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府議会の報告

平成26年9月定例議会 一般質問

平成26年12月18日
しかた 松男 議員

 自由民主党大阪府議会議員団の しかた松男 でございます。
本日は、一般質問の機会を得ましたので、発言通告書に従い、順次、質問させていただきます。

1.自転車の安全対策について【所管:都市整備部】

Q) 府内における自転車利用者に対する自転車賠償保険の普及促進の取組みについて
 まず、府内における自転車利用者に対する自転車賠償保険の普及促進の取組みについて伺います。
言うまでもなく、自転車は、幼児から高齢者まで幅広い年齢層が、日常生活で利用する身近な移動手段であります。
健康志向の高まりを背景に、サイクリングなどのレジャーでの利用に加え、東日本大震災以降は、クリーンで、かつエネルギー効果の高い交通手段として、通勤通学においても、更に自転車の利用ニーズが高まってきております。
「大阪府交通対策協議会」の資料によりますと、大阪府における人口当たりの自転車普及率は、埼玉県に次ぐ全国2位という、言わば全国トップレベルの自転車王国であります。
一方、自転車による事故も高い頻度で発生しており、自転車事故率は東京に次いで全国2位という憂慮すべき状況にあります。
全国的には、平成25年12月、道路交通法が改正され、道路の路側帯を走行する自転車について、車道と同じ左側通行に統一されるなど、ルールやマナーの向上のためのソフト面の対策が強化されました。
さらに、大阪府では、ハード面の対策として、自転車の通行位置や進行方向を路面に表示することにより、自転車の通行空間を確保するなどの整備にも取り組んでいただいているところであります。
また、警察におかれましても、自転車の信号無視、携帯電話を使用しながらの自転車運転の取締り強化、歩道での徐行運転、夜間灯火の指導徹底等に対する更なる取組みの強化を実施されております。
しかしながら、こうした状況の中、自転車が加害者となる事故の高額賠償判決など、被害者救済に関する取組みも大きな社会問題となってきております。
<説明資料1>・・・「自転車事故の高額賠償事例」
報道によりますと兵庫県では、小学生の自転車と歩行者の衝突事故において、小学生の保護者が管理監督責任を果たしていなかったとして、保護者に9,500万円の賠償判決が出ました。このような高額賠償となれば、加害者が自己破産するようなケースも考えられ、被害者が十分な救済を受けられない場合も考えられます。
私は、このような事態を回避するためには、自転車保険への加入が有効な手段であると思います。
<説明資料2>・・・「自転車事故に備えるための保険」
一般的な自転車保険は、自転車事故により他人に損害を与えてしまったときに、その相手方への賠償金を補てんする個人賠償責任保険と、自身がケガをしたときに損失補償を受けることができる傷害保険がセットになっています。また、自転車保険そのものでなくても、自動車保険や火災保険等の特約に、自転車事故に関する補償がついている場合もあります。しかし、自転車保険については、なかなか知られていないように感じます。
こうした状況を受け、兵庫県は「県内で自転車を利用する人」に対して、罰則は課さないものの、自転車保険への加入を義務付ける条例の制定を検討しているようです。
また、難しい面もあるかと思いますが、安価で十分な補償の付いた自転車保険を提供する仕組みなども検討されているようです。
そこで、大阪府内における自転車利用者に対する自転車賠償保険の普及促進の取組みについて、都市整備部長にお伺いします。
再Q)
 自転車賠償保険の加入促進に向けて取り組んでいくとの答弁ですが、聞いていると、まだまだ認識が不十分だと言わざるを得ません。
取組みを効果的に推進するためには、前段階において、現状を十分に把握しておく必要があります。
府内における自転車賠償保険の加入状況について、現在、保険加入率がどのような数字なのか把握されていますか、把握されているなら、加入率が何パーセントなのか数字ではっきり示すよう都市整備部長の答弁を求めます。
(要望)
 保険加入率がわからないがために、啓発に重きを置いたかのような現状の取組みのままでは、限界があり、保険加入が普及していくとは到底思えません。
事故が発生したときの悲惨さを考えれば、早急により効果的な取組みに着手することが必要だと指摘しておきます。
そのためには、兵庫県の自転車保険の加入義務化など、他府県の条例や施策など先進的な事例を参考に今後、条例化に向けて、しっかりとした姿勢で真剣に取り組んでいくことを求めておきます。

2.不登校対策【所管:教育委員会事務局】

Q) 不登校児童生徒への対応について
 次に、不登校対策について伺います。
<説明資料3>・・・「不登校児童生徒数」
今年10月に文部科学省から発表された平成25年度の問題行動調査によりますと、府の不登校児童生徒数は、公立学校で小学校が1,859人、中学校が7,639人で前年度より小学校が333人、中学校が544人増加しています。
この間、増加傾向にあった府立高校においては、
5,209人で342人減少しましたが、依然厳しい状況にあります。特に小中学校での増加は、著しいものがあります。
その内訳において、不登校者の総数を見ますと中学校が多い一方、前年度からの増加率で見ますと小学校が高いという特徴があります。
また、これを学年別の人数で見ますと、中学校1年では、小学校6年生のおよそ3倍となっており、高等学校においても、3学年の中で1年生の課題が大きいとの結果が出ていると聞いています。
さらに文部科学省が実施した平成18年度の不登校生徒に対する追跡調査の結果によると、不登校児童生徒は、一旦不登校が長期化すると学校への復帰が困難になり、早期対応が重要であるとの分析がなされています。
私も、早期対応が重要であると考えていますが、府としてこのような状況に対し、どのように対応されるのか、教育長の所見を伺います。
(要望)
 体制整備の必要性については、教育長の答弁にもありましたように、学校が魅力あるものでなければならないと考えます。その中でも、特に生徒と関わる先生の資質を高めていくことが大事です。
教師は、生徒との触れ合いをもっと大事にすべきです。
どんなに悪態をつく生徒でも、教師という存在には一目置いていると思います。そんな生徒にも「なんでも相談してな」と声をかけるような子どもの関係を大事にする教師の存在が必要だと思います。
生徒が先生を好きになり、学校が好きになれば、学力も上がるし、不登校も少なくなるのではないか、と私は思います。
また、私の経験から申し上げますと、大人が子どもにきちんと向き合えば、子どもは変わります。地域には、面倒見のいいおじさん、おばさんがいます。
子どもたちに、いろんな大人が関わり、相談役になってあげられるような支援が必要だと思います。今後、地域の人材の活用方法も併せて考えて欲しいと要望して、次の質問に移ります。

3.消費者行政における権限委譲について【所管:府民文化部、大阪府市大都市局】

Q1) 議案提出の背景と大阪市への移譲事務内容について
次に、追加議案として出された第81号議案「大阪府消費生活行政事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件」について伺います。
この条例一部改正案は、不当景品類及び不当表示防止法に基づく事務の一部を移譲して大阪市が処理することとするという議案ですが、まず、今回、議会に提案されるに至った背景と移譲する事務の具体的内容について、府民文化部長に伺います。

府民生活に密接に関係することだけに、移譲する事務については、府の役割を十分踏まえた上で、判断することを求めます。
Q2) 今回の移譲権限は広域自治体と基礎自治体のいずれが担うべき事務と考えているのか。
さきほどの答弁では、これまでの経緯があり、なおかつ大阪市が希望したから移譲するということですが、府として、今回移譲される事務を効果的かつ効率的に実施するためには、広域あるいは基礎自治体のいずれが担うべき事務だと考えているのか、府民文化部長に伺います。

事務の移譲に際して、効率性については、もっと明確にすべきだと指摘しておきます。
Q3) 今回の権限移譲は二重行政の解消に逆行するものではないかと考えるが、どうか。
 今回移譲される権限、例えば今回の改正で廃止になった「指示」権限について言いますと、大阪府が処分するに至った件数は、2008年度に2件、2010年度に1件で、2011年度以降現在に至るまでゼロ件です。
指示に至らない案件についての調査等は、最近では60件程度は実施しているとのことですが、例えそうであるとしても、法律知識など高度な専門性が必要な上に、業務量も決して多くはない、このような権限を市町村に移譲することは極めて非効率であり、なおかつ市町村の職員が専門知識や経験など十分なスキルを習得できない可能性は、極めて高いものがあります。
言葉を代えれば、これこそ二重行政の解消に逆行するものではないかと考えますが、府民文化部長の見解を伺います。
Q4) 今回移譲する措置命令等の事務を大阪市が担うのは二重行政に該当するのかどうか。
 大阪都構想では、これまで府と大阪市が同じような業務をそれぞれで担うのが二重行政であり無駄であるとして、一元化しようとしてきました。例えば、病院も高等学校も、大学も信用保証協会も、環境科学研究所も二重行政だという位置づけで広域が担うべき事務だとしてこられたはずです。
今、例示したような事務を大阪市が担うのは二重行政なのに、なぜ、今回の「措置命令」等の事務を大阪市が担うのは二重行政ではないのか大阪府市大都市局長に伺います。

最適化を図るといいながら、大阪全体としての効率性を度外視しても構わないような権限移譲であるなら、知事の目指す大阪都構想、二重行政の解消とは真逆のベクトルだと申し上げておきます。
再Q)
また、いまの最適化を図るための一元化という答弁ですが、では、今回移譲される権限については、大阪市が担うのが最適であるということですか?
また答弁から判断すれば、例えば同じ府民文化部が所管する事務でいえば、大阪府立大学と大阪市立大学が存在することで、サービスの重複や供給過多というような解消すべき二重行政があるということになりますが、それは何ですか?
それは、両大学の長い歴史や伝統、それによって育まれてきた特色、校風、強み、さらには両大学が数多く輩出してきた優秀な卒業生が抱く愛校心など、すべてをリセットすることで損なわれてでも、解消しなければならないような二重行政なのでしょうか、府民文化部長に伺います。


最後の質問には全く誠実に答えていただけなかったことは非常に残念です。
そもそも知事や市長が大阪都構想の大義として掲げてこられたのは一にも二にも「二重行政の解消、無駄をなくす」ということであったはずです。
だからこそ今回の議案についても、同じ業務を、しかも事務量も少なく法律知識やスキル等高度な専門性を必要とする事務を府と市でそれぞれに実施するということが二重行政ではないのか、非効率ではないのかという観点で質問させていただきました。
しかしながら答弁では、体制が整っていればという要件と、即応性が高まるといった効果の点に終始し、効率性については全く具体的な言及がありませんでした。
最適化を図るといいながら、大阪全体としての効率性を度外視しても構わないというような権限移譲であるならば、やはりこれは、知事の目指す大阪都構想、二重行政の解消とは真逆のベクトルを指すものであり、この権限を大阪市に移譲するのは、都構想を断念したと受け止めざるを得ません。
ある時には二重行政の解消だと言って市町村から権限を取り上げ、またある時には地方分権だと理屈をつけて、市町村に業務を押し付け、勝手な都合でダブルスタンダードを使い分けているようにしか思えないと申し上げておきます。
次の4番目の項目につきましては、時間の都合上、別の機会に改めて質問させていただきます。

5.交番設置とパトロール強化【所管:公安委員会】

 最後に、交番の設置及びパトロール強化の継続についての要望です。
交番は、平素の安全な暮らしを守ってくれる存在であり、その赤灯は地域住民に安心感を与えてくれます。また、犯罪抑止の観点からも、交番の果たす役割は極めて重要であると考えています。
交番の設置につきましては、府内各地域から要望が出ていると聞いていますが、私の地元であります城東区には、16連合の町会があり、そのうち放出西地区、鯰江東地区、すみれ地区、成育地区の4連合会の地区には交番がなく、それぞれの地区の方々から、交番の設置を求める声が幾度となく寄せられています。
これら4連合町会の中には、過去に、長年地域の方々に親しまれた交番が廃止され、交番の赤い灯が町から消えてしまい、最近では大型娯楽施設やコンビニができた地区、市営住宅、マンション、学校が密集する地区があるなど、地域環境の変化に対して、地域の皆様が、その地域の安全に不安を感じているところです。
従来から、パトカーや交番の警察官によって巡回を行っていただいていますが、さらに地域の皆様が安心して暮らせる安全なまちを確立するためには、地域の安全を見守る存在である交番が必要であると考えています。
交番の設置が大変困難であることは、よく理解していますが、交番設置を望む地域の方々の思いを何とぞご理解いただき、交番を設置していただきますよう、要望しますとともに、地域をパトロールされる警察官の頼もしい姿に地域住民も大変心強く感じるところですので、引き続き、パトロールの強化もお願いして、私の一般質問とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。

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