トップページ > 府議会の報告 > 質問・答弁(24年) > 平成24年9月定例会 一般質問

府議会の報告

平成24年9月定例会 一般質問

平成24年12月21日
花谷 充愉 議員

1.財政問題

【質問】
まず、財政問題についてお伺いします。
10月の総務委員会で、臨時財政対策債等の償還にかかる府の償還ペースが、基準財政需要額の算入ペースと異なることは、負担の先送りだと指摘しました。パネルをご覧ください。(資料1)
委員会で質問の際、平成24年度の監査委員意見の注記事項として記載されていた、将来世代の負担額開示例を示し、我が会派が主張してきた内容と同じことが、監査委員からも指摘されていることを紹介しました。
この、将来世代に負担を先送りしている件について、知事に問い正したところ、知事の答弁は「交付税は一般財源で、花谷議員は反対されているんですけど、私学の無償化、これ現世代というか将来世代ですよ」とお答えになりました。非常にわかりにくい答弁でしたが、時間がなく、次に進みましたので、この機会に確認させて頂きます。
まず、私は私学助成自体に反対したことは一度もありません。現に、橋下前知事が助成を削ろうとしたとき、私は真っ向から反対しました。事実を誤認しての発言です。訂正してください。
次に、現世代が借金して使うのは負担の先送りではないかと聞いているのに、私学の無償化は、将来世代のためだと答えています。私学助成について聞いてもいないのに、わざわざここで言われたということは、教育にかかる費用は、今教育を受けている将来世代が、将来自分で負担、つまり返済すべきと考えておられるからでしょうか。わかりやすくお答えください。
また、先日の一般質問で、我が会派の栗原議員は、負担の先送りの定義について質問を行いました。
その際、負担の先送りとは、「将来の負担が重くなるような財政運営で、かつ、将来世代がそれを負担しなければならない合理的な理由がない場合」であると、当時の総務部長と共通の認識を確認したところです。
総務委員会での知事の答弁を聞く限り、負担の先送りの考え方について、知事は部下と異なる考えをお持ちであると考えざるを得ません。知事の考える、負担の先送りに当たらない合理的な理由とはどのようなものか、具体的にお示しください。
【知事答弁】
厳しい財政状況の中ではあるが、教育に必要な予算を措置することは必要と考えている。
臨時財政対策債等の償還にかかる府の償還ペースが、基準財政需要額への算入ペースと違うことを指して「負担の先送り」だと言われるが、基準財政需要額算入額は、あくまで交付税を算定するためのもの。
交付税は使途を制限されない一般財源であることから、府のルールに沿って、計画的に減債基金の積立を行っていることは、負担の先送りには当らないものと考えている。
(私学助成にかかる発言は)そうではなく、今みなさんが受けている負担を将来自分で返済せよというわけではない。
【再質問】
負担先送りの合理的な理由をもう一度聞かせてください。
【知事答弁】
厳しい財政状況の中ではあるが、教育に必要な予算を措置することは必要と考えている。したがって、負担の先送りではない。
【再質問】
答弁になっていません。負担の先送りではないという合理的な理由を聞いている。
【知事答弁】
臨時財政対策債等の償還にかかる府の償還ペースが、基準財政需要額への算入ペースと違うことを指して「負担の先送り」だと言われるが、基準財政需要額算入額は、あくまで交付税を算定するためのもの。
交付税は使途を制限されない一般財源であることから、府のルールに沿って、計画的に減債基金の積立を行っていることは、負担の先送りには当らないものと考えている。
【再質問】
それでは、基準財政需要額と全く違う額が交付されているのですか。
【知事答弁】
基準財政需要額はあくまで算定するためのもので、それと同額ではない。
【再質問】
同額ではないが、その中に返済原資が算入されていて、その返済原資を使い込んでいるのではないかと聞いています。だから合理的な理由を答えてください。
【知事答弁】
交付税は使途を制限されない一般財源であり、基準財政需要額はあくまで交付税を算定するもの。だから、実際に来る金額とは異なるが、結局は臨時財政対策債をしっかり返済できるルールを定めて返済できれば良いわけで、府は返済できるルールを定めている。したがって負担の先送りとは考えていない。
【質問】
橋下前知事の「負担の先送りはしない」、「収入の範囲内で予算を組む」、「実質負債残高は減っている」、「破産会社の社員から優良会社の社員」、「1千億円の貯金を作った」などの発言によって、実態とは違うイメージを府民は抱いています。
府はこれまで、府民サービスを削り、職員の給料を削るなど、平成20年以降、「財政再建プログラム(案)」どおり、削減についてはしっかりやってきました。
ところが、非常に残念なことに、財政状態は未だにひどい状態です。
にもかかわらず、先日の決算委員会で、新公会計制度における行政コスト計算書の「当期収支差額」は、臨時財政対策債が交付税として現金で交付された場合、当期収支差額は1,500億円の黒字となるとの答弁がありました。
この1,500億円の黒字は、活用可能なものなのか。総務部長にお尋ねします。
【総務部長答弁】
臨時財政対策債が交付税として現金で交付された場合、行政コスト計算書に計上される収入が約2,700億円増加し、当期収支差額は約1,500億円の黒字となる。
これは、行政コスト計算書の費用に、23年度に支出した、当期の地方債償還のうち借換債の発行などによる資金手当てを除く当期の手元資金による対応が必要な額が約1,000億円と、減債基金の復元積立額が514億円あり、これらが現れていないことが原因。したがって、当期収支差額の黒字分が資金ベースで残っているわけではない。
【再質問】
今総務部長が答弁した通り、交付税として現金で交付されたとしても、行政コスト計算書の黒字額1,500億円は府の財政において活用できるものではありません。ですから、私は、1,200億円の赤字が実態で、「1,500億円の黒字」とアピールすることは、あってはならないと考えます。
23年度の財政状況について、府は、官庁会計での実質収支で約100億円の黒字と言い、新公会計制度に基づく行政コスト計算書では、1,200億円の赤字と言っています。
新公会計制度の導入により、事業毎や、時系列で財務データが把握、比較できるようになったことや、府の資産や負債の状況がより正確に把握できることは評価しますが、いったい知事は、府の決算状況について、どの数字で府民に説明されるのでしょうか、お伺いします。 
【知事答弁】
これまでは、従来の官庁会計のルールに従い実質収支で説明してきた。このルールは法に基づく制度であり、全国の自治体と比較可能なものであるので、引き続き踏襲する必要がある。
【再質問】
新公会計制度について、維新の会の代表は、「この国には、バランスシートがない。だからダメになった」と言っています。
橋下市長も、「これからの自治体経営に不可欠なシステム」と言っています。
府も、平成22年度当初予算で、制度導入のために4億4千万円余りを計上して膨大な作業を行っています。だから新公会計制度に基づいてきちんと府民に説明すべきと思うが、違いますか。
【知事答弁】
新公会計制度を導入しているのは、今のところ大阪府と東京都だけで、官庁会計比較のためには従来ルールでの公表も必要。
新公会計制度導入により、透明性は高まっている。これで府の収支やバランスシート等を府民に説明する。両方で説明すれば良い。
【再質問】
知事は国のルールで黒字と言いながら、国の制度を批判している。筋が通っていない。府としてどちらかに一本化するべきです。
【総務部長答弁】
知事として、政治家として、これまでも国の財政制度はおかしいと申し上げてきた。これは自民党も主張してきたはず。国に言うべきは言い、府民に対して他府県と比べた場合の状況も説明し、同時に、府民にとって分かりやすい新公会計制度による説明も併せてしてゆく必要がある。
【質問】
次に、平成20年度以降の当初予算における財政調整基金の取崩の状況を説明させていただきます。パネルをご覧ください。(資料2)
収入の範囲で予算を組むと言いながら、20年度は4億円、21年度は376億円、22年度は
356億円、23年度は472億円、今年度は525億円にも上っています。当初予算編成時における財政調整基金取崩し額は、このように増加の一途をたどっており、来年度当初予算でも一定の取崩しは回避できないと聞いています。
次のパネルをご覧ください。減債基金積立不足の状況です。(資料3)
我が会派の主張を受けて、府は、平成23年度決算に合わせ、減債基金の見える化を行いました。その内容は、基金全体を臨時財政対策債と、それ以外の府債に分けたうえで、それぞれの本来の積立額と、実際の積立額及び積立不足額の状況を公表したものです。
これによると、府のルールによる積立必要額は6,118億円、そのうち臨財債にかかる積立不足額は1,451億円となっています。
この取り組みは、いままでの基金の内訳が分かりにくかった状態から、一歩前進したと評価しますが、あくまでも府の独自ルールに基づく積立不足額を表示したに過ぎず、我が会派が指摘してきた返済財源の先食いは明らかになっていません。
次のパネルをご覧ください。(資料4)
これは、先の総務委員会での私の質問に対する答弁の数値を入れ込んだもので、本来必要な臨財債等の積立必要額を表したものです。
このように、府が独自ルールに基づいて公表している積立不足額は1,451億円ですが、府の償還ペースが、基準財政需要額の算入ペースと異なることによって生じている実際の積立不足額は、府の公表数字より2,712億円も多く、その合計額は23年度末時点で4,163億円にも積み上がっており、橋下知事になってから1,256億円も増加しているのです。
将来世代への先送り分も含めた減債基金の復元など、当然やっておくべき対応を行わず、歳入不足の穴埋めのために財政調整基金を流用することは、我が会派としては認めることはできません。
財政調整基金の流用は、昨年度制定した財政運営基本条例の「収入の範囲内で予算を組む」という趣旨に照らしても、合致するものではないと思います。
確かに、この間、リーマンショックや東日本大震災の影響があったことから、税収が伸び悩み、厳しい財政状況が継続していることは理解します。
しかし、一方で、橋下前知事、松井知事は、これまで知事重点事業に多額の税金を投入されてきました。事業を行うことは結構ですが、そのためには安定財源の確保が不可欠です。我が会派は、新規事業の安定財源について、知事に何度も確認を求めましたが、明確な説明がないまま、今の厳しい状態に至っています。
安定財源を確保し、突発的事情の発生なども踏まえつつ、健全な財政運営を行っていくことこそが、知事の役目であり責任であると考えます。
したがって、このような財政状況を招いたのは、トップの見通しの甘さが原因であり、知事たる橋下前知事、松井知事の責任であります。
そこで松井知事に伺います。知事は財政健全化に向けて、今後どのように努力していくつもりなのでしょうか。
【知事答弁】
府では、恒常的な財政赤字や減債基金からの借入、借換債の増発といった、過去の財政運営の教訓を踏まえ、20年以降、財政再建プログラム(案)、これに続く財政構造改革プラン(案)に基づき適切な財政運営に努めてきた。
様々な経済状況の悪化があり、税収が上がらないという厳しい財政状況が続いている。
今後とも、大阪の再生をめざし、引き続き財政健全化に向け努力してゆく。
安定財源ということでは、自民党も国からの税源移譲を求めていたと思う。具体的には消費税増税という目標を掲げ、大政治闘争を今行っている。
それが安定財源にもなるわけで、政権も代わることから、自民党にもご協力いただきたい。
【再質問】
前の総務部長は、私の質問に対し、「府は、一言でいうと、明日の生活費の目処も立っていない財政状態」と表現しました。このような財政状況に至った原因は、橋下前知事と松井知事の責任であり、決して職員や府民が悪いのではありません。厳しい財政状況に至ったことについて、知事は自分に責任はないと考えておられるのでしょうか。
また、府民に対して、あれだけ府民サービスや職員の給料を削減したにも関わらず、厳しい財政状況に陥った原因をどのように説明するのでしょうか、併せてお伺いします。
【知事答弁】
私は政治家として責任を逃れることはしない。厳しい財政状況改善のため、様々な施策を提案し、議会の議決をお願いしている。

2.咲洲庁舎の取り扱い

次に、咲洲庁舎については、質問を通告しておりましたが、昨日の決算特別委員会で、我が会派の宗清議員の質問に対し、知事は「咲洲庁舎が使用できなくなった場合は、私が責任を取ります」という旨の答弁をされましたので、一般質問からは取り下げさせていただきます。

3.大都市制度

【質問】
次に、大都市制度について伺います。
昨今の厳しい経済情勢を脱し、大阪を再生することは政治・行政に課せられた喫緊の課題です。そのためには、何年も先の議論である大都市制度に固執するのではなく、今できる政策を大阪府、大阪市が共に考え、力をあわせて大阪を引っ張ってゆくことが重要であります。
大阪の成長戦略平成24年8月版では、大阪府・大阪市が成長に向けた取組の点検・強化を行い、府市の成長戦略を「大阪の成長戦略」へ一本化し、広域的な視点のもと施策・事業を一体的に進めることとされたところです。大阪再生への取り組みは直ちに着手する必要があります。今後府市でどのように取り組むのか。知事にお伺いします。
【知事答弁】
昨年度には今できる形での府市の一本化、統合本部を作った。統合本部で大阪経済の再生を目指して、議会の採決もいただいて特区における税のインセンティブ制度も作った。ただし、これは僕と橋下市長の属人的な関係によるもので、これを制度的にやれるように、あるべき大都市制度の改正をお願いしているもの。
【質問】
成長戦略は期待している。
大阪再生のためには、府市が連携し、「今できることを今やる」ことが重要と考えます。
そのためにも、府市統合本部は、きちんと機能する必要があります。
ここで、府市統合本部の役割について、事例を挙げて質問したいと思います。バイオ産業は、成長戦略のなかで重要な産業分野として位置付けられていますが、大阪市の市政改革プランでは、「大阪バイオサイエンス研究所」への補助金について、基礎自治体の役割ではないとの理由から、廃止の方向が示されています。
この問題については、府市統合本部で一切議論がされていません。
知事は何かにつけ「府市統合本部で議論する」と言っていますが、成長戦略の重要分野こそ、府市統合本部で十分な検討が尽くされるべきと思いますが、知事のお考えを聞かせてください。
【知事答弁】
「都市魅力創造戦略」「グランドデザイン・大阪」など、「大阪の成長戦略」の取組のうち、府・市で新たに戦略等を策定して一体的に取り組むこととした課題については、府市統合本部において検討を行ってきたところ。
大阪バイオサイエンス研究所については、大阪市の市政改革プランで、平成26年度末までの間に自律的運営をめざすこととされている。府としてもその取組に期待しており、現時点では、府市統合本部で議論していない。
今後とも、成長戦略の重要分野に関し、府と市が共通で取り組むべき課題がある場合には、必要に応じて府市統合本部で議論する。
【再質問】
問題にしているのは、府市統合本部で議論していないことです。何故ですか。
【知事答弁】
これは本部会議で課題として取り上げるものではなく、市のプランの中で自立運営を目指すとなっている。バイオ戦略は統合本部で議論するが、そのことと研究所がどういう形で運営されるかは、別の話。
大阪バイオサイエンス研究所は、大阪市の市政改革プランで自律的運営をめざすこととされているので、そこで議論されるべきもの。バイオを成長戦略の重要分野として位置づけ、様々に議論をしていく部分については、統合本部でやっていく。研究所とは分けて考えていただきたい。
【質問】
研究所の予算を聞いているのではなく、大阪の成長分野について何故やっていないかを聞いている。時間が無いので、次の質問にいきます。また別の機会にやりましょう。
重要なことは、府市できちんと調整しながら進めるべきであり、今やるべきこともやらずに「まず大都市制度の議論を深めましょう」というのは、おかしいと思うので、指摘しておきます。
我が会派がかねてより提案している「広域戦略協議会」のように議員も参画する形にすれば、議論すべき事柄を漏らさずチェックもでき、きちんと機能すると考えます。
更に昨日の国の地方制度調査会専門小委員会における中間報告でも、道府県と政令市の二重行政の解消の方法として、首長と議員が参画する協議の場の制度化が示されています。これこそまさに、私たちが提案している「広域戦略協議会」そのものです。
知事、市長は、「二重行政解消のために都構想が必要」と主張されていますが、自民党が大都市制度推進協議会で質問した「大阪市が消滅しなければ解消できない二重行政は何か」については正面から答えていません。
我が会派の質問に対し、知事は、「現在は私と橋下市長が同じ価値観を持っているが、人が変われば連携が難しくなる。」また、「新たな大都市制度でなければ、将来にわたって二重行政の発生を元からなくすことはできない。」などと、大阪市がなくなれば、新たに二重行政が生まれないようになるとの答弁に終始しています。それは当たり前の話であり、我々はそのようなことを聞いているのではありません。
知事に改めてお伺いします。大阪都にしなければ解消できない二重行政とは何でしょうか。
【知事答弁】
これはすれ違いの議論にしかならない。そもそも橋下知事、平松市長のときに府市統合本部ができていたか。できていない。既に答えている通り。(花谷議員とは)そもそも価値観が違う。
【再質問】
(都にしなければ解消できない二重行政が)あるかないかを聞いている。
【知事答弁】
あったものを今は無くしている。
都にしなければ解消できないということではない。いままで二重行政はあったではないか。府市統合本部で今までできなかったものを次々と一本化している。今は橋下市長と私の思いは一つなのでできているが、あくまで属人的な人間関係によるもの。人が違えば府市統合本部は設置できなかった。それがいままでの大阪の状況。
【質問】
今はないのですね。
【知事答弁】
(二重行政解消のため)この一年やってきていることは理解いただけると思う。今はまだある。だから府市統合本部で議論している。一年で答えを出すのは大変で、病院もやっている最中。長年やってきたものを一年ですべてできるわけがない。揚げ足取りはやめてもらいたい。
【再質問】
揚げ足取りではない。大阪市を解消しなければならない二重行政があるかないかを聞いている。あるかないか、きちっと答えてもらいたい。
【知事答弁】
今でも二重行政解消の取り組みはやっている。あります二重行政。大阪市、大阪府を無くさないと元に戻ってしまう。(花谷議員も)二重行政、二元行政を無くしていくことは了解されているのでしょう。そのための制度を作りたい。今までの役所の姿では変わらなかったということは認識されていると思う。
これ以上どう答えるのか、質問の仕方を考えてほしい。
【質問】
大阪市を消滅させないとなくならない二重行政はあるのかないのかを聞いている。
【知事答弁】
市が消滅、府が消滅などという話ではない。新しい行政制度を作り、二重行政を無くしたいと言っている。そもそも府市がそれぞれ存在しているために二重行政が生じていることは、議場におられる皆様方も分かっている話。
<休憩・議会運営委員会理事会開催後、再開>
【知事答弁】
改めて質問にお答えする。産業振興やインフラ整備の面で大阪トータルの視点が充分でなく、府と市がそれぞれに施策を行ってきたために二重行政が生じてきた。
このため、新たな大都市制度のもと、広域機能を一元化し、こうした状況を根本的に解消することで、将来にわたって二重行政の発生を元からなくすことができると考えている。
【まとめ】
答弁になっていません。あるかないかを聞いているのです。将来の話ではなく、現在のことを聞いています。我々は大阪市があっても二重行政は解消できると考えています。だから府市統合本部でやっていることは評価します。また、過去の歴史から、二重行政は容易には解消できないことも同じ認識を持っています。その解消のため、我々は広域戦略協議会が良いだろう、大阪市があっても解消できると主張しています。
そこで、大阪市がある限り二重行政が無くならないというなら、それは何かと聞いているのに、全然答えていない。そこはわかっていただきたい。
今の答弁では、大阪都にしなければ解消できない二重行政はないと、私は理解します。

4.維新提案条例の取り扱い

<項目4「維新提案条例の取り扱い」は、質問取り止め>

5.知事の政治姿勢

【質問】
次に、知事の政治姿勢についてお尋ねします。
新聞報道によると、知事は、府特別顧問の飯田哲也氏が日本未来の党代表代行に就任したことについて、「特別顧問の職はちょっとやってもらいにくい。われわれと争いますし…」と発言されたそうです。
選挙で争うことになるなら、特別顧問を辞めていただきたいという趣旨であると考えますが、これは、知事として発言されたのでしょうか。あるいは、維新の会の幹事長としてか、どちらの立場での発言ですか。
我が会派は、特別顧問及び特別参与については、これまでさまざまな場面で、府の意思決定や施策方針とは異なる意見の表明や、勝手な振る舞いをされていることに対し、問題が多いと指摘してきました。
また、我が会派は、特別顧問及び特別参与の権限の範囲や責任を明確にし、職務の公正な運営と中立性の確保のため、特別顧問等の設置及び活動等に関する条例を提案しております。
知事は、特別顧問の政治活動について、どのようなお考えをお持ちなのでしょうか、お伺いします。
【知事答弁】
特別地方公務員である、特別顧問等には、政治的活動の制限は課せられておらず、政治的活動を制限することはできない。ただし、特別顧問等が公職の候補者となり、実質的に選挙活動に専念するような場合は、辞職いただくことが適当であり、特別顧問等が自ら辞職していただくことが適当と考えている。
報道された私の発言は、知事であり、政治家である私の思いを述べたもの
【再質問】
「選挙で争うことになるなら」という発言は、幹事長としてですか、知事としてですか。
【知事答弁】
選挙活動をされて、それに専念されるという場合は、辞職いただくことが適当だと考えている。
【再質問】
知事か、幹事長かどちらですか。
【知事答弁】
私は知事であり、幹事長であり、政治家。発言は全てのポジションでのもの。
【再質問】
また議会を止めてはいけないので、次に移ります。
本日の新聞報道によると、橋下大阪市長が、「府庁と市役所は維新幹部がトップで、ある意味で維新政権だ。府市は維新を抜きに物事を考えられない」と発言されたとのことです。この発言を聴く限り、府も市も、公明党、民主党、共産党、自民党など維新以外の政党の意見は聞く必要がない、とお考えとしか思えないのですが、知事も同じお考えなのでしょうか。
また、橋下市長は、大阪府市エネルギー戦略会議について、「府市は維新政権。僕が旗を振った方向性で話をまとめるのか、脱原発依存反対派も入れて中立的に議論するのか確認したい」と述べられています。さらに、「中立的な行政の審議会であれば、メンバー構成を考えないといけない」とも発言しています。
エネルギー戦略会議は、大阪府、大阪市の附属機関であり、中立的な立場で公平に議論するのは当たり前です。にもかかわらず、橋下市長は自分の方針に反する考えは徹底して排除しようとしており、このような勝手な振る舞いは到底認めることはできません。
知事は、橋下市長のエネルギー戦略会議に関するこの考え方についても、市長と同様に考えておられるのか、併せてお伺いします。
【知事答弁】
府市エネルギー戦略会議は、府市の脱原発依存という方向性のもとで、中長期的なエネルギー戦略について、専門的技術的な観点から検討するもの。
附属機関は、首長に附属する機関として、首長が目指す方向性のもとで専門的技術的な観点から審議がなされるものと思っている。
今般も各会派から来年度予算に向けての提言を、自民党も含め受けている。すべての会派の意見を聞いている。それがすべて反映できるかどうかは、私が首長として判断をし、予算を決定、議案として提出するが、意見を聞かないという姿勢は取っていない。
【再質問】
エネ戦会議を見ていると、知事も市長も会議を政治利用しようとしています。エネ戦のメンバーも政治利用しようとしていると見えますが、知事はどう考えますか。
【知事答弁】
私はそうは感じていない。
【再質問】
抗議文が出たり、今回も中立的な審議会ならメンバーを代えると(橋下市長は)発言していますが、そういう解釈で良いですか。
【知事答弁】
エネ戦のメンバーは専門家の集まりであり、専門性の観点から新たな知見が必要な場合は、メンバーを代えることもあり得るが、政治的に代えることはない。
【まとめ】
(お聞きいただいていて)納得いかないところが多々あったと思います。エネルギー戦略会議等は税金を使っているので、おかしな形にならぬよう、みんなで監視するべきです。仮に政治利用が目的であれば、維新の会の費用で勉強していただきたい。

関連サイト

page top