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府議会の報告

平成27年9月定例議会 一般質問

平成27年10月9日
杉本 太平 議員

自由民主党・無所属 大阪府議会議員団の杉本太平でございます。
本日は、一般質問の機会を得ましたので、発言通告に従い、順次質問をさせていただきます。

目次

1.土砂災害対策

1)急傾斜地崩壊防止工事に係る負担金の徴収に関する条例案について

今定例会において、急傾斜地崩壊防止工事の実施に関する負担金徴収条例が提案されています。
先の代表質問においても、この条例に関して取り上げられ質問がありました。
府としては法律の主旨を鑑み、有識者からの提言も踏まえて、負担の公平性から今後新たに着手する箇所については、費用の一部を受益者に負担いただくこととして、制度の構築を行ってきたとお聞きしました。
制度の主旨、考え方については一定理解できるものの、具体的に内容をお聞きすると疑問点も多いと考えます。

ずは負担額の算定方法について、です。
負担額については、がけ地の所有者およびがけ上、がけ下の土地所有者に対して、がけ地の延長およびがけに接する土地の延長により按分で算出されるとのことですが、その土地に住んでおられる方もいれば、土地だけをもっている方もおられます。
危険な状況に対する認識が異なる中、土地の延長のみで算出することに対して、公平性が保てているのか、受益者の方々に納得してもらえるのかは疑問であると言わざるを得ません。

2点目は負担額の大きさについて、です。
これまでの実績から1カ所あたりの総事業費は2~3億円とお聞きしていますが、仮に受益者が10人で総事業費が2億円を要する場合、負担率を10%とすれば、2,000万円を10人で負担することになり、等分の負担としても、一人当たり200万円を負担することとなります。また、負担額については上限が定められていません。

こうした点から、地域の合意形成を図ることは、かなり難しいと思われます。
負担の公平性を保ちつつ、さらに負担軽減を図るなどといったことが今後事業を進めて行くうえで不可欠と思っています。
このままでは、事業が進まなくなるのではと考えますが、都市整備部長の所見を伺います。

【都市整備部長答弁】

2)土砂災害特別警戒区域内の家屋に対する助成制度について

今後の急傾斜地崩壊対策事業に対する負担金徴収の考え方についてお伺いしました。
事業が円滑に進むよう努力するとお聞きしましたが、対策施設の整備を進めて行くにはやはりハードルが高く、事業の進捗が遅れざるを得ない印象を受けました。
そのため、危険な地域にお住いの方自らが対策を行っていただくことが大切であり、その費用を支援する助成の制度は非常に重要と考えています。

そこで、次に土砂災害に関する助成制度について伺います。
本制度は、土砂災害特別警戒域内にお住いの方が行う家屋の移転や補強について、要する費用の一部を助成する制度であるとのことですが、移転の場合は、既存建物の除却に対する費用の約80万円に加え、金融機関から資金を借り入れた場合、移転先の住宅の建設に要する費用の利子相当分として最大415万円が助成されるものとなっています。

また、既存家屋の補強に対しては、補強に要した費用の利子相当分として最大約90万円が助成されるものです。

なお、本助成については、国の交付金を活用し、国が1/2、府と市町村がそれぞれ1/4を負担すると聞いています。
助成の考え方が、要する費用の利子相当分のみであり、移転や補強を行うには相当額の自己資本が必要となります。これだけの助成額で自ら対策を行うとは考え難いものがあります。
また、本制度については、市町村が事業主体となっていますが、府内の市町村においていまだに運用が図られていない状況であり、住民に対する周知も十分になされていません。

そこで、助成制度について、助成額の増額など制度を拡充する必要があるのではないでしょうか。また、市町村に対して早期運用が図れるよう、府として積極的に指導・支援するべきと考えますが、都市整備部長の所見を伺います。

【都市整備部長答弁】

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2.農業振興

農業の成長産業化に向けた取組みについて

地域の活力の向上に向けて、農業の成長産業化が一つのキーワードであり、経営感覚に優れた担い手の育成・確保や最近ニーズが高まりつつある企業の農業参入を一層推進すべきではないかと考えています。
農業者の高齢化や担い手不足が進展する中、私の地元和泉市では、基盤整備が済んでいる優良な農地でさえも、遊休化しているケースが散見されています。農業の後継者不足の現状に鑑みると、このままでは、農地の遊休化はさらに進み、負の遺産に変わり果ててしまうのではないでしょうか。

こうした農地を、規模拡大を希望する農家や農業参入を希望する企業などへ、いち早く貸し付け、高収益型の農業を実現するべきであると考えます。
府では、農業者や企業に対し、農地の貸付を進める農地中間管理事業の取組みを進められており、昨年度の貸付実績は15ヘクタールとのことですが、農地を借りたいというニーズは約126ヘクタールあり、まだまだニーズには応えきれていないと聞いています。

農地中間管理事業は、全国的に取組みが低調との報道もされており、その原因として、制度の周知不足に加え、農家が、先祖代々受け継いできた農地を簡単に他人に貸したくないといった意識を持っていたり、農地を貸せば小作権が発生し、いずれ一部を手放さなくてはならないと誤解しているケースがあると聞きます。また、貸し付ける意向があっても、長期間の借受けを希望する借り手側と貸付期間など条件が合わない場合も多いと聞いています。

農地の貸し借りを進めるには、このように様々な課題があることは承知していますが、農業への参入や規模拡大のニーズが高まっている今こそ、農業経営の基盤である農地を確実にあっせんし、そのニーズに応えていくことが、必要なのではないでしょうか。

農業の成長産業化に向けて、農地中間管理事業をより一層推進すべきと考えますが、どのように取り組むのか環境農林水産部長に伺います。

【環境農林水産部長答弁】

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3.産業用地の確保

1)企業誘致の取組みについて

先日、大阪の地盤低下、産業の衰退化を示す衝撃的なデータが帝国データバンクから公表されました。

【パネル1にカメラを切り替え】

これによると2005年から2014年の10年間に大阪府へ転入した企業は1,523社ある一方、転出した企業は2,424社あり、転入企業を901社上回っています。

【パネル2にカメラを切り替え】

転出企業の転出先をみると最も多かったのは兵庫県の843件で、以下、東京都358件、奈良県259件が続き、上位4都道府県への転出が7割近くを占めています。
そして転出した企業を業種別で見ると、卸売業が674件と最多で、次いでサービス業647件、製造業423件となり3業種で7割を占めています。

このように大阪府で産業の空洞化が起こっている中、多くの都道府県では成長戦略として産業の重要性を認識し、積極的に産業誘致に取り組んでいます。

【パネル3にカメラを切り替え】

たとえば岡山県のホームページをみると、産業用地の検索が簡単にできるようになっており、同様の取組みを行っている県や市町村は少なくありません。

【パネル4、5にカメラを切り替え】

一方、大阪府のホームページを見ると、産業団地のリンクが張ってあるだけで、誘致がすでに完了したものも多くあり積極的に誘致を行っているように感じられません。
そこで、これまで大阪府は企業誘致にどのように取り組んできたのか商工労働部長に伺います。

【カメラを議員に戻す】

【商工労働部長答弁】

2)地区計画や用途地域を利用した産業用地の確保について

産業団地以外の方法として産業用地を確保するためにはどのようにすべきかについて、一つは、市街化区域内にある既存の産業用地を減らさないことや、遊休地の活用を考える必要があります。私の住む泉州地域はかつて繊維業が栄え大きな工場も多くありましたが、今は衰退して工場が潰れ、その跡地に戸建て住宅やマンションができることが多くあります。また産業用地に適した規模の大きな遊休地があっても、開発されれば住宅になることがほとんどです。昨今、全国的に空き家が大きな社会問題となり大阪府でも多くの空き家がある一方、工場跡地や遊休地には住宅ができていくのが現状であり、また、大規模な工場や企業の本社跡地では、大規模商業施設ができることも多いのが現状です。

都市計画法に定められた用途地域や地区計画で一定の制限をかけていく必要があると考えていますが、都市整備部長の所見を伺います。

【都市整備部長答弁】

3)市街化調整区域を利用した産業用地の確保について

また産業用地を確保する別の方法としては、市街化調整区域を利用することも考えられます。言うまでもなく市街化調整区域は市街化を抑制し、開発行為は厳しく制限されます。しかし開発行為ができないということではありません。

【パネル6にカメラを切り替え】

これについては、都市計画法第34条11号、12号に基づき都道府県が条例で定めることによって、または、同14号に基づき開発審査会の議を経ることによって、地域の実情に応じた開発許可を行うことが可能であるとされています。
他府県に目をやると奈良県がこれを利用して積極的に産業用地確保に取り組んでいます。

例えば、法第11号に基づく条例や条例施行規則を制定し「産業の振興に寄与するものとして知事が定める事業を営む工場で床面積の合計が300平方メートル以内のもの」は開発許可するとしています。その他にも法第14号に関しても、市町村の総合計画または都市計画マスタープランに位置付けられた区域、または県産業・雇用振興部局が区域を設定し「工業系ゾーンに位置付けられた区域内の工場」について開発審査会提案基準を定めています。また、県産業・雇用振興部が定めた地域産業振興に寄与すると認められる「地域振興産業の工場」についても提案基準を定め、開発許可を可能とし積極的に産業用地確保に努めています。

【パネル7にカメラを切り替え】

大阪府内では、市街化調整区域の開発許可を一部の市町村に権限移譲していますが、権限移譲された堺市においても都市計画法第34条第14号及び同法施行令第36条第1項第3号ホに関する判断基準の規定に基づき、開発審査会への提案基準を定め市街化調整区域内においても工場立地を可能としています。

今述べたように、奈良県や堺市では市街化調整区域においても工場等が建設できるような取組みを行っていますが、大阪府ではこのような取組みがされていないと聞いています。

なぜ取組みを行っていないのか住宅まちづくり部長に伺います。

【カメラを議員に切り替え】

【住宅まちづくり部長答弁】

4)産業用地不足に対する認識と確保の取組みについて

大阪では産業用地が不足しており、このままではだめと考えます。産業用地不足の認識と大阪経済にもたらす影響について知事の所見を伺います。

また、これまでの議論で明らかになったように、市街化区域で既存の産業用地を守っていくことや遊休地を産業用地として創出していくことについては、市町村との関わり方を考える必要があります。また、市街化調整区域を利用した産業用地の確保については、豊かな自然環境の保全や無秩序な市街化を抑制するといった調整区域の趣旨との整合性をどう考えるか、その区域が農業振興地域や農用地区域に該当する場合には農業振興とのバランスをどうとるのかといったことを考える必要があります。

このような状況を踏まえ、産業用地の確保についてどのように取り組んでいくのか知事の所見を併せて伺います。

【知事答弁】

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4.小中学校教育

小中学校の教育力向上に向けた環境づくりについて

私の地元の小学校の先生から聞いた話ですが、毎日夜遅くまで行事の打合せであったり、授業のプリントづくりや採点だけでなく、保護者への連絡など、先生が忙しくしていて、クラスの子どもたちと放課後にゆっくりと話をする時間がなく、勉強の遅れている子どもを十分に見てあげることができないとのことです。
放課後に先生が忙しいのであれば、地域におられる退職した先生OBの方や大学生、又、地域の方にボランティアで学校に来てもらい、先生と協力しながら、宿題や勉強で躓いているところを教えてもらうようなサポートのあり方も、これまでから行ってきたことではあるが、1つの方法ではないかと思います。

文部科学省において「チーム学校」の議論などが活発に行われており、教員の質と数の一体的強化を図るため、平成28年度予算に向けた概算要求が行われているとも聞いています。
子どもを取り巻く環境が、より厳しくなっている中、先生方が授業など、子どもへの指導に専念できるような取組みが検討されています。

私から見ても、先生方はよく頑張っておられように思いますが、子どもたちの学力や、基本的な生活習慣のベースとなる、小中学校の教育力を一層高めることが、大切であると考えます。
そのために、学校に対する様々な人的支援をしてほしいと思いますが、教育長の考えを伺います。

【教育長答弁】

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5.和泉市内の道路整備

1)大阪岸和田南海線の延伸について

【パネル8にカメラを切り替え】

和泉市域の都市計画道路大阪岸和田南海線については、王子工区において今年の5月に4車線供用がなされ、府道大阪和泉泉南線から府道泉大津美原線までの間など、既に供用している区間も併せると、幹線道路である府道大阪和泉泉南線から府道岸和田牛滝山貝塚線までの約6.6km区間のうち、約4kmが供用済みとなっています。

また、府中工区も平成28年度供用目標に事業を進めていると聞いており、供用の見通しが立ってきたことから、大阪岸和田南海線について、残る未整備区間の着手にあたり、今後都市整備中期計画の見直しにおいて和泉市域の未整備区間がどのような位置づけとなるのか、併せて事業の見込みはどうかについて都市整備部長に伺います。

【都市整備部長答弁】

2)都市計画道路池上下宮線の整備について【要望】

また、この大阪岸和田南海線と交差している都市計画道路池上下宮線についても、事業中の大阪岸和田南海線から市道上伯太線までの間については、用地の取得が約98%行われ、今年度、工事発注も行うと聞いており、この区間の事業を着実に進めるとともに、その先線も、引き続き整備について検討を行うよう要望して次の質問に移ります。

3)大阪外環状線の4車線化について

【パネル9にカメラを切り替え】

大阪外環状線については、接道する国道480号の供用に目途がたち、また近隣には府内有数の大規模商業施設もオープンし、交通量はさらに増加する見込みです。
和泉市域内に、一部暫定2車線区間があり、阪和自動車道岸和田ICへのアクセスなどの観点からも南部リージョンセンターから岸和田側への4車線化は重要だと考えますが、大阪環状線の今後の4車線化への取組みについて都市整備部長に伺います。

【カメラを議員に切り替え】

【都市整備部長答弁】

4)三林岡山線の立体化等について

【パネル10にカメラを切り替え】

府道三林岡山線の渋滞対策として、現在、室堂町北交差点の改良工事による3車線化が進められています。
ただ、室堂町北交差点で交差する国道480号は渋滞しており、府道三林岡山線の一部車線を従来計画のあった準高速いわゆる立体交差化することにより、府道三林岡山線と国道480号の抜本的な渋滞緩和が図られると考えます。

また、和泉中央駅付近のいぶきの大橋西交差点と和泉中央駅西交差点についても渋滞が発生しているため、その対策として、アンダーパスによる3車線化を予定されていると聞いていますが、室堂北交差点と和泉中央駅付近の3車線化を実施しても、槇尾川付近では一旦2車線となり、ボトルネックとなることが予想されます。

このため、槇尾川付近も併せて1車線追加し連続した3車線化することにより、ボトルネックが解消するものと考えられますが、抜本的な渋滞対策となる準高速いわゆる立体交差化と槇尾川付近の3車線化について、都市整備部長に伺います。

【カメラを議員に切り替え】

【都市整備部長答弁】

以上をもって私の一般質問とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。

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