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府議会の報告

平成24年9月定例会 一般質問

平成24年10月2日
釜中 優次 議員

1.府域の詳細な津波浸水区域

(1)府域の津波浸水区域について
【質問】
去る8月29日、国から南海トラフ巨大地震による人的被害や建物被害等が公表されました。それによると、最大クラスの地震・津波への対応の基本的な考え方が示され、「非常に大きな津波が起こりうるということを念頭に置き、強い揺れが起きたら逃げる」ということが強調されています。
府民一人ひとりが、こうした考え方に立って、津波から逃げる事が出来るようになるためには、津波による浸水区域の範囲が、あらかじめ、詳細に府民に示されていることが必要であります。府内市町村は、平成15年度に府等が行った津波浸水予測を元に、津波ハザードマップを作成していますが、ここで取り上げている東南海・南海地震はマグニチュードが8.4で、今回の国の公表内容が前提としているマグニチュード9.1よりも小さい想定となっています。
つまり、現在の津波ハザードマップは最新の知見とは異なる地震規模を前提としており、府民が津波から逃げるためのリスク開示としては不十分です。このため、最新の知見を踏まえた津波浸水区域を元に、ハザードマップを作り直すことが必要ですが、今回の公表内容を見ても、府域の詳細な津波浸水区域は示されておりません。これでは「自らの命は自分で守る」という自助を呼びかけても、府民はどう行動してよいのでしょうか。又誤った認識を持ちかねません。
市町村が最新の津波ハザードマップを作成できるよう、一日も早く府域の詳細な津波浸水区域を明らかにすべきであると考えますが、危機管理監のご所見をお伺い致します。
【危機管理監答弁】
津波からの避難を促すためには、最新の科学的知見に基づいて津波のリスクが開示されていることが重要です。
今回、国から公表された津波浸水区域は、主として広域的な防災対策を検討するためのものです。
府内市町村が津波ハザードマップを作成するためには、地域の状況を踏まえた詳細なデータを用いて、府沿岸部の防潮施設等が地震でどのような影響を受けるかを確認し、府が津波浸水区域を特定することが必要です。
そこで、公表内容の元になった基礎データ等の提供を現在、国に求めているところです。今後は、大阪府防災会議の部会に最新の専門的知見を有する学識経験者にご参画いただいて、科学的、客観的な観点から検討し、府域の詳細な津波浸水区域を年度内をめどに明らかにしていきたいと考えています。
(2)防潮施設等の総点検の内容と今後の進め方について
【質問】
府域の詳細な津波浸水区域については、年度内をめどに明らかにしていくとのことですが、今年度、大阪府では、知事重点事業として、約1億6千万円の費用をかけ、防潮施設など府域内施設の総点検を実施すると聞いております。施設総点検の具体的な点検内容と今後の進め方について、都市整備部長にお伺いします。
【都市整備部長答弁】
本府では、阪神・淡路大震災を契機として、特に本府への影響が大きいとされる、上町断層帯など4つの内陸直下型地震と南海トラフで発生する海溝型地震を対象に、エリア毎・構造物毎の検証を実施しました。
その結果を踏まえ、橋梁等インフラ施設の耐震性については、より大きな被害が想定される直下型地震を主な対象として耐震対策を進めていくとともに、津波対策については、既存の防潮堤の高さが想定される津波高を上回っていたことから、必要な耐震性の確保を行ってきました。
今回、国が被害想定を公表した南海トラフ巨大地震の震度分布や津波高等については、これまで府が想定してきた海溝型地震の想定を上回っていますが、本府が耐震対策の主な対象としてきた内陸直下型地震と比較すると、府下においてはその揺れが小さいエリアが多いと考えられます。このため、まずは、府域における揺れや津波などの外力を詳細に検討した上で、揺れが内陸直下型地震を上回る地域や、津波が防潮施設を超える箇所などについて、年度内に水門、防潮堤も含め施設の点検を実施していきます。
具体的には、学識経験者等のご意見を伺いながら、揺れが従前の想定を上回ったエリアの施設の耐震性の検討や東日本大震災における新たな知見である防潮施設への津波波力や津波が河川遡上した場合の河川堤防への影響などを踏まえ、新たに必要な対策について検討していきます。
《要望》
南海トラフでの地震は、いつ発生してもおかしくないと言われております。
海岸保全施設においては、先の知事要望でもあったとおり、防潮堤等を、1日でも早く想定される地震・津波規模に耐えうる耐震強度や高さの確保を図り、津波対策に遺漏のないようにすべきであります。府民の命を守るためにも、点検結果を踏まえ対策を急ぐようお願い致します。

2.府民の命を守る取組み

(1)都市インフラ設備等の維持管理について
【質問】
新聞報道によりますと、敷設から40年以上経過する老朽水道管は、2010年度末時点で全国に約4万8千キロ存在し、総延長に占める割合は7.9%にのぼるとのことです。都道府県別では大阪府が18.8%と最も高くなっています。本年7月23日に破裂をし、付近に大規模な断水を引き起こした堺市の水道管も、敷設から41年が経過しておりました。
府市統合の議論の中でも、水道事業は、料金設定など目先の損得の議論が目立ち、政策判断になっているように思えます。一番肝心なことは、府民に、将来にわたって安全、安定的に給水できる体制をつくることであります。我々政治に携わる者は、今だけを見るのではなく、将来も見据え、トータルでどう進めるべきかを決めなければなりません。また併せて、その決定を府民に理解していただく努力を行わなければなりません。
水道事業は現在「大阪広域水道企業団」が担っていますが、水道管の維持管理、更新については、府はしっかりと取り組む姿勢でなければいけないと思います。目先の値下げにとらわれるよりも、まず施設の安全、維持管理に資金を使うべきであります。
このことは、昭和40年代以降の高度成長期、全国で都市インフラの整備が急速に進んだことを踏まえると、当然の結果ともいえ、全国的に公共施設、インフラ、ライフラインの老朽化が進んでおります。先の東日本大震災では、岩手県の遠野市役所庁舎が全壊致しました。建物は当然耐震基準を満たしておりましたが、老朽化により劣化が進んでいたため、地震の揺れに持ちこたえることができなかったとのことです。この事例からも、地震対策一つとっても、耐震対策だけこなせば良いというものではなく、経年劣化に起因する耐久性の低下にもっと注意を払うべきだと考えます。
河川に目を転じますと、府内山間部では、最近のゲリラ豪雨が年々激しさを増しており、雨水が濁流となって水位が上昇、河川が氾濫する事態が頻繁に起きるようになっています。その大きな原因は本格的な浚渫が20年以上も行われておらず、その結果、河川に大量の土砂が堆積しているからです。
長年放置された大量の土砂は、上流から下流部に流れ、そのため、河川から農業用水を取っている地域では、取水口を塞いでいる土砂をその都度取り除いているのが現状です。取水の際、使われるゴム製の堰の老朽化も進んでおります。
また、河川に限らず都心部においても豪雨への対応が急務であると考えます。
本年8月14日には、大阪北東部が時間当たりの降雨量100㎜を超える豪雨に見舞われ、多くの浸水被害が発生しました。
聞くところによると、この浸水被害は河川が溢れたのではなく、河川へ流れ込む以前の水路や下水道管が溢れて発生した、内水浸水ということでした。
こうした内水浸水被害を軽減していくには、下水道施設が、いざと言う時100%の能力を発揮できることが極めて重要であると考えます。
新しい施設を作ることも大切ですが、今後は、既存の施設をいかに維持、更新してゆくかが重要になってきます。河川の護岸を部分的に改修しても、全体として老朽化が進んでいたら、地震で崩落、堤防決壊などの事態に陥ることもあり得ます。府が所管しているあらゆる防災、公共施設、河川、道路、ライフラインなどについて、行政の責務としてチェックを行い、そのために必要な予算措置と併せて、計画的維持、更新を進めるべきであると考えますが、小河副知事と綛山副知事にそれぞれご所見を伺います。
【小河副知事答弁】
府民が将来世代にわたって、安全で安心できる暮らしを実現するとともに、大阪が着実な成長を果たすためにも、必要なインフラを整備しつつ、いまある資産を適切に活用し、将来世代に確実に引き継いでいくことが我々の使命であると思っています。
道路や河川などの都市基盤施設や、ため池など農林水産関連施設、府営住宅については、少しでも長く有効活用が図られるよう、それぞれの部局において、適切に施設の健全度を把握した上で、必要に応じて予算を確保し、予防保全の観点による長寿命化や更新時期の平準化、耐震化の促進などにより、計画的・効率的に対策を実施しています。
また、南海トラフ巨大地震の被害想定では、津波のみならず火災や建物崩壊も指摘されていることから、この観点からも、防潮施設等の点検を早急に行い、緊急に対応が必要なものは最優先で取り組んでいきます。
厳しい財政状況の中ではありますが、引き続き、日常の維持管理をはじめ、計画的な補修・更新等をしっかりと行い、府民の安全・安心の確保に努めていきます。
【綛山副知事答弁】
本府が所有する公用・公共用施設については、それぞれの施設の管理者において、維持・補修の必要性を的確に点検、把握しながら管理を行うことを原則と考えています。そうしたうえで、少子・高齢化の進展など取り巻く社会環境の変化や、今後の施策の方向性を踏まえ、必要な施設については、計画的な維持・補修に努めていくことが基本と考えています。
公共施設につきましては、これまでの高度成長期のように次々と新しい施設を造っていくという考え方に立つのではなく、先人から受け継いだ既存のストックを如何に有効に活用するかの視点が重要であると考えます。そのためにも、創意工夫により既存の施設を適切に維持・更新していく必要があると考えています。
この点では、河川や道路などの都市基盤施設も同じだと考えていまして、小河副知事が答弁した予防保全の観点による長寿命化や更新時期の平準化の観点も取り入れながら、必要性を十分斟酌しつつ、適宜適切に維持・更新を図っていくことが必要であります。
その際、予算面、財政の観点でありますが、非常に厳しい財政状況を踏まえ、より一層の選択と集中を図りながら、大阪の将来を見据えたうえで、どのような手段・手法が取り得るかと併せて、幅広く検討し取り組んでいくこととしている。
《要望》
是非、必要なインフラ整備を進め、大阪府域全般の安心・安全に繋げられるよう、取組み下さい。
(2)槇尾川における治水対策について
【質問】
報道によると、北極海を覆う海氷面積は、今年夏の気温上昇に伴って、観測以来の最小記録を更新したとNASAが発表したとのことです。近年は特に夏場に氷が解ける度合いが激しくなるなど、地球温暖化による影響が如実に表れています。地球温暖化、平均気温の上昇は、最近頻発するゲリラ豪雨の一因とも言え、府の大雨対策や河川改修について、近年の気象状況を踏まえ、対応する必要があると考えます。
槇尾川の河川改修については、当面、時間当たりの降雨量が65ミリメートルでも床上浸水しない対策を目標とされています。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、本年8月13日から14日にかけて降った大雨が、大阪府北部地域に床上浸水等の大きな被害をもたらしたように、最近のゲリラ豪雨など、それらの状況を鑑み、槇尾川の現状を改めて確認し、方針の変更が必要か、今一度確かめるべきではないでしょうか。
槇尾川における治水対策は河川改修で行うことを方針決定されたのは橋下前知事でした、前知事は「自らの政治判断」として方針を変更されましたが、松井知事は前知事の決定を踏襲されるのでしょうか。
【知事答弁】
槇尾川の治水対策は、平成22年6月に取りまとめた「今後の治水対策の進め方」に基づき、前知事が「河川改修案」で対応すると政策判断したもので、昨年8月には、前知事が地元の皆さんと直接意見交換し、理解を示していただきました。
当時、私自身も議会側にいましたが、現地に三度お伺いし、地元の皆様と様々な意見交換をさせて頂きました。その上で、私自身も前知事と同じ考えであります。
「真に水害に強いまち」の実現に向けて、すでに河川改修案については、地元のご了解をいただき、境界確定の立会も概ね完了しています。
引き続き、地元の声を聞きながら、しっかりと槇尾川の治水対策を進めていきます。
《要望》
知事が前知事同様「政治判断」として責任をもって踏襲されると言う事でありますが、当時は稀であった事が、近年頻発している事実と、地元の方々にとって長年の大変重要な懸念事項であった事を踏まえ、しっかりと地元の声をお聞きし、説明を果たされた上、不十分であると認識された場合は、柔軟な対策を講じられ、より万全な治水対策となりますようにして頂きたいと思います。

3.救急医療体制

(1)救急医療体制の整備状況について
【質問】
全国の救急搬送人員は、平成20年から一旦減少しましたが、平成22年から再び増加傾向となっております。消防庁がまとめた「救急搬送の将来予測」によると、高齢化の進展に伴い、人口は減少するものの、救急搬送患者の増加に歯止めがかからず、 今後20年間は一貫して増え続けると見込まれています。
一方、市町村消防本部の現場救急隊員の声をお聞きすると、現場で1時間以上も待機し、搬送先を探すこともあると聞きます。患者家族等から「早くしろ」と叱責されることもあり、ようやく搬送先が決定したと思えば、搬送先が遠距離となることもあるようです。
私の地元の堺市圏域は、府内8医療圏のうち唯一、三次救急医療機関が設置されていない医療圏でしたが、現在、三次救命救急センターの整備が進められていると聞き、喜ばしいことと思っていますが、大阪府下における、救急医療体制の整備状況について、健康医療部長にお伺いします。
【健康医療部長答弁】
住民のニーズや期待の増大の一方で、医師の不足や疲弊、医療の専門分化や細分化、救急医療の不採算性など、救急医療を取り巻く現状は依然として厳しいと認識しています。
大阪府の平成22年中の救急搬送人員は、43万人を超え、平成18年をピークに若干減少傾向にあった救急搬送人員は再び増加に転じており、高齢化の影響で今後さらに増加するものと思われる。
一方、救急告示医療機関数は、10年前に300を超えていた時期がありますが、近年は260~270機関であり、救急医療関係者等のご尽力により、かろうじて体制を維持している状況にあります。
ご指摘のとおり、患者を迅速・円滑に搬送するという点では、まだ課題があり、今後も、改正消防法に基づき策定した「大阪府傷病者の搬送及び受入れの実施基準」の運用等、消防機関・医療機関の連携を促進し、現状の限られた医療資源を効果的に活用することで、より適切な医療に迅速・円滑につなぐことを可能とする救急医療体制の構築を目指していきます。
(2)救急車適正利用のための案内窓口について
【質問】
大阪府の特徴として、救急搬送人員に占める軽症患者の割合はすでに6割  (63.1%)を超えており、全国平均の50.7%に比べても高いのが現状です。
府民の方々に救急車の適正利用をしていただくために、医療機関の案内窓口等を設置していると聞くが、どのようなものがあるのでしょうか。健康医療部長に伺います。
【健康医療部長答弁】
府では、救急車を呼ぶほどではないが、病院で診てもらいたいときや医療機関の場所等を知りたいという府民からの問い合わせに対し、オペレーターが、24時間、365日、府内の医療機関について電話案内をする大阪府救急医療情報センターを設置し、年間9万件以上の照会に対応しています。
また、大阪府医療機関情報システムでは、インターネットを通じて、所在地や診療科目などの医療機関情報を公表しており、府民による医療機関の適切な選択を支援しているが、年間100万件以上のアクセス件数があります。
夜間の子どもの急病等に対しては、保護者の不安を解消するため、小児科医の支援体制のもとに看護師による電話相談(#8000)を、午後8時から翌朝8時まで実施し、年間4万件前後の相談に対応しています。
なお、大阪市では、救急車を呼んだ方が良いか迷っている府民からの救急医療相談に対応する「救急安心センターおおさか(#7119)」を設置・運営しており、府としても、今後、効果的な連携方策を検討していきます。
(3)府民への周知について
【質問】
医療機関案内や相談窓口を設置しているとのことですが、府民への認知度が低く、周知がまだまだ足りないと思います。府民は、急に具合が悪くなったとき、どうすれば良いか分からないので、救急車を呼んでしまうのではないでしょうか。
救急医療体制に対する府民の理解を深め、救急搬送数の減少につながる取組みや、効果的な啓発を実施することが重要であると考えます。救急医療体制に関する府民への周知について、どのような取組みをしているのか。健康医療部長に伺います。
【健康医療部長答弁】
限られた医療資源を有効に活用し、救急医療体制を確保・充実させるうえでは、府民に対する救急医療の適正利用に向けた啓発が重要であると考えています。
具体的な取組みとして、これまで、救急医療週間(平成24年9月9日~9月15日)においては、府政だよりや電光掲示板の放映、啓発物品の配布等を行い、また、映画配給会社とタイアップして、ポスターを作成し、すべての救急告示医療機関や高校、商店街などに配布するなど、医療案内窓口等の周知を図ってきました。
また、医療機関の案内をはじめとする救急医療に関する情報を府民に分かりやすく提供するため、大阪府のホームページのトップページにも、危機管理情報の中に「病院等検索」とリンクを表示させるなど、府民への周知に努めています。
今後も本府における課題や救急需要を踏まえ、対象を絞った効果的な啓発を実施するなど、関係機関とも連携を図りながら取組みを進めていきます。
《要望》
今後も救急医療の適正利用に向け、メディア等有効に活用をし、周知徹底に努め、一人でも多くの重篤な患者を医療機関へ速やかに搬送される事が出来るシステムの構築に、更なる取り組みをお願い致します。

4.道徳教育

(1)道徳教育の成果とさらなる普及について
【質問】
日本は敗戦後の廃墟の中から、20年で復興を成し遂げた奇跡の国であります。これは、日本の真面目で勤勉な国民性や家庭・地域とのつながり・きずなを大切にする風土があったからであり、私はそのような歴史を子どもたちがもっと知れば、自然と日本という国を誇りに思うことが出来るのではないかと思います。我が国を愛する心が、グローバル社会で生き抜く為の、これからの日本を創る原動力となる事を信じて病みません。
最近の犯罪や事象を見ておりますと、自分のことだけを考えて、国や地域という「社会や集団の中の一員」という考え方が出来ない、自分勝手な考えを元に、犯罪が増えてきているように思われます。日本の子どもたちを対象としたある調査では、「自分が社会で必要とされている」と感じている子どもたちは、先進国の中でも非常に低く、全体の5割にも達しないという結果も出ております。これは日本の伝統的な地域社会が崩壊し、子ども達が地域の中で居場所を失いつつある事を示し、その結果、地域とのつながりを自覚出来なくなってきていると言わざるを得ません。このように、地域とのかかわりが薄れ、また価値観の多様化や家庭での子育て機能の低下などが指摘される中で、我が国や郷土を愛する心を育む為には、学校における道徳教育の役割は増々大きくなってきていると考えております。
そのような中、平成22年、23年度に道徳教育の教材として「夢や志をはぐくむ教育」の教材集を作成し、全小中学校に配布しているとの事ですが、この教材集を活用した成果と道徳教育のさらなる普及について、どのようにお考えか、教育長に伺います。
【教育長答弁】
本教材集は、子どもたちに豊かな人間性や社会に寄与する態度などを育成いたしますため、道徳の時間等で活用できるように作成したものでありまして、自転車の放置問題を考えるなど、身近な問題を取り上げ、子どもが主体的に学べるように工夫をしております。
本教材集は全市町村で活用されており、教員からは「子どもの心に響くような、具体的な事例が示されているので使いやすい」との意見や「子どもが、仲間の意見を聞いて自身の行動を考えるきっかけになった」などの声が寄せられているところです。
また、子どもたちへのアンケート調査におきまして、「人の役に立つ人間になりたいと思いますか」という質問に対しまして肯定的に答える小・中学生が増えております。
府教育委員会といたしましては、本教材を活用した優れた実践を把握いたしまして、
府教委主催の研修会において、広く府全体の学校に発信するなど、さらなる普及に努めてまいりたいと考えております。
(2)教育振興基本計画への反映について
【質問】
府教育委員会におかれましては、道徳教育に重きをおかれ、更なる拡充への取組みを、これからもしっかりとお考えいただきたいと思います。
そこで、国や郷土を愛する心を育む教育や、道徳心を育む教育をさらに充実していくため、現在策定に向けて検討が進められている教育振興基本計画に、道徳教育をどのように反映するのか、知事のお考えを伺います。
【知事答弁】
グローバル化が進む中で、国際社会の一員として自立して生きぬいていくためには、我が国と郷土へ誇りを持ち、社会の形成者としての自覚を持たせていくような取り組みが、重要であります。
これらについては、教育振興基本計画の中間まとめにおいても、基本的な目標として位置付けてきたところであり、引き続き教育委員会と協議していきます。
《要望》
道徳教育は、他の教科のような教科書もなく、道徳専門の教員がいるわけでもありません。充実に向け、十分な予算措置も必要であります。命の大切さ、他の人を思う心、そして国を思い考え郷土を愛する心を育む教育を元に、豊かな人間性や夢や理想を育て、社会で強く生き抜く力を与えられるような教育がなされますよう、これまでよりも、なお、反映されますことを強く要望致します。

5.警察署の新設について

(1)警察署の新設に対する考え方について
【質問】
大阪府の厳しい治安情勢の中でも、特に私の住む堺市西区・中区を管轄する西堺警察署管内は、非常に厳しい状況にあります。
平成23年度における街頭犯罪の認知件数は2,883件、刑法犯の認知件数は5,528件で、いずれも大阪府下の警察署の中でもワースト2位であり、地域住民の方が安全に安心して暮らせる状況に至っていないと言わざるを得ません。
西堺警察署は、堺市西区と中区の両区を管轄していることから、以前より行政及び地域団体から、安全・安心な、まちづくりを進めるため、堺市中区への警察署の新設要望がなされているところです。
そこで、警察署の新設に関する考え方について、警察本部長に伺います。
【警察本部長答弁】
警察署の新設につきましては府下全体の治安情勢を勘案しながら、警察署ごとに人口、面積、犯罪発生状況、交通事情、地理的状況等、様々な要素を総合的に判断する必要があります。堺市中区に警察署を新設することにつきましては、そうした要素を踏まえ、府下全体の治安情勢等を見極めながら、その必要性の有無を引き続き検討していきたいと考えております。
なお、最近の治安情勢も踏まえ、今年度、西堺警察署の体制強化を図り、また、本年7月、堺市中区・西区の両区を「地域安全対策重点推進地域」に指定して、警察、行政、住民等が緊密に連携・協力した地域安全対策を重点的に推進するなど、安心して暮らせるまちづくりに努めているところです。
《要望・まとめ》
是非、体制強化を引き続きお願いしたいと思います。
大阪府警察におかれましては、平成22年、23年と2年連続で街頭犯罪の認知件数全国ワーストワンを返上し、また、刑法犯認知件数についても、減少傾向が定着しつつあるなど、治安回復に大きな効果を上げられているところでありましたが、しかしながら、全国的に見ると未だ高水準で推移しており、ひったくりの発生件数は、昨年、再びワーストワンとなるなど、依然として厳しい状況で、府民が安全に安心して暮らせる状況には至っておりません。
府民の平穏な生活を守るためには、更なる警察官の増員が必要と認識しておりますので、引き続き、警察官の増員に努めていただきますよう、お願い致します。
また、交番は、その赤灯があるだけで安心感を覚える人が多くおられます。地域住民の皆さん方にとって、安全・安心のよりどころであり、あらゆる犯罪の抑止につながるという大きな効果がありますので、交番の増設や、交通状況をしっかり把握され、信号機や横断歩道、通学路の整備を併せて強く要望しておきます。
多岐に渡り様々な質問をさせて頂きましたが、大阪府発展の為、更なるご尽力を賜りますようお願い致します。

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