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府議会の報告

平成27年2月定例議会 一般質問

平成27年3月4日
酒井 豊 議員

 自民党の酒井 豊であります。
貴重な質問の機会を頂戴しましたので、今日は、地元の課題と、そこから見えてくる特別区設置協定書の課題について、知事ならびに理事者に数点お伺いします。

1.防災対策と都市整備について【都市整備部】

1)地震・津波対策の仕上げと阪神なんば線淀川橋梁のかさ上げ問題について
 さて、現在、西淀川区及び此花区等の湾岸の西大阪地域では、緊急の防潮堤液状化対策が進められていますが、一方で、忘れてならぬことは、国の直轄事業の取り組みであります。
なかでも、国の管理する大阪の大河・淀川の下流域に架かる阪神なんば線「淀川橋梁」は老朽化に加え、橋梁の橋げたが低く、39本もの橋脚が大雨の際に流れを阻害し、洪水の恐れがあるなどの弱点があり、「淀川橋梁」のかさ上げ問題はかねてからの、この地域の最重要課題のひとつであります。
我が会派岩見議員からも再三にわたり、その早期着工に向けた取組みを強く求めてきたところでありますが、南海トラフ巨大地震やゲリラ豪雨などの災害に対する防災意識が高まり、10ヵ年の震災・津波対策も決定された今こそ、改めて阪神なんば線淀川橋梁のかさ上げ問題の強力な取組みを進める必要があると考えますが、都市整備部長の所見をお伺いします。
― 降 壇 ―
【 都市整備部長・答弁 】
2)地震・津波対策と都市環境の整備について
 次に、現在、緊急の液状化対策がすすめられておりますが、折角の対策を進められるのにあたって、ぜひ検討をいただきたいことを2点申し上げたいと思います。
イ)正蓮寺川の防潮堤撤去について
<説明資料1>・・・「正蓮寺川・六軒家川 位置図及び写真」
 これは、此花区を流れる正蓮寺川と六軒家川の位置図と写真です。

先ずは正蓮寺川についてお尋ねします。
正蓮寺川は福島区、此花区を流れる河川で、河道内に暗渠で阪神高速道路淀川左岸線を整備するとともに、下水道施設や公園などを一体的に整備する、いわゆる正蓮寺川等総合整備が進められています。
阪神高速道路淀川左岸線についてはすでに開通し、この後は、正蓮寺川水門より上流側は陸地化し、その後、公園整備が進められることになっています。
将来の公園利用を考えますと、先ほどご覧いただいた高い「パラペットすなわちコンクリート擁壁」で囲まれた状態は、地域住民の公園アクセスや、死角の発生に伴う安全面から大変大きな問題があり、さらに、災害発生時等の緊急避難場所としても全く意味がありません。
このパラペットは、現時点では高潮対策としての必要があると聞いていますが、陸地化が終われば、ほとんどの区間が無用の長物となり、公園の利便性や周辺住民の安心・安全の観点からは、撤去すべきものだと考えますが、都市整備部長の答弁をお聞かせ願います。
― 降 壇 ―
【 都市整備部長・答弁 】
ロ)六軒家川の親水公園化について
 次に正蓮寺川に隣接する六軒家川についてでありますが、昨日の質問にもありましたとおり、六軒家川については、満潮時に浸水被害が広がる可能性が判明、このため、防潮堤の液状化対策を平成30年度までには完了させることになっていますが、先ほどの写真でご覧いただいたとおり、この六軒家川は、川幅が60m、延長1.2キロ、面積約7.2ヘクタールもある都会の貴重なオープンスペースであります。
このような空間は、地震の際には火災の延焼を食い止める大きな役割を果たしますし、さらに水辺や水面は様々な活用が可能であります。
六軒家川については、埋め立てて活用すべきとの声もあるようですが、地域の大事な河川空間として、長期的な視点を持ち、例えば親水公園の整備など、親水性の向上や、水都の魅力づくりにつながるよう、この空間を有効に活用するための検討を行うべきと思いますし、また、こうしたことも織り込んだ取り組みを進めるべきだと思いますが、都市整備部長の所見を伺います。
― 降 壇 ―
【 都市整備部長・答弁 】

2.LRTの現状と今後の展開について【住宅まちづくり部】

1)LRTの現状と今後の展開について
 次にLRTについてお尋ねします。
ヨーロッパでは、今、多くの都市で新型路面電車であるLRTが導入され、市民の身近な足となっているとともに、観光客にも人気のある"まちのシンボル"となっています。
かつては、大阪市でも路面電車が走っていましたが、車の増加に伴い、道路渋滞が頻発したことから、鉄道は地下を走るようになり、現在は地下鉄が主な交通手段となっています。
しかし、高齢化の進展やまちの活性化という側面を考えるとき、都市の交通体系のあり方を根本的に見直さねばならぬときが来ているのではないかと思っています。
確かに、地下鉄等の交通機関は大量の人間を短時間に移動させることができ、都市機能として、根幹のインフラでありますが、鉄道の地下化と駅間の距離の長さより、結果的には、都市を無機質化させ、ターミナルである梅田・なんば等に都市機能を一極化させることになってしまいました。新幹線による東京の一極集中・ストロー化現象と同じであります。
こうした意味では、改めて、都市機能とは何か、インフラとは何かと言うことを私たちは真剣に考え直さなければなりません。
すなわち、点から点でなく、面から面をつなぐ新しい都市インフラの創造であります。
こうしたなか、気軽に乗り降りでき、地上の町が手に取るように目に入り、人と人との交わりを自然にもたらすLRTすなわち新型路面電車は、まさに現代の人間回復のまちづくりの象徴であり、大阪というまちを瑞々しく生き返らせる大きな原動力にもなると強く期待しております。
さらに"鉄道とまちのルネッサンス"とも言われるLRT・路面電車は、一般の鉄道に比べ、はるかに安価で建設できることから、実に実現性の高い画期的な交通手段でもあります。
こうした観点より「グランドデザイン・大阪」で示された天王寺・なんば間や御堂筋等のLRT構想は、素晴らしい取組みであり、ぜひ推進してもらいたいと考えていますが、まず現在の取組み状況について、住宅まちづくり部長に伺います。
― 降 壇 ―
【 住宅まちづくり部長・答弁 】
2)北港トラム構想の提案
 さて、ひるがえって、此花区では、区の東西を貫く交通機関は、市民の暮らす区の北側からは、はるか離れた南側にJR桜島線が通っている状況であります。
さらに、日常の市民生活を支える公共交通は、大阪駅に接続する、わずか3系統のバスがあるのみであり、とても、利便性の高い交通体系があるとは言えません。
一方、昨年示された夢洲地区への鉄道アクセス案では、都心とIRを結ぶアクセス案があっても、地域の交通利便性向上や賑わい創出に向けての理念は全く伺い知れません。
「もっと身近に、もっと便利に、もっとみんなが利用できる交通機関を」というのが、此花区民の悲願であると聞いておりますが、これからの時代を見据えると、実現性のある公共交通機関としては、LRT・路面電車こそが、格好の交通手段ではないかと思っています。
そこで私は、うめきたから野田阪神を経由し、北港通りを通って、USJ・ベイエリアに至る、アメリカではLRT、ヨーロッパではトラムという名の新型路面電車の実現、名付けて「北港トラム構想」を提案したいと思います。
<説明資料2>・・・「【提案】北港トラム構想・御堂筋LRTとの接続」
 ごらんのように地域の住民の方々の便利な日常の足が、低コストで確保できることに加え、――― さらに、御堂筋のLRTとも接続できれば、湾岸より大阪の中央部と天王寺までつながる一大ネットワークが形成でき、同時に、広い回遊性の創造も可能となり、単に一地域を超えた、大阪全体に広がった新しい大阪の都市魅力を創造できることになるのではないかとひそかに期待しています。
この仮称「北港トラム構想」を、これからの大阪の"鉄道とまちのルネッサンス"の象徴として、ぜひ検討に加えていただきたいと思いますが、住宅まちづくり部長の見解をお伺いします。
― 降 壇 ―
【 住宅まちづくり部長・答弁 】
【 要望 】
以上は私が昨年、選挙区の合区が決まって以来、此花の町を歩き、多くの人々に会ってきました中で寄せられた区民の皆様の切実な声でありました。
海に面し、淀川と安治川に挟まれたきわめて細長い地形の中で、防災と交通インフラの整備が最大の課題でありました。今日は、そんな皆さんの声を、ぜひ、届けたいと質問させていただきました。
理事者の皆さんには、ぜひ、ご検討をたまわりますようお願い申し上げます。

3.特別区設置協定書について【大都市局】

1)特別区で何が変わるのか?
 さて、こうした中、最近、よく聞かれるのは、「特別区になって、私たちのまちはどうなるのか」というお尋ねであります。今までの此花区は失くなってしまって、湾岸区になるということだが、「一体、私たちのまちは、湾岸区になって、何が、どう変わるのか」というお尋ねであります。
残念ながら、特別区設置協定書のどこを見ても、そのようなことは書いてありませんので、私自身は、それに対する答えを持ちえませんでした。
しかし、これは一市民として至極・当然な、素朴なお尋ねであると思います。
そこでお尋ねしますが、湾岸区になって一体、此花区は具体的にどう変わるのか、また何をどう変えようとしているのか?大都市局長にお教え願いたいと思います。
― 降 壇 ―
【 大都市局長・答弁 】
2)広域事務と基礎事務の仕分けについて
 次に、このたびの協定書の作成に当たって現在の大阪市の事務を広域事務と基礎事務についての仕分けをされていますが、先ほどお尋ねしました案件や事業についてはどのような仕分けになるのか?大都市局長のお答えを頂戴したいと思います。
― 降 壇 ―
【 大都市局長・答弁 】
3)政令市制度の評価について
 そこで、最後に、政令市制度の評価について知事にお尋ねします。
物事には正の側面と負の側面の両面がありますが、知事は、負の側面を強く強調され、大阪市を廃止・解体の必要を強調されていますが、これまでの道路・鉄道をはじめ大阪の都市インフラは、実は、大阪市が実施、この間、平成以降に開通したものだけでも、高速道路の建設累計距離は6路線44キロ、地下鉄・ニュートラムの9路線141キロ、新たな鉄道路線の建設も4路線40キロ、市内府道も28路線183キロになります。
これらに係る建設投資は約4兆円近くにものぼり、その莫大な投資により、今日の大阪という都市があり、大阪府も、その大阪市の投資インフラをベースとして、府域一帯に連続した府政が進められてきたのであります。
知事は負の側面をもって政令市制度を否定されているようであるが、大阪府自身が大阪市の正の側面、正の遺産で成り立っていることをしっかりと認識しておかねばならないと思いますが、知事の政令市制度に対する認識を最後にお伺いします。
― 降 壇 ―
【 知事・答弁 】

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