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府議会の報告

平成25年2月定例会 討論

平成25年3月22日

 自由民主党大阪府議会議員団の 栗原 貴子 でございます。
採決に先立ちまして、今次定例会に提案されております諸議案等につきまして、我が会派の意見と態度を表明させていただきます。
まず、第60号議案 「大阪府・大阪市特別区設置協議会規約を変更する件」、 第62号議案 「大阪府市大都市局の共同設置に関する件」及び 、第84号議案 「大阪府組織条例一部改正の件」は、 府市共同の内部組織として、 大阪府市大都市局を大阪市役所内に設置するものです。
我が会派は、二重行政の解消を目的とする、 府市統合本部の事務局機能を担う大都市局の設置に
反対するものではありません。
しかし、大都市局は法定協議会の事務局機能も担うことになります。
我が会派は都構想の必要性について、 大都市制度推進協議会での議論が十分に尽くされておらず、
拙速に法定協議会に移行すべきではないと考えますので、 これらの議案には賛成できません。
また、第84号議案で併せて提案されている財務部の設置について、 新たな財務部長は大阪市職員を充てると伺っています。
市職員のアドバイスが必要なら、理事などのスタッフ職で十分です。
わざわざ部長職に就いていただく必要はないと思いますので、 財務部の設置についても賛成できません。
次に、第136号議案 「大阪にふさわしい大都市制度の推進に関する条例廃止の件」は、 大都市制度推進協議会を廃止する議案です。
先に述べたとおり、我が会派は、 協議会の議論が十分に尽くされていないと考えますので、反対します。
次に、第69号議案 「地方独立行政法人大阪府立病院機構に係る 中期目標の一部を変更する件」及び、 第70号議案 「地方独立行政法人大阪府立病院機構に係る中期目標の 一部変更について認可する件」における、 大阪府市共同住吉母子医療センターの整備については、 我が会派が代表質問で指摘した通り、 橋下市長が市立病院跡地に民間病院誘致を進めるという 発言によって、新施設のベッド数が確定しなくなり、 統合案で示された大阪市南部地域における 小児周産期の医療機能を急性期センターが継承するとした 整備計画案のコンセプト、議論の前提条件が大きく崩れています。
統合案に大きな影響があることは明らかです。
施設整備費用についても、府市で折半するとしていますが、 その根拠について明確な説明がありません。
また、大阪市の病院を建て替えることがそもそもの出発点ですから、急性期センターの敷地に施設を建てるなら、 大阪市の負担で整備し、賃料を市から取るべきです。
統合の前提条件が全く変わってしまった以上、 整備計画は白紙に戻すべきです。
また、両議案には粒子線がん治療施設の整備計画も含まれています。我が会派は、粒子線治療施設の導入に反対ではありませんが、 代表質問で指摘した通り、人材の確保や採算性など、 重要な課題について、充分な議論がないまま、 一方的に結論を導き出そうとしている府の姿勢は 大いに問題があります。
先日、我が会派からの要請で、兵庫県立粒子線医療センター院長 不破 信和(ふわ のぶかず)氏と、大阪府立成人病センター総長 堀 正二(ほり まさつぐ)氏を、 参考人として健康福祉常任委員会にお招きし、お話を伺いました。
その中でも、重粒子線を用いた治療施設は、整備や運営に 多額の経費がかかり、採算を取ることが非常に困難であること、 また、赤字を出さないためには、多数の患者を引き受けることが 必要ですが、そのことによって、治療に携わる医療スタッフに、 とても大きな負担がかかることが明らかになりました。
特に、不破先生からは、粒子線治療に従事されてきた経験から、 近い将来保険適用が予想される、小児がん対策に 力を入れるべきことと、粒子線治療に不可欠な麻酔科医の確保が 大切であるとの、貴重なアドバイスをいただきました。
以上のように、粒子線治療施設の整備には 様々なリスクや検討すべき課題が存在することは明らかであり、 将来世代に禍根を残さないよう、間違いのない判断が求められますが、 現状では、そのための十分な検討、議論が尽くされたとは 到底考えられませんので、いまのままでは、 粒子線がん治療施設の整備計画には賛成できません。
次に、第61号議案 「大阪府市医療戦略会議の共同設置に関する件」及び
第78号議案 「大阪府市共同設置附属機関条例一部改正の件」について、 我が会派は、医療戦略会議が取り組もうとしている、 医療・健康産業の振興には大いに賛成です。
しかし、9月議会で指摘したように、 府市統合本部の元に設置される戦略会議について、 府の単独附属機関とことさら異なる位置づけをし、 戦略会議メンバーとなる特別参与に 特別に高い報酬を支払うやり方は納得できません。
また、戦略会議に参加する有識者は、 医療・健康関連産業に知見を有する方を選ぶとしており、 実際に事業活動を行っている方が参加される可能性が高いと 考えられます。
これでは、自分の事業活動に有利となるビジネスモデルが作られ、戦略会議が事業者の利権のために悪用される恐れが 大きいと考えます。
以上の理由から、医療戦略会議の設置には反対です。
次に、第140号議案 「大阪府教育委員会委員の任命について同意を求める件」で、 知事は、中西正人(なかにし まさと)教育委員の後任に、 府立和泉高等学校校長の中原徹(なかはら とおる)氏を 任命しようとしています。
報道によると、中原氏は教育委員会が平成23年度から24年度に かけて実施した、8回の校長研修全てを欠席しており、 しかも、そのほとんどを無断で欠席しています。
中原氏の研修欠席について、知事は、教育常任委員会で、 「研修を否定するものではないが、民間人校長の価値観の中で、 現場を第一に優先することで判断されたもの」と、まるで 研修制度を軽んじるかの様な答弁をされており、誠に遺憾です。
このような状態で、研修が適正に行われるのか、 また、校長をはじめ、教職員の資質向上、児童生徒の学力向上につながるのか、大いに疑問です。
なによりも、この件を何ら問題視しようとしない 知事の姿勢そのものが、一番大きな問題であると言わざるを得ません。
以上の理由から、中原氏の教育委員任命は同意できません。
次に、私立学校施設の耐震化について、先日の教育常任委員会で、 知事から、別枠で予算措置を行うとの答弁がありました。
これは、代表質問で、耐震化促進のために、 経常費助成を増額するよう求めた、 我が会派の主張に沿うもので、評価したいと思います。
この措置によって、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び 高等専修学校など、府内全ての私立学校で、 耐震化の取り組みが早期に進められますよう、要望します。
しかし、耐震化が進まない要因である、授業料無償化制度における標準授業料58万円のキャップは残ったままです。
私立学校がそれぞれ特色を打ち出し、 互いに競い合える制度とするためにも、 58万円のキャップ撤廃を引き続き強く要望しておきます。
次に、第75号議案「大阪府受動喫煙の防止に関する条例制定の件」は、議会での指摘や、対策の主要部分を占める、 民間施設での取り組みを定めるガイドラインが示せなかったとして、議案は取り下げとなりました。
府は、受動喫煙の防止については、一面だけで捉えるのでなく、 経済性や消費意欲など、多面的、横断的に考え、 現場に負担がかからないよう、充分な配慮を行うべきです。
健康増進法の規定を受けて、施設内禁煙や分煙は一定定着して います。全面禁煙を強制する前に、まずは現場の取り組み状況や 条例が与える影響について、徹底的に検証すべきであると 強く指摘しておきます。
次に、職員基本条例に定められている、職員の相対評価について、 我が会派は、本格実施をもう1年見合わせるべきと考え、 条例の一部改正を提案しています。
この後、提案理由を申し述べますので、各会派におかれましては、 御賛同下さるよう、よろしくお願い申し上げます。
最後に、議員提出第1号議案 「職員の政治的行為の制限に関する条例制定の件」、 議員提出第2号議案 「政治的中立性を確保するための組織的活動の制限に関する 条例制定の件」及び 、議員提出第3号議案 「労使関係に関する条例制定の件」について、 提案会派である維新の会から、継続協議の申し出がありました。
知事は、この3つの議案について、本会議の場で、 条例制定は必要ないと答弁されています。
我が会派は、そのような議案には賛成できませんので、 全て反対です。
以上の通り、今次定例会で採決される諸議案のうち、 第60号議案から第62号議案、第78号議案、第84号議案、 第136号議案及び第140号議案は反対、 議員提出議案第1号から第3号は反対、
第69号議案及び第70号議案は継続協議、 残余の議案についてはすべて賛成であることを表明し、
我が会派の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。

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