は私自身がしっかりとガバナンスを発揮してやるつもりです。
先日も堺屋先生と上山先生で本当に全く違う議論になりました。
そんな中で、僕と橋下市長とでその二つの意見を聴きながら最終的にはこちらの方向で決めていく、ということを決定しておりますので、 まさに選挙で選ばれたそういう役割でガバナンスを発揮しているつもりです。
【再質問】
府市統合本部では、知事がその場におられますので、それで結構です。
もし知事がいないところで、その特別顧問の皆様が職員に対して指示・命令のような発言をされたら、知事はどうされますか。
今、おっしゃったように全然違う意見を持っておられるお二人がいらっしゃるということですので、 もし指示・命令に近いものがあれば全然違うものが出てくるはずですが、どうお考えですか。
【知事答弁】
決定者がいない場所で指示・命令が出るのは、物事を決めるための事務整理の部分だと思います。
統合本部の皆さん、委員の皆さんが、大阪府市の方向性を決めるプロセスで意思決定はされないものと考えております。
【再質問】
では、特別参与の方はどうでしょうか。
参与は、部長に対して助言をする位置づけの方だと聞いていますが、部長のいないところで、特別参与のみなさんが、 職員に対して、指示命令のような発言をされたら、政策企画部長はどうなさいますか。
【政策企画部長答弁】
参与もあくまで助言者の立場から専門的なアドバイスをいただいている方であると認識しております。
決定は知事ということになります。
《まとめ》
よくわかりました。
職員の皆さんお聞きのとおりですので、知事や部長のいないところで特別顧問や参与の方が指示命令された事例があれば教えてください。
(2)市長と知事の関係
【質問】
去る2月6日に掲載された新聞記事によると、病気で長期入院している現役高校生が、高校にも病院内学級を作ってくれ、 と大阪市に要望を出したとのことです。これを受けて、大阪府教育委員会がすぐさま対応して、予算案を計上しています。
このこと自体は、素晴らしいことです。知事復活予算のヒアリング項目にも入っていませんから、いかに緊急対応されたかがわかります。
もとはと言えば、大阪市旭区長が、この要望を大阪市の橋下市長にメールしたことが発端だそうです。
知事は、いつ、どなたに、この予算措置の指示を出されたのでしょうか。
【知事答弁】
これがまさに今までの府市の壁が全くなくなったという象徴的なものだと思っております。
当該生徒から旭区長のところにお話があって、区長から橋下市長にメールが届き、僕が教育委員会に検討させるまで一日です。
だから、一日で旭区長の懸念が教育長のところに届いたということでありまして、 どの時点で僕がそれを決断したかと言えばその聞いた瞬間に決断をして、検討をしていただくように指示しました。
【再質問】
基本的なルールを確認したいと思います。
私の手元には、橋下市長からのメールがあるんです。
これは、橋下徹さんから幹部メールとして、中西教育長や副知事、その後に松井一郎知事の名前がでていますね。
各部長、教育委員さん、いっぱい名前が挙がっています。府庁も府教委も市役所も総力を挙げてほしいと。
知事もよろしくお願いしますと。これ一斉メールですよ。
今後もこういうことが続くということでしょうか。
【知事答弁】
それ、だめですか。
今、府市統合本部においては市の職員も併任をかけております。
僕自身、市の職員に直接指示命令をさせていただいてます。
その後で、最終的に事業を実施するに当たりましては議会の皆さんのご議決をいただきますから、 そのメールとか指示命令の過程の中で僕のところにも届いておりますから、おかしいというのであれば、 橋下市長にしっかりと話もしますし、違うということも言います。
ただ、僕が指示命令していること、橋下市長から指示命令がいろいろと情報が出ることについて、 二人の意見で違うということになった部分がないので、そのまま行政として動いているということです。

4 教育

(1)私立高校授業料無償化の財源について
【質問】
財政調整基金が枯渇しそうな現状で、私立高校の無償化は続けられるのでしょうか。
5年間は大丈夫、という前知事の答弁でしたが、今後の財源はどうするつもりなのですか。
【知事答弁】
授業料の無償化につきましては、財政的な理由によらず、子どもたちが自由に学校選択をできる機会を提供していく、 そのことを通じて公私間の切磋琢磨を促し、教育力の向上を図るために、平成23年度に制度を拡充したものであり、 原則5年間は制度を継続させることとしております。授業料無償化は、府政の重点事業であり、当然、継続事業実施が必要と思っております。
この財源ですけれども、全施策を選択と集中の観点から見直しながら、必要な財源を確保してまいります。
《指摘》
5年というのはちょっと心配ですね。6年目がどうなるのか。
少しでも変われば大変なことになるということをお考えいただきたいと思います。
(2)高校教育のあり方
【質問】
教育は、持続可能な政策であるべきだと今申し上げました。
昨年9月の我が会派の代表質問のなかで、私立高校が無償化されたことで、十分な学力がないのに入学できる仕組みができたのではないか、 という懸念を示しました。最低限の学力等がなければ、高校に入れないような入学基準を定めるべき、とも指摘しました。
大阪市長になられた橋下前知事が、この時の指摘を受け入れてくださったのだと理解していますが、最近になって、 小中学生でも留年させると発言されています。
我々としては、小中学生の留年制度でも、高校の入学基準でも、どちらでも結構ですので、最低限の学力等を持った生徒が高校に入る、 という仕組みを早急に作っていただきたいと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
教育振興基本計画をつくるにあたってその目標をどなたが定めるのかというところが、一番重要ではないかなと思っております。
今回、条例においては、この目標を定めるのは知事と。教育委員会は協議はしますけど、最終的には知事が決定するという仕組みを作りました。
そういう制度ができれば、教育振興基本計画が、まさに民意を受けたもので認められるということになるのではなかろうかなと思ってます。
教育目標の設定に当たっては、教育委員会、また府民の皆さん、教育現場に近い皆さん、また有識者の皆さんの意見を聴きながら設定をしたいと考えております。
【再質問】
今、私が聞いているのは松井知事がどんな目標をそこに盛り込みたいんですかと聞いているんです。
【知事答弁】
大きな枠の目標としては、今の子供たちが確かな学力や豊かな人間性、健やかな体をはぐくんでいっていただけるようなことを基本とした目標です。
その中身については教育振興基本計画を定めるにあたって、児童生徒、 学校現場に近い人や、有識者や教育委員会といろいろと話をしながら協議をしながら具体的に決めていきたいと思います。
【再質問】
確かな学力と健やかな体というのは教育目標ですか。
知事が目標を決めたいと、教育委員会には任されないとあれだけ踏ん張ったのですから。
だからあなたのつくりたい目標は何ですかとお尋ねしているんです。
【知事答弁】
ですから申し上げてるじゃないですか。それが大きい方向性じゃないですか。
確かな学力、当たり前違いますか。今、大阪で確かな学力が要る人が大勢いるんですよ。
そういう人に確かな学力をつけさすと。これ、目標じゃないですか。
数値を示して目標を示すのは、教育振興基本計画でしっかりと議論をして示していきます。
確かな学力、健やかな体、学力アップ、こういうことは目標と言えると思いますので、これが今の時点でこういう方向性に向いて教育振興基本計画を作っていくということです。
【再質問】
明確な目標を作っていただくことを期待しています。
ところで今回、維新の会が出された教育基本条例案の第2条第5号には、「愛国心及び郷土愛に溢れる・・・人材を育てること」 が基本理念のひとつとしてあげられていました。ところが、知事の出された教育行政基本条例案のなかには、愛国心の観点が抜け落ちております。
せめて前文の中にでも入れていただかなければ困ると思っておりますが、修正してくださいますか。
知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
今、議員がお話ししたような理念の部分につきましては、私も府政方針演説においても、そういう同じ思いで策定しましたということをはっきり申し上げてます。
前文にその文章を入れ込む、入れ込まないではなくて、そういう思いの中で作られた条例であるということが事実であります。
《提案》
知事の方から修正案が出なければ、私たちで修正案をださせていただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいください。

5 庁舎問題と咲洲、大手前のまちづくりについて

(1)咲洲のペデストリアンデッキ等の進捗状況と咲洲庁舎の工事停止
【質問】
咲洲地区の活性化に向けたアクセス改善の一環として、コスモスクエア駅から咲洲庁舎までのペデストリアンデッキの整備と、 咲洲トンネル無料化を実施するということは、府が、旧WTCビルを購入するかどうかを審議していた平成21年9月議会の際に、大阪市長が約束したものです。
ところが、一向に進む兆しがありません。
昨年8月に橋下前知事は、大阪市長に対して公文書で約束の順守を求めています。
その際、大阪市からは責任を持って取り組む旨の回答がされています。
ところで、橋下前知事が大阪市長に就任されたあとの今月1日、再度松井知事から、アクセス改善のための来年度予算措置状況等を確認する公文書が出されました。
その回答が今月20日に示されました。「咲洲庁舎については、中央防災会議などから示される新たな知見を踏まえて活用方策について検討するとの考えが示されたところである。
このことから、咲洲庁舎の安全性と全面的な活用に向けた方向性が示されることを前提に、アクセスの改善に取り組むものとする。」となっています。新たな条件が付けられているのです。 
また、報道によれば、橋下市長は、咲洲庁舎はスカスカなのに、なぜ少ない職員のために作らなければならないのか、とおっしゃっているようです。
しかし、ペデストリアンデッキの整備と咲洲トンネル無料化は、府、市、経済界の合意事項であり、大阪府の庁舎のために整備するものではありません。
大阪市長の言い分を認めるのであれば、中央防災会議の結論が示される前に、咲洲庁舎耐震化のための府税を投入することもおかしいのではないでしょうか。
大手前の庁舎本館の耐震化以外の庁舎関連工事予算は、中央防災会議の知見が出るまで計上すべきでないと考えます。
これらの点について、知事はどのように説明されるのですか。
【知事答弁】
咲洲庁舎においては、今後、中央防災会議等の知見によって一定の追加対策必要になる可能性はあるが、 平成24年度予算に計上した整備改修費は、これまでの点検において必要と考えられるものであります。
なお、本館の耐震補強工事と併用して行う環境改善工事や計画修繕工事については、工事に着手するのは25年度から予定しており、 来年度中央防災会議の知見に基づく庁舎のあり方を議論したうえで着手することになります。
【再質問】
大阪市が主体的に取り組むべき咲洲のまちづくりに協力しないなら、早急に咲洲庁舎から府職員を引き上げ、 撤退すべきだと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。
【知事答弁】
大阪市が街づくりに協力しないとは思っていませんので、現時点において咲洲庁舎から職員を引きあげさせるということは考えておりません。
《まとめ》
この問題は、平成22年2月議会で、旧WTCビル購入予算を議決する際に総務委員会において附帯決議をした重要な事項でありますから、 今日の議論を踏まえ、委員会でさらに問題点を質していきたいと考えております。
(2)庁舎をふたつ持つことについて
【質問】
昨年8月に、咲洲庁舎への全面移転はせず、大手前庁舎の耐震化を進める方針が示されました。
我が会派は、咲洲から全面撤退し、大手前に庁舎を集約するよう主張してきました。
防災情報センターを大手前地区の新別館に設置することが決定した現在、咲洲庁舎を手放さない限り、 庁舎をふたつ持つ状態が続くことになります。 
これだけ財政難であるのに、庁舎をふたつ持つことに優位性があるとお考えでしょうか。
もしそうなら、その理由はなんなのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
大手前と咲洲の二つの庁舎を併用することは、管理コスト面などで課題はあると思います。
今後、府庁舎のありかたについては、来年度の中央防災会議から示される知見等を踏まえ、咲洲庁舎の抜本的な耐震対策、 同庁舎の活用方策とあわせて判断してまいります。
(3)本館美術館化構想
【質問】
知事は、本館を美術館にしたいともおっしゃってます。
先日の大阪維新の会の代表質問のなかでは、本館の美術館化は、咲洲庁舎が活用できることが前提なので、 ただちに検討することは時期尚早だ、という答弁でした。
それなら、本館の耐震化などにかかる予算も中央防災会議の結果が出るまで執行しないのでしょうか。
そもそも、この古い建物を大勢の人が来る美術館として使えるのでしょうか。実現可能性はあるのでしょうか。
知事からはどのような指示があったのでしょうか。合わせて総務部長のご所見をお伺いします。
【総務部長答弁】
知事から検討の指示があったかのかということですが、具体の指示はございません。
次に、本館を美術館として使えるのかどうかということですが、本館の現在の用途は、事務所となっております。
美術館として使う場合は、建築基準法上の特殊建築物に該当するため、用途変更の建築確認手続きが必要となります。
少なくとも、現行法で定められております防火避難規定に適合させるための改修工事が必要となります。
それから、本館は正庁を除く部屋の天井高が通常の美術館と比較すると高くないこと、部屋の面積が狭いということ、 また大型作品を運べる搬入用エレベーターがないということで、一定の制約が生じるのではないかと思っております。
それから、建築基準法では、用途変更は荷重条件が変わらない範囲内で適用することを基本とされております。
床荷重が増加する場合は、改めて構造の安全性を確認することが求められます。
これについては、まだ私どもは具体の検討をしておりませんけれど、大阪市さんが考えておられる美術館の場合は、 平米あたりの荷重が約350キロです。事務所の場合は、約290キロということになりますので、 本館の場合はコンクリート強度が今使われているものの約半分というような問題がございますので、床荷重が大幅に増える場合は、 梁などの補強工事が必要となります。
以上の課題は、知事に報告させていただいております。
本館の耐震化については既にお認めいただいております。進めさせていただきます。
【再質問】
部長の答弁では、知事が本館を美術館にしたいと言っても、できそうにないと思います。
知事の本館を美術館にしたいという発言の真意は何な のでしょうか。実現可能性はあるとお考えでしょうか。
府民が誤解されますので、発言撤回を求めますが、いかがですか。
【知事答弁】
今部長の答弁を聞いて、あの程度であればクリアできると思いました。
まさに、庁舎の問題は別途おいて、これは中央防災会議の結果を受けていろいろと判断をします。
この歴史的建造物をしっかりと府民の財産として活用していく、そしてここに、大阪府民の皆さんが、 大阪には歴史と素晴らしい絵が一緒になった建物があると。そのことを自慢できるような、 そういうものの一つとして美術館というのはいいんではないかというふうに考えておりますので、撤回と言いますか、 これはまだ構造物上の課題はいろいろありますから、そして今現在庁舎の問題、そういう問題をクリアしたうえで、 できればこの正庁の間も、すごいお客さんが来ていただいております。この議場も本当に素晴らしいと思います。
こういうものを広く府民の皆さんに開放して、大阪府民の皆さん自身の自慢となるようなものをつくりたいというのが私の思いです。
(4)大手前のまちづくり
【質問】
9月の代表質問でも提案したように、我が会派としては、本館の南側、上町筋沿いの場所に集約庁舎を建設し、 咲洲を撤退して大手前地区に庁舎を集めるべきだと考えています。
ところが、昨年2月に出された大手前・森之宮地区の土地利用基本計画(素案)では、広場か宿泊・滞在機能を検討することになっています。
今後も、大手前地区については、土地利用基本計画に沿ってまちづくりを進めるのでしょうか。
それとも、大幅に見直す予定があるのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
今後の庁舎のあり方については、来年度示される中央防災会議等の知見を踏まえ、咲洲庁舎の抜本的な耐震対策や同調者の活用方策とあわせて検討いたします。
大手前のまちづくりについては、先の9月議会において成人病センターの拡張用地のご提案を受けたことや、 本館のE型耐震工事に着手したこともあり、一定の見直しを必要と考えているが、今後、土地利用基本計画の素案をたたき台として具体化を進めてまいります。

6 府民安全・安心

(1)エネルギー政策に対する府のスタンス
【質問】
知事は、2月7日の定例記者会見のなかで、脱原発依存を表明され、短期的、中長期的な設計図を作らなければならない、 と発言されました。また、発電所を新設する場合の環境アセスメントに時間がかかりすぎるとして、規制緩和の必要性を示されました。
去る2月13日の府市統合本部会議の資料によれば、液化天然ガス(LNG)発電所の新増設を自治体がやるという戦略になっています。
しかし、LNGは高額で、安定的に入手できる保証はないとのことです。それでもLNG発電所の新設を目指すのでしょうか。
また、前知事は、太陽光発電設置を新設住宅に義務付けたいと5月に発言されましたが、その後のアンケートの結果、 200万円も初期投資が必要なら反対だ、という意見が圧倒的であることがわかりました。
24年度予算案には、住宅用太陽光パネル設置費用のための融資事業が予定されていますが、融資だけで、 設置数が増えると思われるのでしょうか。新規施策の効果について、知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事答弁】
LNGの火力発電について積極的に進めようとはしておりますが、これは自治体がやるとは僕は言ってません。
これは、現在の電力事業事業者さん がLNGの発電所を増やしていただけるように、 自治体としてお手伝いできることは何でもお手伝いしたいということで申し上げたところであります。
アセスの短縮化等は国に求めていきたい。
それと太陽光パネルに関わる融資事業については金融機関と連携し、低金利で家庭用の太陽光パネルを増やしていただけるように制度を創設したものであります。
一般財源の支出を伴わないよう預託制度を活用し、太陽光パネルの設置意欲のある住宅所有者への設置促進を図ることを目的として、 費用対効果を考慮して施策を作りあげたものであります。
(2)住宅バウチャー制度と住宅への公的支援について
【質問】
住宅バウチャー制度の検討を含めた「大阪府住宅まちづくりマスタープラン」の策定にむけて、現在国と協議中と聞いています。
バウチャー制度の財源問題などは、9月のわが会派の代表質問でも指摘してきましたが、国の制度導入に対する態度はどうなのでしょうか。
また一方で、府営住宅は現在13万戸あまりであるのに対し、住宅バウチャー制度の対象は60万世帯と想定されています。
大阪府としては、本当に60万世帯に公的な支援をすべきと考えているのでしょうか。住宅まちづくり部長にお伺いします。
【住宅まちづくり部長答弁】
まず、国の住宅バウチャー制度の導入に対する態度については、平成17年度、国の社会資本整備審議会というところで、 民間住宅を活用して家賃補助は効率性の高い政策手段とされておりますが、生活保護との関係、あるいは財政負担、 あるいは適正な運営のための事務処理など整理すべき課題が多いとされたところ。府におきましては、それ以降の検討が進んでおりません。
直ちに制度創設に至る状況ではございません。
次に、住宅バウチャー制度における対象を60万世帯としている点でありますが、これは一つの試算としてお示ししているもの。
この中には、現行の生活保護の受給世帯、公営住宅の入居世帯も含まれております。
実施にあたっては、支給対象世帯をどのように設定するかについて、必要となる財源、住宅困窮者の居住の状況、 あるいは民間賃貸住宅市場の動向などを勘案しまして決定する必要があると考えています。制度の導入には、様々な課題があり、 さらに検討を要する点もありますので、府におきまして、制度の創設に向けた本格的な検討が進められるように提案するものであります。
(3)稲スポーツセンター廃止条例案取り下げについて
【質問】
9月議会に提案され、継続審査になっていた稲スポーツセンター廃止条例案については、今次定例会冒頭で取り下げられました。
我が会派は、10月から一貫して、廃止条例案を取り下げるよう主張してまいりました。
このたび、我々の意向をくみ入れてくださったことについて、お礼を申し上げます。
しかし、この件については、市町村との役割分担を言いながら、提案当初から役割分担ができていないことが明らかになっていました。
また、スポーツセンター廃止後に設置する予定だった施設についても、今回の混乱で大幅に遅れることになります。
我々が、廃止条例案取り下げを訴えた時に、速やかに対応してくださっていれば、半年早くできたのではないかと思っていますが、 混乱の責任について、知事はどのようにお考えになりますか。
【知事答弁】
稲スポーツセンターをご利用いただいていてきました障がいのある皆様方に対しては、この間、大変ご心配をおかけし、 ご苦労をおかけしたと思っておりまして、先日お会いした時にもお詫び申し上げました。
ただ、このことにより施設が遅れたのではないかというご指摘ですが、開所時期はできる限り当初の時期に合わせて事業を進めていきたいと考えています。
虐待を受けている子供たちのための施設、この開所時期を明確に決める、これを一日も早く施設をつくり上げる、 そのためにも今回稲スポーツセンターの廃止条例を取り下げて、今まで使用されてきた障がいのある皆様方と子供たちのための施設、 これを併用できるように考えて、今回取り下げを決断したものです。
(4)災害廃棄物広域処理の必要性と府民の安全確保について
【質問】
知事は、岩手県の意向を受けて、災害廃棄物処理に協力することを表明されています。
早く処理しないと被災地が困られるという事情はわかりますが、被災地だけで処理しきれないのはどういう理由なのでしょうか。
なぜ災害廃棄物を広域処理する必要があるのかをしっかり丁寧に説明し、原子力発電所の事故に伴う放射線による府民への影響が無いよう、 府が策定した処理指針をしっかり運用していくことが必要だと考えますが、環境農林水産部長のご所見をお伺いします。
【環境農林水産部長答弁】
岩手県では災害廃棄物処理詳細計画を策定し、雇用の確保、被災地への経済効果のため、 県内において処理することを基本方針としておりますが、この計画では、発生した約475万トンの災害廃棄物のうち、 可燃廃棄物が約132万トン、不燃物廃棄物や金属くずなどが約343万トンであり、既存の処理施設や休止している施設の再稼働、 また民間施設を最大限活用し、さらに仮設の焼却炉の設置や復興資材として使用しても、なお可燃物で約50万トン、 不燃物で約7万トンは県外での広域処理が必要とされています。
これは、3陸地域がリアス式海岸であり、平地が少なく、災害廃棄物の仮置き場だけではなく、仮設住宅の設置場所ですら確保が困難であるなど、 絶対的に用地が不足していることや、仮設焼却炉の建設につきましても、その用地確保や手続き、 建設工事に3、4年の期間を要することも原因と聞いております。このため、震災から約1年が経過しようとしておりますが、 この2月20日現在で、約36万7千トン、全体の約8%が処理されたに過ぎないという状況にございます。
岩手県の東日本大震災津波復興計画では、災害廃棄物の処理が終わった後に本格的な復興の取り組みが行われることになっており、 広域処理が被災地の早期復旧、復興を図るためには不可欠でありますので、大阪府としても積極的に協力支援していくべきと考えております。
府の処理指針は、放射線に関して府民の健康に影響が出ないよう十分に安全性に配慮して専門家の方々に決めていただいたものであります。
これに基づき、処理施設を保有する市町村と連携しながら、受け入れの必要性や安全性などについて 焼却施設の周辺住民の方々などにもしっかり説明をしてまいります。
また、実際の受け入れに当たりましては、試験焼却による安全性の確認や、それぞれの処理工程での放射線量の測定等監視体制も確実に実施し、 作業者や周辺環境への安全対策を万全にしたうえで処理を進めてまいります。
《まとめ》
阪神・淡路大震災の時も、約2,000万トンの災害廃棄物が発生し、災害廃棄物を関東、関西の府県で分担して処理したことによって、 震災発生後2年で93%の災害廃棄物が処理され、3年以内に全ての処理を完了したことによって復興につながりました。
我が会派としては、府民の健康や安全について万全の体制をとった上で、岩手県の早期の復旧・復興のため、広域処理に協力すべきと考えます。
廃棄物処理施設を保有する市町村に対しては、大阪府が最終処分先の確保などをしっかりサポートし、被災地支援に取り組んでいただきたいと思います。

7 大阪の社会基盤

(1)ハイウェイ・オーソリティ構想とミッシングリンクについて
【質問】
阪神高速道路が、今年1月から距離料金制になりました。
距離料金導入にあたっては、紆余曲折があったわけですが、本来は、 阪神都市圏内の高速道路と地方有料道路をハイウェイ・オーソリティとして一体的な運営をめざしているはずです。
このハイウェイ・オーソリティ構想には、目的が二つあります。一つには料金体系の一元化を図ること、 二つには料金収入によりミッシングリンクを整備することです。優先順位はどちらが上でしょうか。都市整備部長にお伺いします。
【都市整備部長答弁】
ハイウェイ・オーソリティ構想は、地域自らが高速道路の料金設定や戦略的整備、維持管理を行う新たな枠組みであり、 阪神高速、NEXCO西日本、地方道路公社などを含めた阪神都市圏の高速道路を一体的に運用しようとするもので、 兵庫県等関係自治体とともに提案したものであります。
この構想においては、利用しやすい一元化された料金体系の実現とともに、 淀川左岸線延伸部をはじめとするミッシングリンク整備も目指しております。 本構想では、新たな一体的な運営主体が必要となりますが、高速道路会社法や道路整備特別措置法など関連法制度の見直しが必要となることから、 実現までに時間がかかります。
まずは、現行の会社体制の下で実現可能な料金体系の一元化に取り組んでまいります。
【再質問】
ミッシングリンクの例として、淀川左岸線があります。
ほとんどが大阪市域ですので、今の仕組みでは、建設費用として約1000億円を大阪市が負担すべきものです。
しかし、平松・前大阪市長は、これは広域行政の事業なので、財政難の大阪市は、積極的に動くものではない、 という趣旨の発言をされています。これに対し、橋下・前知事は、大阪市は関西全域のことを考えて積極的にかかわるべき、 という趣旨の発言をされました。このやりとりを受けて、橋下さんは「大阪に二人の指揮官はいらない」と言い始めることになったわけです。
ところが、大阪市長になった橋下さんは、報道によれば「大阪市は市民税と府民税から出資して、二重に負担している。
政令指定都市は広域行政に対する出資はもうやめていく」と発言されたそうです。
前の平松市長と同じことを言い始めたように聞こえます。
これからどうしていかれるのですか。早くミッシングリンクを解決しようと思えば、府市統合本部会議で早急に結論を出されて、
大阪市に1000億円の負担をしてもらって、国と調整しなければならないのではありませんか。知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
大阪市は関西全域のことを考えて積極的にかかわるべきということは、 現・橋下市長は、まさにその思いでやっていただけるものと思っています。
このミッシングの整備、淀川左岸線などの延伸は、平松・前市長のときには、都市計画決定すらできませんでした。
都市計画決定が今なされていない状況なんですね、これ淀川左岸線は。橋下市長にはまず、計画ですから、 都市計画決定をやっていただく、そしてその都市計画決定をした道路についての進め方は、府市統合本部でしっかりと議論してまいりたい。
その財源については、ハイウェイ・オーソリティの中にあるその考え方というものも取り入れながら財源を確保したいと思っています。
【再質問】
大阪市も大阪府もその財政負担はしないのですか。
ミッシングリンクを解消するためにはハイウェイ・オーソリティができるまで待つのですか。
いつごろになりますか。
【知事答弁】
今、現状の中では、まだ都市計画決定もしていないんです。
まずはそこから着実に進めていくということなんです。
都市計画決定をしたうえで、府市統合本部の中でハイウェイ・オーソリティという一つの枠というか、その制度も使いながら、 どういうふうに進めていくか、それはこれからの話です。
(2)大阪府都市開発株式会社(OTK)の完全民営化について
①完全民営化の理由
【質問】
府は、これまで泉北ニュータウンのまちづくりや物流政策の一翼を担ってきたOTKの株式を一括売却しようとしておりますが、 改めてお伺いいたします。
OTKが、設立当初に求められた役割は何ですか。また今日、その役割をすでに果たしたと言い切れるのでしょうか。
知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
OTKは、高度経済成長期の大阪の都市問題の解決に資するため、府と経済界との共同出資により設立され、 当時、民間だけでは手を着けにくかった東大阪、北大阪の流通センター事業が、 府が開発をすすめた泉北ニュータウンの動脈となる泉北高速鉄道事業の整備や着実な運営を通じて、大阪の都市機能、 都市環境の向上に寄与する役割として設立されたものです。
設立後40年余り経過し、流通施設や新線延伸のような施設整備は終わり、事業成熟期を迎えるとともに、OTKの経営は、 昭和49年度以降、一貫して黒字を計上するなど安定的な経営が行われており、必ずしも府の関与を、現在、 必要としないというのが私の考え方であります。
②株式売却と公共性の担保
【質問】
今回の株式売却に際して、条件の一つとしてトラックターミナルの公共性の担保を検討しておられます。
このトラックターミナル事業は、物流拠点として全国的にも重要な役割を担っており、 府が直営で行ってもおかしくない公共性の高い事業です。府として公共的役割を認識しているなら、 どうして株式一括売却となるのでしょうか。民営化と公共性の担保とは矛盾しているのではありませんか。
そして、トラックターミナルや泉北のまちづくり等は、公としての責任をしっかりと果たすべき事業だと考えます。
この、2点について、どうお考えですか。
【知事答弁】
トラックターミナル事業は、事業が継続される限りにおいて自動車ターミナル法により公共性が規定され、都市計画法、 流通市街地の整備に関する法律により、施設の転用なども簡単にはできないといった枠組みの中で運営をされている事業であります。
そのため、府の株式売却に当たり、トラックターミナル事業の継続を、事業参加者の皆さんと話し合いの中で、 公共性もぜひ考えてくださいねということを申しあげてやれば、損なわれることはないと思います。
また、泉北高速鉄道においても、株式売却の公募時に料金値下げなどの利便性向上としての提案を求めてまいります。
OTKを今のまま府の3セクとして維持するよりも、一定の条件を備えたうえで民間に経営をゆだねることで、事業の展開を促し、 府民、利用者の利便性向上などにつなげることが、府民の期待に応える公の責任を果たすことになると思います。
③泉北高速鉄道の値下げとデューデリジェンス
【質問】
一方で、鉄道事業の売却に際しては、泉北高速鉄道の運賃値下げなどの提案を求めることになっています。
泉北高速鉄道の旅客数を見ますと、ピークであった平成8年度の6,017万人から平成22年度は4,936万人と18%減少しております。
こういった状況で、株式を売却し民間企業に経営を委ねたからといって運賃値下げを実現することは容易ではありません。
確実に運賃値下げにつながる保証はどこにもないのです。
民間に値下げを求める前に、大阪府のするべきことがあります。
例えば、OTKは、これまで大阪府をはじめとする株主に対し毎年4億円の配当を行っております。
府は、優良第三セクターであるOTKを放り出すのではなく、地元堺市とも連携し、 しっかりと地元住民の期待に応えるために汗をかくべきだと考えます。
今回の株式一括売却で考えられている条件を設定すれば、当然、株式価値に影響します。公共性担保など、 条件を厳しく付ければ付けるほど株式価値は低下します。来年度早々にもデューデリジェンス(株式価値の詳細調査)を行う予定と聞いておりますが、 売却ありきではなく、デューデリジェンスの結果を踏まえて、改めて売却するのかどうか、しっかり議論すべきではないでしょうか。
その上で、公募売却となった場合であっても、応募内容がデューデリジェンスで見込んだ金額を下回ったり、 期待している民営化の効果が得られない場合、株式一括売却を一旦白紙に戻し、議論を一からやり直すべきだと考えますが、 この点について、知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
デューデリについては、売却条件や売却価格の設定に大きな影響を与える要素であり、 公募の実施はデューデリの結果を十分に踏まえたうえで判断をいたします。また、弁護士や公認会計士、 学識経験者等で構成する選定委員会を設け、公募の条件、検査基準等について設定、審査することとしています。
売却の決定は、そうした手順を踏んだうえで行うとともに、 最終的には議会の議決もいただくよう関係条例の改正案を提出します。
なお、OTKは府民の貴重な財産であり、公募時の想定を下回る金額での売却は考えていません。
また、泉北高速鉄道の利便性向上に係る応募者からの提案については、府議会の議決を求める前に、 仮契約を結んだ時点でその主な内容は公表いたします。
OTKを第3セクターで経営していくというのは、もう現状の時代背景に合わないと思っております。

8 大都市問題と二重行政について

(1)パスポートセンターの権限移譲
【質問】
パスポート発給申請の受付事務を8つの市に権限移譲する方針が出ていますが、二重行政の解消に逆行するのではないでしょうか。
仮にすべての市町村に権限移譲できたとしても、人件費などの削減効果より事務移譲に伴う経費が多く、 現時点より170万円コストが増えるという試算があります。 また、権限移譲を希望しない市町村が25あるということで、大阪府がパスポートセンターをそのまま持ちつつ、 8市だけの権限移譲となれば、3300万円コスト増になるといいます。
また、市町村では申請受付のみのため、大阪府側で再度発給確認をする必要があり、発給までの日数が増えるおそれがあります。
行政改革に逆行しているのではありませんか。知事は、コスト増になるとしても、 パスポートセンターの権限移譲を進めるおつもりなのでしょうか。まさにこれこそ、新たな二重行政ではありませんか。
知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
大阪府では平成9年以降、大阪版地方分権改革推進制度に基づき、市町村の自主的、 主体的な判断と選択による権限委譲を進めてきたところです。  旅券事務については、市町村に移譲することにより、 住民に身近な市町村の窓口で旅券申請時に必要となる戸籍謄本が取得できるため、旅券申請の手続きがワンストップとなり、 住民の利便性向上につながるものと考えております。
ご指摘の通り、市町村の窓口で申請された場合、交付までの期間は長くかかるが、 これまでの府の窓口においても申請できる仕組みとなっており、住民の利便性が低下するものでありません。
また、コスト面においては、事務移譲を受けた市町村への交付金を交付するため、現コストよりコスト高の見込みであるが、 市町村会からの要望や府民アンケートの結果を踏まえ、市町村の意向を優先するというとの観点から実施するものであります。
こうしたことから、旅券事務の市町村移管は、行政改革に逆行したり、二重行政となるものではないと考えております。
《指摘》
残念な答弁です。
10年に一回しか行かないんですよ、パスポートセンターね。
バランスが必要と思いますよ。府と市町村の役割というのを進めるんであれば、大阪府が窓口の業務をやめることですよ。
今のパスポートセンターは、大阪市にやってもらえばいいじゃないですか。
そういうことを府市統合本部で速やかに方向性を出していただけたらどうですか。
(2)広域行政の事務事業再編に係る財源負担のあり方
【質問】
昨年12月27日に府市統合本部が設置され、広域行政の一元化や二重行政の解消に向けた作業を府市共同で行うことが確認されました。
その主な任務は、現行制度でも可能なものは順次、改革していこうということなので、我々もそれは大賛成です。
しかし、気がかりなのは、こうした仕分けを行った際の財源問題です。
例えば、大学や病院の運営を一元化した場合、現在、府市それぞれが負担している運営交付金などは、 どちらが負担していくことになるのでしょうか。仮に大阪府に一元化されたら、大阪府が全額を負担するのですか。
また、青少年施設など、公の施設についても、広域の役割分担とされたものは、すべて大阪府が運営費を負担するのでしょうか。
府市の役割分担について、広域と基礎のあるべき姿で仕事を整理しても、財源が自動的に振り分けられることはありません。
広域自治体の役割とされた事業の財源をすべて府で抱えることになれば、今でも厳しい財政状況がさらに悪化することは確実です。
役割分担の名のもとに、一方的な財源負担の転嫁があってはならないと考えます。
広域行政の一元化、二重行政の見直しにかかる財源負担のあり方について、知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
広域行政の一元化、事務事業の再編の結果、府が一元的に事業を実施する場合であっても、既存の府の事業水準に合わせるとともに、 新たな大都市制度が実現するまでの間は、双方の負担による共同実施や事務委託の手法をはじめとして、 安定的な財源が確保され、府に一方的に財政負担を押し付けられない、そういうことはないということを基に大阪市と協議調整をしてまいります。
これも統合本部でいろいろと議論をしていきたいと思っています。
(3)広域行政一元化に係る協議会について
【質問】
12月の代表質問でも申し上げましたが、我が会派は従前から、大阪府・大阪市・堺市の3つの地方公共団体の首長と議会が参加する 「大阪広域戦略協議会」を設置すれば、制度改正をすることなく、広域行政の統一化は可能であると主張してきました。
今の府市統合本部会議で行われていることは、我々の提案する「広域戦略協議会」でやろうとしていることと全く同じです。
広域戦略協議会の中で、大阪としての戦略を一つにすることを目指し、どうしても政令指定都市を解体しなければできないことがあるのであれば、 そのときに検討すればいい、と今でも思っています。
今次定例会には、大阪府、大阪市で構成する協議会を設立する条例案が提案されていますが、設置目的を修正していただければ、 賛同できるとお伝えしています。この点については、どうお考えですか。知事のご所見をお伺いします。
【知事答弁】
広域行政の一元化については、統合本部会議において、現行制度で実施可能なものから着実に推進してまいります。
あわせて、大阪の再生には、大阪にふさわしい大都市制度を作り上げていくことが必要というのが私の考えです。
住民代表である首長と議会が参加して協議会を設置し、議員の皆さんと一緒になって考えていきたいと、 こうした趣旨で今議会に条例案を提出しており、設置目的を変える気持ちはございません。
大阪広域戦略協議会というものを花谷議員が、設置目的は別にあるんで、これで充分やっていけるということであれば、 その設置目的を掲げて是非、議会にご提案をされれば、議論の場が、選択肢が広がっていいんじゃないですか。
【再質問】
知事の今の答弁がわかりにくいんですよ。
維新の会の今井幹事長の堺の竹山さんに対してのご質問があった時に、知事は、 条件をつけずに本当に忌憚なく議論をしたいと竹山さんに言ってるんだと。条件をつけてるんじゃないですか。
条件がなければ、入るはずなんです。条件がないのが、私たちの広域戦略協議会なんです。いかがですか。
【知事答弁】
条件というよりも新たな大都市制度を作り上げていくことが必要だと。現行制度のままでは、 今、府市統合本部で様々な諸課題にスピード感をもって、最終的に解決して、 それでよいか悪いかを決定いただくのは各議会なんですけど、それは新たな府市統合本部がバーチャル大阪都的な場所であるから、 スピード感をもってやっていけてるんです。
大阪府があって、大阪市があって、堺市があるという現行の大都市制度のままでは、それぞれの首長が全く思いの違う人になれば、 今の府市統合本部の役割、府市統合本部のああいう形での様々な議論はされてこないと思うんです。
そこに出て頂けない訳ですから。
府市統合本部は、僕が本部長で、橋下市長が副本部長です。
これが平松市長、橋下知事の時にできたでしょうかね。
だから、新たな大都市制度をつくりあげていくことが必要というふうに考えております。
【再質問】
条件をつけずに忌憚のないという割には、大都市制度を作るんだから、竹山市長はおかしいというんです。
だから、我々は広域行政を一元化しましょう、統一化しましょう、二重行政の弊害があるんやったらそれを解消しましよう、 そういう仕組みを作りましょうということで目的は一緒じゃないですか。
関西州に向けて一緒にやりましょうということも一緒じゃないですか。
だから、条件を付けずにやったらいいと我々は言ってるわけです。
先ほど知事から対案を出せばいいとおっしゃっていただいたんで、準備を始めさせていただきます。
そこで、これに関しての最後の質問。知事と意見交換をした時に、都島のことで申し訳ないんですけど、ビーチは広域の仕事ですか。
基礎自治の仕事ですかとお尋ねしたら、府市統合本部が一週間後にできるから、すぐ決めてお返事するとおっしゃっていただきました。
それが一点、教えてください。
もう一点は、大阪市の行政区の区割り案、これは住民投票で決めると言って前回の代表質問でお答えいただきました。
その気持ちにお変わりないでしょうか。
【知事答弁】
この大都市制度の推進協議会での考え方は、花谷議員と私では全く違うと思います。
花谷議員は、現状の制度を維持するというような形で考えられていると思いますので、そこが全く違います。
また、ビーチのお話ありましたけども、これは基礎自治体での役割かなというふうに考えております。
また、区割りについては、これは、現在、大阪市において区長を公募する等作業中でありまして、 それぞれの区長からのいろんなアイデア、そして区割りの相手、パートナー等もその理由も含めて提案をいただくというような形でお示しされるものと思っております。

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