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府議会の報告

平成26年9月定例会 教育常任委員会 意見開陳

平成26年10月27日

 自由民主会派大阪府議会議員団の酒井 豊でございます。
採決に先立ち、本委員会に付託されております諸議案等について、我が会派の意見と態度を表明させていただきます。
まず、平成26年9月定例府議会・第1号議案「平成26年度大阪府一般会計補正予算(第2号)の件中、関係事項」及び第56号議案「大阪府立学校条例一部改正の件」については、府が市立学校の移管を受けることに反対はしませんが、大阪市との間で協議中の財源移管に関する問題を一日も早くクリアーすることを求めておきます。
次に、「教育行政評価審議会」について、5月定例会の条例制定時に、昨年度まで教育委員会が設置してきた審議会以上に充実したものとなるよう、委員数や審議形態、審議機能に関して指摘をしてきました。
そこで、改めて、このたびの教育行政点検・評価報告書と評価審議会での審議内容を検証しましたが、案の定、我会派が危惧しましたとおり、重要な教育案件が充分な審議体制で審議されておらず、重要な議論も深堀されず、密度の高い評価検証が行われたといえるものではありませんでした。
現在、教育委員会制度の改革と、教育への首長の関与が議論される中で、広範な教育施策と多くの学校現場を抱える教育委員と教育委員会事務局の機能を考えたとき、それらを客観的に点検、チェックする機関の役割は極めて高いものがあります。加えて、議会が関与してチェックする機能とともに、教育の質の向上と中立性の確保を図る観点から、専門的なチェック機能をいかに担保するかということが、極めて重要であります。
こうした観点から、教育行政評価審議会の役割を改めて根本的に見直し、これらの課題にしっかり取り組まれる体制を整えられるよう強く求めておきます。
次に、「道徳教育」についてでありますが、府教委では平成26年3月に、小学校5・6年生用、中学生用の道徳教育の資料『「大切なこころ」を見つめ直して』を作成して道徳教育に取り組まれていますが、道徳教育では、小学校1年生時からの積重ねが非常に重要であると考えています。
とりわけ、道徳教育の大切な使命とは、子どもたちにモラルを教え、社会のルールやマナー、人として、してはならないことなど、いわゆる道徳的な価値観について、しっかりと身に付けさせることであると考えます。
昨今、こうした基本的な社会規範意識が希薄になり、極めて憂慮する社会事象が相次いでおります中、国でも改めて道徳教育に力を入れようとされており、府も道徳教育のレベルが落ちないよう、是非とも真剣に取り組んでいただくよう求めておきます。
このほか、「学力向上対策」や「私学助成と効果検証」「教員人材の確保と研修」「入学者選抜制度改善案」について問題点と改善すべき課題を委員会審議の中で指摘しておきました。
さらに重要な問題は、このたび明らかになった「学校の内規」の問題であります。我が会派は、数十年前より「学校長の権限と職員会議のあり方」について再三指摘し、この問題の解決が教育正常化の原点であることを強く主張してきました。その都度、きっぱりと改善したとの答弁を受けてきましたが、いまだに学校現場では内規を持ち、選挙を行っていたということが明らかになったことは、まさに驚きであり、極めて遺憾な事実であります。
今までの説明では学校長に責任があるかのような発言をされてこられましたが、紛れもなく、これは、教育委員会自身の責任であります。
この際、教育委員会は、襟を正され、教員と管理職、教育委員会が改めて、健全な関係をしっかりと構築され、真に府民の期待にこたえられる大阪府の教育行政が推進されるよう強く求めておきます。
最後に、取下げを予定されております、第65号議案「大阪府認定こども園の認定の要件に関する条例一部改正の件中、関係条項」について申し上げておきます。
このたび知事提案されていました条例改正案は、これまで20年にわたり幼稚園関係者と府が協力し独自に取り組んできた3歳児教育の学級編制基準「25人以下」という大阪の誇るべき幼児教育施策の明らかな後退を意味するものであるとともに、このような条例案が制定されれば、国の子ども・子育て支援新制度の柱となる、認定こども園の普及も進まなくなる事態になりかねませんでした。
この議案については、再三、理事者及び知事にお尋ねしても納得できる答弁を得ることもできず、これまでに構築された府内幼稚園における3歳児学級編制基準を敢えて「35人以下」とする理由を全く見出すことができませんでした。
さらに、二日に渡り開催された知事と幼稚園関係者との意見交換会で、ようやく新規参入を促進するためにも基準を緩和するのだという趣旨が明らかにされました。新規参入で待機児童を解消しようということと、現在の大阪の教育水準を守るということとはまったく別次元の問題であります。競争により教育や保育の質を高めようと新規参入を唱えられるならば、本来の質を確保されたうえでの受け入れ体制を整えられるのが本旨でなければなりません。
知事は、基準は設置者が柔軟にきめればいいと主張されていますが、大事なことは現在の教育水準をどう担保するかということであります。
知事は、この条例改正案を取り下げるとのことでありますが、これほど大事な議案を十分精査されずに提案されたことは、真に遺憾であります。
改めて、子どもたちの、より良い教育環境を確保し、保護者が安心して通わせることができる認定こども園となるよう、3歳児の学級編制基準について、「35人以下」から現行条例どおり「25人以下」に戻した内容の議案を提案されるよう、申し上げておきます。
以上、申し上げましたが、付託されている諸議案のうち、第65号議案を除く残余の議案については「賛成」であることを申し上げて、我が会派の意見開陳といたします。
ご清聴ありがとうございました。

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