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府議会の報告

平成24年9月定例会 自由民主党 討論

平成24年10月23日

 自由民主党大阪府議会議員団の栗原貴子でございます。
採決に先立ちまして、今次定例会に提案されております諸議案等につきまして、我が会派の意見と態度を表明させていただきます。
まず、財政問題について申し上げます。
大阪府は今年度、実質公債費比率が18.4%と、初めて18%を超え、新たな府債の発行に国の許可が必要な、起債許可団体となりました。その原因は、府が臨時財政対策債等赤字債の大量発行を行いながら、それに必要な減債基金への積み立てを十分に行わず、負担を先送りしてきたことにあります。
府はこれまで橋下前知事が就任されて以来、黒字化を達成した、基金積み立て不足額を復元してきたなどとアピールされてこられましたが、その実態は大きく異なることが、我が会派の指摘で明らかになりました。
積み立て不足額の増大を放置してきたことが、実質公債費比率を押し上げ、財政健全化団体転落の引き金になっているのだということについて、重く受け止めるべきであると申し上げておきます。
次に、第76号議案「大阪府市共同設置附属機関条例設置の件」は、府市統合本部に属する3つの会議を、大阪市と共同して設置する附属機関と位置づけるものですが、これら3つの会議及び府の特別顧問、特別参与に対する取扱いは、大いに問題があります。
そもそも附属機関の権限は、地方自治法で、担任事項について「調停、審査、審議又は調査のための機関」と規定されています。
しかしながら、この附属機関の委員となる特別顧問、特別参与は、これまでさまざまな場面で、府の意思決定や施策方針とは異なる意見の表明などをされており、このような附属機関の設置は問題が多いと言わざるを得ません。
また、報酬面を見ても、他の附属機関委員と比べ、法外な報酬が設定されていますが、それに対する納得のいく合理的で客観的な基準や説明がありません。
さらに、府は特別顧問、特別参与について、政治的中立性を確保するための規制は行わないとのことであり、これでは職務の公正な運営を確保することは困難と考えます。
このように、府市統合本部に属する3つの会議を附属機関化することは問題が多く、賛成できませんので、第76号議案及び、関連する第73号議案から75号議案には反対です。
特別顧問、特別参与の設置及び活動については、我が会派から条例制定を提案しております。議員の皆様方におかれましては、提案趣旨をご理解いただき、ご賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
次に、第44号議案「非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例一部改正の件」は、知事の委託を受け、調査及び助言を行う専門委員の報酬上限額を、日額最大5万5千円に改めようとするものです。
我が会派が代表質問で指摘した通り、5万5千円という報酬額は、他の行政委員や附属機関の委員報酬が、条例で日額最大9,600円と定められているのに比べ、法外に高すぎます。知事は「ミッションの重要性、求められる役割、活動の実態などに照らし、それに見合った適正な水準である」と答弁されましたが、専門委員と他の行政委員、附属機関委員との仕事にそれほどの差があるとは思えませんので、本議案には賛成できません。
次に、第14号議案「地方債の起債について許可の申請をする件」は、財団法人産業基盤整備協会の解散処理にあたり、「第3セクター等改革推進債」110億7,800万円の発行を総務大臣に許可申請しようとするものです。
今回の処理にあたっては、現在残高が約898億円ある「財政調整基金」を使うべきです。処理スキーム自体はやむを得ない措置であると理解しますが、少なくとも将来世代に金利負担を負わせる赤字債発行は、できる限り抑える努力を行うべきと考えますので、反対します。
次に、第1号議案「平成24年度大阪府一般会計補正予算」に関し、運輸事業振興助成補助金の予算案が計上されておりますが、法に基づく算定額は11億5千万円であるのに対し、今回議案に上がっている補正予算案は2億5千6百万円と、およそ5分の1しか計上されていません。
我が会派は、これまでの経緯や法制化の趣旨も踏まえ、安定的、継続的な交付をするべきであるとの附帯決議を、商工労働常任委員会で求めましたが、残念ながら過半数の賛同を得ることができませんでした。
府の方針では、法で定められた補助金として、国から措置される交付税の大半を支給せず、全く別の事業財源に充てていることになり、国と地方との信義則に反する行為に他ならないことを指摘しておきます。
次に、最先端がん医療施設の整備にかかる、同施設整備検討委員会がまとめた報告書についてです。
我が会派が代表質問で指摘した通り、報告書に記載の患者数予測、収支計画はリスク要因が全く考慮されておらず、甘い見通しと言わざるを得ません。
また、施設用地は、路線価の倍近い価格で府が府立病院機構に売却することに加え、必要面積を大きく上回る9,000㎡も病院機構に買い取らせる計画になっています。
さらに、我が会派の試算によると、事業の初年度から5,200万円もの赤字になり、赤字を病院機構に押し付けてはじめて成り立つしくみとなっています。もし、機構の負担が前提なら、財政難のなか、府から毎年病院機構に支出している、多額の運営補助金は大幅に減額すべきです。
我が会派は、粒子線治療施設の建設には決して反対ではありません。しかし、この事業が破たんし、病院機構が経営難に陥れば、結果的に府が多額の財政負担をしなければなりません。収支シュミレーションや民間との連携支援体制など、今後の課題について徹底的に検証すべきと申し上げておきます。
以上の通り、今次定例会で採決される諸議案のうち、第14号、第44号、第73号から第76号については反対、残余の議案についてはすべて賛成であることを表明し、我が会派の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。

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