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府議会の報告

平成28年9月定例議会 代表質問

平成28年10月3日
みつぎ 浩明 議員

目次

1-1.岩湧地区トンネル工事の契約変更

【質問】

(広域農道岩湧地区トンネル工事の契約変更について)

河内長野市で施工中の広域農道のトンネル工事の契約変更にかかる議案について伺う。
本件については、8月31日にトンネル掘削先端部の崩れがあり、今後の施工の安全対策として工法を追加したとの説明を受けた。しかし、20日の招集告示日までに事前の説明は無く、開会日に急遽の提案となっているが、どのような経緯で、本議案の提案になったのか。
また、現契約のままでは、10月9日から工事が休止することから、施工業者から体制維持に必要な追加負担を求められるとの説明を受けたが、なぜ議会が早期に議決をしなければならないのか。
以上の点について、環境農林水産部長の所見を伺う。

【環境農林水産部長答弁】

  • ○今議会に急遽提出させていただいている広域農道岩湧地区のトンネル工事請負契約変更の件につきましては、昨年12月に工事契約のご議決をいただき、本年5月より掘削工事を進めていたところ。
  • ○トンネル入り口から152mに達した8月31日に、掘削先端部に崩れが発生したことを受け、専門家を交えて、今後の岩質の見通しについて、検討を行った結果、当初設計時の想定に比べ、岩質が軟弱な部分が多く、今後もその傾向は続くと判断。
  • ○そのため、見直し後の岩質を前提とした工事内容に変更するべく、9月13日に見直すことを決定し、請負業者との仮契約を9月16日に締結するなど、議案提出に向けた庁内の手続きや準備を鋭意進めてきたところであるが、20日の招集告示日において、議案説明に至りませんでした。
  • ○結果として、議会開会日に急遽提出することとなり、事前に十分な説明の機会を設けることが出来ず、誠に申し訳なく思っている。
  • ○また、早期のご審議をお願いしているのは、トンネル工事の特性を踏まえて、安全の確保などを考慮しているため。 トンネル工事は、掘削面の安全性を確保するため、掘削作業やトンネル構造を補強する作業等の一連の作業を途切れることなく継続することで、掘削断面の安定が図られる。仮に、工事を休止した場合、時間の経過と共に掘削面先端部は、不安定な状態となり、連続する既に施工した部分に対しても影響が及ぶことが懸念される。
  • ○現在の工事契約の範囲内では、10月9日に工事が休止する見込みであり、引き続き、工事を安全に施工していくためにも、ご理解を賜りたい。
  • ○なお、工事休止に伴う追加経費の負担については、請負業者との契約内容から、発注者が工事を一時中止させた場合、請負業者の体制維持に要する経費を発注者が負担しなければならないと規定されていることから、想定される影響の一つとしてお示ししたもの。
  • ○今後とも安全面に留意し、工事の早期完了に向け、努めてまいりますので、議案にご理解をいただきますとともに、誠に申し訳ありませんが早期のご審議をよろしくお願いする。

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1-2.ダイオキシン廃棄物処理問題

【質問】

次に、豊能郡美化センターのダイオキシン問題について伺う。
この問題は、豊能・能勢両町で構成する豊能郡環境施設組合が設置していた美化センターのごみ焼却炉から、高濃度のダイオキシンが発生、飛散していたことが平成9年に判明し、大きな問題となったことが発端である。この問題の発生以降、施設組合は、焼却炉の解体廃棄物や汚染土壌については、様々な困難があったものの処理を行ってきた。
しかしながら、本年7月に長年処理ができずに保管されてきたばいじん等の一般廃棄物を、神戸市内の施設でコンクリート固化の処理をした後、産業廃棄物の処分場で埋立処分したことが判明した。施設組合は、神戸市からの抗議を受け、廃棄物を撤去することとなり、府も、豊能・能勢両町や施設組合からの要請を受け、地元住民への説明会に出席し、廃棄物の分析結果等を示して安全性についての説明を行った結果、仮置き場の確保について住民の理解を得て、廃棄物の撤去は完了したところである。
しかし、これはあくまで仮置きの状態であり、豊能郡内で速やかに最終処分しなければならない。そのために、府は、両町と施設組合が処理の方法を決めるのをただ待つのではなく、積極的に事態の解決に協力していくべきと考えるがどうか。
また、府は、昨年11月まで、豊能町内での無害化処理を検討するにあたり、総合的な技術支援を行うため、専門的な知識、経験を有する職員を派遣していた。今後、両町、施設組合が今回の廃棄物の処理を行うにあたり、技術支援のために改めて府から職員を派遣することが必要ではないか。
以上、環境農林水産部長に伺う。

【環境農林水産部長答弁】

  • ○豊能町内で仮置きされているコンクリート固化されたダイオキシン類を含む廃棄物を一日も早く処理し、問題を終息させることが必要である。
    このため、廃棄物を最終処分する方法として、さらに熱分解等により中間処理し、ダイオキシン類をなくした上で埋立処分する方法や、ダイオキシン類を含む廃棄物は既にコンクリート固化されていることから、現状のまま直接埋立ないしは封じ込めて処分する方法を5つのパターンに分けて整理し、仮置き場の確保ができた後、速やかに、豊能・能勢両町と施設組合にお示しするなど、府として積極的に協力してきたところ。
  • ○施設組合及び両町は、これを参考に方針を決めていかれることとなるが、円滑に意思決定がなされ、最終処分が実現されるよう、府としても、引き続き必要な技術的助言を行い、本件の解決に向けて積極的に協力していく。
  • ○また、最終処分の方針が決まり、それを実行していくに際して施設組合から要請があれば、改めて府の職員を派遣する必要性を見極めてまいりたい。

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1-3.ウイルス性肝炎患者等の重症化予防推進事業

【質問】

(ウイルス性肝炎患者等の重症化予防推進事業(初回精検、定期検査費用助成)について)

国は、26年度からウイルス性肝炎の重症化予防を目的に、初回精密検査と定期検査にかかる費用助成制度を創設されたところ。現在、府を除く46都道府県で、精検費用の助成を行っている。保険を使って精密検査を受診するとすれば、3割の自己負担額としておよそ8千円もかかると聞く。さらに、診療明細書・結果通知にかかる文書発行料に3千円から5千円もかかるとのこと。府が、国の事業を活用し、費用助成に取り組めば、8千円の自己負担額がなくなり、これまでよりも精密検査を受診しやすくなるのは明らか。肝炎患者の早期治療に結びつけ、重症化を予防するため、府においても他府県並みに初回精密検査と定期検査にかかる費用助成を実施すべきと考える。
先の他会派の答弁で「府は、国の事業に比べ、圧倒的に高い成果を出している今の事業体制を維持したまま、国の助成事業の対象となるよう国に対して要望しているところ。」と聞いたが、府からの要望に対する国の対応はどうなっているのか。今後、府としては国とどういった姿勢で協議していくつもりか。健康医療部長に伺う。

【健康医療部長答弁】

  • ○現在、府の体制を維持したまま、国の助成事業の対象となるよう国に対して要望しているところ。しかしながら、国では、精密検査の受診勧奨は都道府県が主体となって進めるよう制度設計しており、本府のように、市町村も主体となって受診勧奨に取り組むことは想定していない。このため、現時点では対応できないとの回答であったが、今後、意見交換しながら検討したいとも聞いているので、引き続き、府としても協議してまいりたい。

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1-4.地震対策

【質問】

(熊本地震の教訓を生かした府の地震防災対策)

熊本地震においては、昼間の避難所ではご高齢者が大半であったり、在宅で療養中の高齢者や障がい者の方々の避難所生活の困難さを実感するとともに、高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(いわゆる要配慮者)のための「福祉避難所」の指定に力を入れる必要性を痛感。
市町村ではなかなか指定が進んでおらず、苦慮していると聞きますが現状はどうか。
また、施設の方からは、受け入れた避難者の長期化した場合の対応、万一事故が起こった場合の責任など、福祉避難所の指定に躊躇する声も聞く。
さらに、看護師や介護士などの専門人材がいる対象施設が少ない市町村もあると聞く。
大阪府として、広域的な立場で、福祉避難所の指定について、市町村を支援するべきだと考えますがいかがか。

【危機管理監答弁】

  • ○平成25年6月に改正された災害対策基本法に基づき、生活の場として一定期間受け入れを行う場所として指定する「指定避難所」のうち、高齢者・障がい者・乳幼児など要配慮者のために特別の配慮がなされた「福祉避難所」について、市町村が新たな指定基準に基づき指定を進めている。
  • ○平成28年6月1日現在、府内34市町村において、福祉避難所を指定済みであるが、9市町村において、新たな指定基準への適合や施設管理者の同意を取る必要があるといった理由などにより、まだ指定が完了していない状況である。
  • ○本府では、災害対策基本法の改正を受け、府内市町村に対し、8月の市町村担当者会議の場など、機会あるごとに早期の指定を働きかけてきたところであり、現在、未指定の市町村において、福祉避難所の指定に向け、鋭意福祉施設との調整などに取り組んでいる。
  • ○府としても、市町村などから事情を聞くなど、課題を整理し、課題解決に向けたルール化を図り、福祉避難所の指定が進むよう努めてまいる。

【質問】

(熊本地震の教訓を生かした府の地震防災対策)

熊本でも、国や他府県から、早い時期に支援物資が続々と送られてきたが、円滑に必要な物資を避難所に届けるのに、ずいぶん時間がかかったり、届かない地域があったりなどの問題がクローズアップされた。
大阪府では昨年度に、市町村とともに、南海トラフ巨大地震などの大規模災害への備えとして、今後の備蓄方針を策定し、この方針に基づいて計画的な備蓄が進められている。
しかし、物資は避難所や在宅で過ごされる被災者に的確に届かないと意味がない。
大阪府は市町村と物資供給ルートをあらかじめ定め、共有しておく必要があるのではないか。

【危機管理監答弁】

  • ○熊本地震では、議員お示しのとおり、国のプッシュ型支援をはじめ大量の救援物資が物資集積拠点にあふれる一方で、避難所に必要な物資が届かない事態がみられ、府としても、救援物資を迅速に避難所に届けることの重要性を認識したところ。
  • ○大阪府では、市町村と設置した「大阪府救援物資対策協議会」では、昨年11月から、大規模災害時に備蓄物資や国等から寄せられる救援物資等を避難所に円滑に配送するため、その体制や手順などを具体的に示す「救援物資配送マニュアル」の検討を進めてきたところ。
  • ○本年9月には、同協議会において本マニュアルのうち、府と市町村の配送業務の基本事項を取りまとめた基本方針(案)を公表したところです。
  • ○また引き続き、同協議会において、配送ルートや配送業務における具体的な手順などを定めた運用編の検討を進め、市町村と調整のうえ、本年度中にマニュアルとして完成してまいる。

【質問】

(熊本地震の教訓を生かした府の地震防災対策)

我が会派からも、熊本地震の被災地で災害ボランティアに参加した。
熊本市では、社会福祉協議会がボランティアセンターを設置し、大勢のボランティア希望者の受付や派遣調整など、ボランティアセンターの運営の大変さを目の当たりにした。
派遣先では、被災家屋のブロック塀の撤去や廃棄物の搬出作業などを行ったが、街には、瓦礫撤去などの作業が必要な家屋も多く見られ、全国から来られた大勢のボランティア希望者と、ボランティアの力を借りたいと希望する被災者とのマッチングを効果的にできないものかと感じた。
大阪府では、大阪府社会福祉協議会がボランティアセンター運営やそのためのリーダー養成を進められていると聞くが、まだまだ進んでいないとの印象がある。
ボランティアしたい人の登録や研修を計画的に進め、災害発生時の広域的なボランティア派遣調整を行えるための体制充実に向けた府の取り組みを強めるべきと考えるがいかがか。

【危機管理監答弁】

  • ○近年の災害時においては、多くのボランティアが被災者の生活再建を中心として重要な役割を果たしており、大規模災害時のボランティアの役割はますます大きくなると見込まれることから、府としても、ボランティアとの連携が重要と考えている。
  • ○大阪府地域防災計画において、府、市町村、日本赤十字社大阪府支部、大阪府社会福祉協議会、市町村社会福祉協議会などが、府の「災害時におけるボランティア活動支援制度」等を活用し、相互に協力・連携して対応することとしており、大阪府社会福祉協議会がボランティアセンターを設置し、被災者のニーズの把握やボランティア派遣の連絡調整を行うこととしている。
  • ○大阪府では、災害時にボランティアとして協力いただける団体を事前に登録しており、本年8月末時点で37団体が登録し、各団体において日常的な繋がりを築いていただいている。大阪府社会福祉協議会では、「災害ボランティア・コーディネーター研修会」を実施し、毎年30人~60人のコーディネーターを養成するとともに、ボランティア間の連携を深めるために「おおさか災害支援ネットワーク」を開催している。
  • ○また、府社協と市町村社協メンバー84名が、熊本地震への支援のため、4月28日から7月21日までの間に、熊本市や大津町などのボランティアセンターに派遣され、ボランティアセンターの立ち上げや運営に従事するなど、経験を積み重ねている。
  • ○大阪府としても、災害ボランティア団体の事前登録を推進するとともに、これまで以上に府社協と協力して、より多くのボランティア・コーディネーターを養成するとともに災害ボランティアのネットワーク強化に努めてまいる。

【質問】

(住まいのケア専門家チームの組織化)

地震対策について伺います。地域防災計画でも掲げられていますように、地震発生直後は、まずは危険を回避し安全を確保するための支援が求められ、その後、地震発生直後のショック状態を脱する段階からは、それぞれの被災者の状況に応じて、生活の再建に向けた支援が求められます。
例えば、住宅が被災した場合のことを想定して見ますと、地震発生後の安全を確保する段階を過ぎれば、損壊した建物の補修内容や必要な費用、ローン対策、家主からの立退請求など、様々な課題を抱えることによる不安感を払拭するような取り組みが求められるのではないでしょうか。
先般の熊本地震後においては、被災後の住まいに関するこうした状況に対応するため、建築士や弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、税理士などの専門家による「住まいのケア専門家チーム」が組織され、被災地でのきめ細かな対応が住民の不安を和らげ、再建を後押していると聞いています。
そこで、府においても、こうした住宅に関する専門的な相談に的確に対応できるよう、専門家団体に働きかけ、「住まいのケア専門家チーム」を組織し、被災住民の相談に対応できる体制を構築してはどうか、住宅まちづくり部長に伺います。

【住宅まちづくり部長答弁】

  • ○府では、地域防災計画に基づき、地震発生後速やかに、住宅に関する相談窓口として、府職員を中心に構成する「住まい情報提供室」を設置し、避難場所や応急危険度判定、入居可能な空家情報など、住宅に関する様々な情報提供や相談を行い、府民の安全の確保に努めることとしている。
  • ○しかしながら、住宅に関する相談は、応急段階から、復旧・復興段階にかけて、時期に応じて内容が変化し、また、建築、法律、金融問題など専門的かつ多岐にわたることから、専門家団体の協力を得て、被災された住民の様々なニーズに的確に対応することが重要と認識。
  • ○このため、今後、府では、建築士会、弁護士会などの専門家団体で構成する「大阪の住まい活性化フォーラム」に働きかけ、被災者の住まいの再建のための相談にきめ細かく、かつ迅速に対応できる「住まいのケア専門家チーム」の組織化を図る。

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1-5.ゴム堰の老朽対策

【質問】

(ゴム堰の老朽対策について)

府内には、多くの河川があり、農家にとって貴重な水源となっている。
農業利水については、河川から取水する井堰が設置され、農家により維持管理されているが、中でも、昭和40年代以降、河川改修等に伴い設置されたゴム製の可動堰は、府内に108箇所あると聞いており、中には、改修から相当の年数が経っているものもあり、老朽化が進んでいる。
また、近年、多発する豪雨による損傷の懸念もあり、老朽対策や被災時の補修を行う場合には多大な費用がかかることから、農家の不安も大きい。
今後、農家が安心して農業を継続していくためには、農業用水の安定供給は不可欠であり、老朽化したゴム堰に対して、治水上の安全にも配慮しつつ、しっかりと対策に取り組んでいくことが必要である。
大阪府では、環境農林水産部と都市整備部とが連携し、老朽化が進むゴム堰の対応についてモデル的に検討が進められていると聞いている。
府における検討状況と今後の対応について環境農林水産部長の考えを伺う。

【環境農林水産部長】

  • ○井堰は、農業用水を安定して供給する上で、重要な施設であると認識している。
  • ○ゴム堰は、今後、耐用年数を迎えるものが増加し、その更新には多大な費用がかかることから、府内3箇所の井堰をモデルケースとして、その対応について、井堰以外の取水方法への変更や代替水源への転換などを含めて検討しているところ。地元合意が整ったところから、順次具体化を進めている。
  • ○今後は、平成28年度末を目途に、都市整備部と連携しながら108箇所のゴム堰の老朽度や健全性などの実態調査を行い、個々の状況に応じた対策を検討してまいる。
  • ○また、被災時における国の災害復旧事業の活用についても、引き続き、市町村と連携し、しっかり対応してまいる。

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1-6.堺市中区への警察署新設

【質問】

(堺市中区への警察署新設について)

堺市中区における警察署新設について、今年の5月府議会で、警察本部長より「警察署の新設につきましては、その必要性を前提に、人員の捻出等について内部で検討している」さらに、「警察署建設用地について、堺市側と協議を重ねている」旨の答弁をいただきました。
そこで、堺市中区への警察署新設に向けて、これまでの大阪府警察の具体的な取り組みについてお伺いします。

【答弁】

堺市中区における警察署新設に関し、これまでの大阪府警察の取り組みについてお答えいたします。
人員の捻出等の問題につきましては、府下の厳しい治安情勢があるものの、更なる合理化、効率化を進めることで、内部捻出で対応することといたしました。
また、警察署建設用地につきましては、堺市と協議を重ねた結果、堺市から建設着工の必要な時期から無償で提供していただく等、前向きな回答をいただいております。
今年の5月府議会において、知事から「やるということを決めた。やる限りは予算をつける」旨の答弁をいただきました。
これらを受けまして、大阪府警察といたしましては、堺市中区における警察署の開署に向け、まず平成29年度当初予算において所要額を要求することとしております。
堺市中区に警察署が開署されるまでしばらくかかりますが、この間におきましても堺市中区の治安維持は、西堺警察署が全力で担って参ります。引き続き住民の皆様のご理解、ご協力をいただきたいと思います。
また、これまで、各会派の議員の皆様には、ご尽力を賜り、真に感謝しております。引き続き警察行政に対しましてご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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1-7.SACHICO(性暴力救援センター大阪)

【質問】

大阪府内の刑法犯認知件数は年々減少していますが、子どもや女性が被害者となる性犯罪の認知件数は、依然として高い水準で推移しており、被害者の心情に配慮した、適切な支援が重要な課題となっています。
大阪では、平成22年4月に、全国で初めて民間による病院拠点型ワンストップ支援センターとして開設された「性暴力救援センター・大阪SACHICO」が、24時間365日の電話・面接相談をはじめ、多岐にわたる支援サービスをワンストップで提供し、性暴力被害者に対する被害直後からの総合的支援を実施されており、今年3月には、国の「子供と家族・若者応援団表彰」で内閣総理大臣表彰を受賞されるなど、その先駆的な取り組みは、全国的に高く評価されています。
そこでまず、ワンストップ支援センターへの他府県の取り組み状況について、危機管理監に伺います。

【危機管理監答弁】

  • ○ワンストップ支援センターは、被害直後から被害者に配慮した総合的な支援を一か所で提供し、被害者の心身の負担軽減、回復を図るとともに、被害の潜在化を防止する機能を有しており、被害者支援に貴重な役割を果たしている。
    大阪府では、ご指摘のとおり、平成22年度から民間設置の「性暴力救援センター・大阪SACHICO」が先駆的な支援活動に取り組んでいるが、他府県でも、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置が進められているところ。
  • ○その設置主体としては、「大阪SACHICO」のように民間が設置運営するものと、府県や政令市など公が直接設置するものがある。
    公が設置する場合は、民間の被害者支援団体にその運営を委託するものが多く、愛知県や京都府、福岡県などの府県では、委託金の形で運営経費を負担している。
    また、東京都、千葉県、福井県、兵庫県では、民間が支援センターを設置運営しているが、このうち、東京都では、支援センターを設置運営するNPO法人に対して補助金を支出している。

【質問】

他府県の状況を伺うと、多くの府県は、このワンストップ支援センターの費用を負担して、被害者の支援活動を支えているとのことで、特に、東京都においては、24時間365日確実に、被害者の相談を受け付けられるようにするため、民間の支援団体に対して、相談員等の確保に係る経費などについて、100%の補助をしていると聞いていますが、一方で、大阪SACHICOでは、民間の寄付金や助成金などで運営しており、その財政運営が大変厳しい状況であると伺っています。
大阪の性犯罪・性暴力被害の厳しい現状を踏まえると、大阪SACHICOのような民間の支援センターが担われている役割は、大変重要であり、大阪の子どもや女性が安心して暮らしていくためにも、全国に先駆けて被害者支援に取り組まれ、大勢の被害者の回復を支えてこられた大阪SACHICOの取り組みに対して、府としてもっと積極的に支援を行い、被害者の救済を図っていくべきと考えますが、危機管理監の所見を伺います。

【危機管理監答弁】

  • ○ご指摘のとおり、大阪は東京と並んで、子どもや女性を狙った性犯罪や性暴力が大変厳しい状況にあり、被害者の支援は大変重要な課題であると認識。
  • ○本府では、「性暴力救援センター・大阪SACHICO」と連携し、府警察をはじめ関係機関や協力医療機関等の協力も得て、大阪SACHICOを核とした性暴力被害者支援ネットワークの構築・強化に取り組んでいるところ。
    また、国のモデル事業を活用することで大阪SACHICOの取組を支援してきた。
  • ○この国のモデル事業は本年度までとなっていることから、府としては、支援センターの重要性を十分踏まえて、今後の国の動きも見極めながら、また、他府県の取り組みも参考として、性犯罪や性暴力を受けた被害者の方々に対する支援について、しっかりと取り組んでいきたい。

【質問】

国においては、内閣府が来年度予算に向けて、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについて、地方自治体の施策を促進するための、交付金による財政支援措置を検討していると聞いています。
そうなれば、当然、東の東京に匹敵するような支援を、大阪府として、検討すべきであると考えます、知事の所見を伺います。

【知事答弁】

  • ○性犯罪や性暴力の被害者に対する支援は極めて重要な課題であると認識。
  • ○府はこれまで、「性暴力救援センター・大阪SACHICO」の取組と連携する形で、被害者支援ネットワークづくりに取り組むとともに、併せて国のモデル事業を活用した支援の拡充を進めてきたところ。
  • ○国のモデル事業は今年度で終了することから、今後の国の動きを見極めつつ、府としても、性犯罪被害者に対する支援について、公民の適切な連携を基本に、しっかり取り組んでいく。

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2-1.障がい者スポーツの振興

【質問】

東京パラリンピックを控え、障がい者スポーツの振興の機運を高めていくために、支援学校におけるクラブ活動も活性化していく必要があると考える。支援学校におけるクラブ活動の現状はどうか?

【教育長答弁】

  • ○障がい者がスポーツを通じて自らの可能性にチャレンジしたり、仲間との交流やコミュニケーションを深めることは、生活の質を高め、人生をより豊かにしてくれるものである。
  • ○とりわけ、支援学校における運動系のクラブ活動は児童生徒の社会性や自立性を培うものであることから、運動系のクラブ活動を奨励しているところ。
  • ○支援学校は通学バスによる一斉下校等、支援学校特有の課題があるものの、府立支援学校44校のうち、自主通学している児童生徒を中心として、視覚支援学校、聴覚支援学校、知的障がい支援学校の36校において、陸上、サッカー、バスケットボールなど障がい特性に応じた運動系のクラブがある。
  • ○なお、本年度は、府立聴覚支援学校高等部の4人の生徒が大阪の支援学校では初めて日本代表に選ばれ、聴覚障がい者のバレーボール大会であるデフバレーの世界選手権に出場した。また、リオでのパラリンピックでは、大阪の支援学校を卒業した水泳の津川拓也選手が銅メダルを獲得し、同じく水泳の廣田真一選手、陸上の高松佑圭選手も活躍するなど、輝かしい成果を挙げているところ。

【質問】

障がい者スポーツの裾野を広め、その振興を図るに当たり、支援学校の果たす役割が大きい。とりわけ教員や保護者が障がい者スポーツへの理解をさらに深めることが極めて重要。そこで、支援学校として障がい者スポーツに対する理解を深め、その振興を図るため、運動系クラブへの参加促進はもとより様々な取り組みを進めていくべき。今後どのように取り組んでいくのか。

【教育長答弁】

  • ○府教育庁としては、スポーツを行うことにより、体力の増進、ものごとへの取組み意欲や気力の向上、スポーツを通じた交流の促進が図られることから、支援学校としても障がい者スポーツの裾野を広げていくことは、重要と考えている。
  • ○そのため、運動系クラブに参加する生徒を増やすなど、支援学校におけるクラブ活動を活性化させるため、学校人材バンクを活用した指導を行っている。また、知的障がい支援学校高等部を対象とした、陸上、サッカー、バスケットボールの大阪府大会も実施している。
  • ○さらに、たまがわ高等支援やとりかい高等支援、中央聴覚支援学校など、一部の支援学校においては、バスケットボールやサッカー、バレーボールといった競技で、同世代の高校生と試合や練習をしており、参加した教員からは「生徒のスポーツに取り組む意欲や気力が高まった」との意見も聞いている。
  • ○府教育庁としては、生徒がスポーツに親しむ機会を増やすとともに、生徒に身近な教員や保護者がこれまで以上に障がい者スポーツへの理解を深めることが必要と考えており、府障がい者スポーツ大会などの観戦を積極的に働きかけていく。
  • ○また、4年後の2020年東京パラリンピックの開催を契機に、その裾野を広げていくため、支援学校の障がい者スポーツの現状と課題、今後の方向性について、関係する各学校の代表者に出ていただき、仮称ではあるが「支援学校スポーツ推進会議」を立ち上げ、具体的な検討に着手してまいる。

【質問】

支援学校教育の充実及び障がい者スポーツの発展

只今、教育長から大変力強い答弁をいただいた。ぜひ、支援学校を中心とした障がいのある子どもたちのスポーツ支援に取り組んでいただきたい。
一方で、支援学校を卒業してからも、それぞれの地域で障がい者スポーツに参加できるよう、教育の場から生活の場への切れ目のない支援が必要不可欠。リオでのパラリンピックの感動の熱が冷めやらぬ今だからこそ、障がい者スポーツをより身近なものとすることで、障がい者スポーツを観戦し、参加する機会や人をもっと増やしていくことが大切。
また、府において、先日発表した「都市魅力創造戦略(案)」の目標値の一つに障がい者スポーツ大会の参加者数を掲げているが、目標達成をより確かなものとし、障がい者スポーツを文字どおり大阪という都市の魅力として磨き上げていくためには、福祉部の実施する障がい者スポーツ支援の取組と、支援学校でのスポーツに関する取組との連携を強化し、子どもから大人までを完全にカバーした障がい者スポーツの支援体制を構築していくべきと考えるが、どうか。

【福祉部長答弁】

  • ○2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を4年後に控え、障がい者スポーツのさらなる普及・促進を図っていくことが必要。
  • ○このため、府では、ファインプラザ大阪を拠点とした障がい者スポーツ支援のほか、昨年度より、スポーツ庁から「地域における障がい者スポーツ普及促進事業」を受託し実施している。
    この中で、スポーツを「見る」という観点から府内の支援学校や小・中学校・府立学校へのパラリンピック出場選手の派遣、府内各所でのイベントを開催し、スポーツを「行う」という視点で、幅広く障がい者スポーツを体験できる機会を提供している。
  • ○今後、大阪の障がい者スポーツをこれまで以上に活性化させ、大阪の魅力の一つとしていくためにも、ご指摘のように、障がい者スポーツに関する取組について支援学校との連携を強化することで、生徒や卒業生にスポーツ支援に関する情報がしっかりと行き届き、地域でスポーツ活動に触れ、参加する機会が広がるよう取り組んでいく。

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2-2.スポーツ計画の見直し及び(仮称)スポーツ局の設置

【質問】

(大阪府スポーツ推進計画の見直し)

2019~2021年にかけては、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、関西ワールドマスターズゲームズといった世界的に注目を集めるスポーツイベントが開催されることから、府民のスポーツ振興をさらに進めるとともに、スポーツを通じた都市魅力を発信できる絶好の機会であることを捉え、府民の健康増進のみならず府内のスポーツ関連産業の育成に至るまで、スポーツ振興に関する広範囲な分野の施策を実施することができるよう大阪府スポーツ推進計画(平成24年4月)を見直すべきと考える。府民文化部長の所見如何。

【府民文化部長答弁】

  • ○本府におけるスポーツ振興施策については、国が定めた「基本計画」を踏まえ、平成24年4月に29年3月までの5ヵ年計画として策定した「大阪府スポーツ推進計画」のもと、関係部局が連携協力して取組みを進めているところ。
  • ○国においては、スポーツを通じた健康増進や地域活性化、国際交流及びスポーツビジネスの拡大などの政策を取り入れた、第2期スポーツ基本計画の策定を平成29年3月に予定しているところ。
  • ○本府としては、こうした国の動向を踏まえ、平成29年度中には新たな「大阪府スポーツ推進計画」を策定し、府民がより一層スポーツに親しみ、健康で豊かな生活を営むことができるよう積極的に取り組んでまいる。

【質問】

(仮称)スポーツ局の設置

教育庁での、スポーツに関する取組みとはどのようなものがあるのか伺う。

【教育長答弁】

  • ○教育庁としては、府全体のスポーツ振興を目的に設立された公益財団法人大阪体育協会や高校体育連盟などの取組みを支援することにより、競技力の向上に努めている。
  • ○また、府立体育会館や府立門真スポーツセンターなどの府教育庁が所管するスポーツ施設においては、競技団体の練習や合宿のみならず、府民が身近にスポーツを楽しむ場としても積極的に活用しており、府全体のスポーツの底上げを図っている。

【質問】

スポーツ局の設置について~福祉部におけるスポーツ支援

福祉部では、障がい者スポーツの振興を所管しているが、担当グループは、障がい者スポーツの振興以外には、どのような業務を行っているのか。
※府民文化部、商工労働部、健康医療部、教育庁にも同様の質問を行う。

【福祉部長答弁】

  • ○福祉部では、障がい者スポーツの振興について、その拠点となる「ファインプラザ大阪」の運営のほか、障がい者スポーツ大会の開催などさまざまな取組みを進めている。
  • ○これらを担当する「障がい福祉室 自立支援課 社会参加支援グループ」では、障がい者スポーツ以外に、手話言語条例の検討のほか、手話通訳や点訳・朗読、盲ろう者の通訳介助といった障がい者のコミュニケーション支援、障がい者の芸術・文化・アートの振興など幅広い事業を担当している。

【質問】

スポーツ推進に向けた取組み

次に、健康医療部における健康づくりに向けたスポーツの取組みについて問う。

【健康医療部長答弁】

  • ○日常生活における運動やスポーツには、高血圧、糖尿病等の生活習慣病のリスク低減や、医療としてのリハビリ効果があり、健康寿命の延伸に繋がる。
  • ○健康医療部としては、より多くの府民に健康づくりや疾病予防に取り組んでもらうため、運動の効果や重要性についての啓発を実施している。

【質問】

スポーツ関連産業の育成について

2019~2021年にかけては、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、関西ワールドマスターズゲームといった世界的に注目を集めるスポーツイベントが開催されることから、府民のスポーツ振興をさらに進めるとともに、スポーツを通じた都市魅力を発信できる絶好の機会であることを捉え、府民の健康増進のみならず府内のスポーツ関連産業の育成に至るまで、スポーツ振興に関す広範囲な分野の施策を実施することができるよう大阪府スポーツ推進計画(平成24年4月)を見直すべき。
現在のスポーツ推進計画を進めるにあたり、関係部局において施策展開しているところであるが、それぞれから取り組みについて述べよ。
また、スポーツ推進計画には位置づけられていないが、大阪の中小企業においては、スポーツに欠かせない器具や装具をはじめスポーツ関連産業に参入する好機と捉え、府内のスポーツ関連産業の育成に取り組むなど、スポーツ振興に関する施策を実施すべきと考えるがどうか。

【商工労働部長答弁】

  • ○大阪には、高い技術や優れた製品を持つ中小企業が多数集積しており、スポーツ関連産業分野についても関連企業が協同組合をつくり企業間連携を図るなど、業界の振興を図っている。
  • ○府内の優れた中小企業の特色や強みをスポーツ関連産業へ活かすことは、大阪産業の発展につながるものであり、今後とも、府立産業技術総合研究所、商工会・商工会議所や金融機関等と一層連携し、資金・経営・技術・人材面にわたるトータルサポートを実施してまいる。

【質問】

(仮称)スポーツ局の設置

府民の実感としても、現行体制では、スポーツ行政を適切かつ強力に推進していく組織としては不十分と言わざるを得ない。
これまでのスポーツ行政の縦割りを排し、スポーツ振興に関する広範囲な分野の施策を実施することができるよう、施策の一元的な運用を図るため、(仮称)「スポーツ局」を設置すべきと考えるが、府の組織に関することを所掌する総務部長の所見を聞く。

【総務部長答弁】

  • ○本府におけるスポーツ施策は、現在、府民文化部文化・スポーツ課において、「大阪府スポーツ施策推進連絡会議」を設置し、福祉部、教育庁と連携した部局横断的な体制により、取組みを進めているところ。
  • ○関係する部署・事業の一元化による新たな組織を設置すべしとのご提案については、施策推進上の課題の有無を把握した上で、現行の横断的な連携体制では課題の解決を図ることが困難であるかなどを議論することが必要。
  • ○現在は、府民文化部のスポーツ振興担当副理事が中心となって、スポーツ施策の効果的な展開に努めていると認識しているが、部局間の連携が十分に図られているかなどについて、適宜、関係部局と議論を行い、より効率的・効果的に施策推進が図られるよう努める。

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2-3.新たな教育分野(眠育)の導入

【質問】

(「眠育」についての評価と導入に向けての検討)

次に新たな教育分野の導入という観点から「眠育」についてお伺いしたい。
府内では、まだあまり知られていないので、少し説明する。
「眠育」とは、健康的・効果的な睡眠に関して医学的な観点からの知見をふまえ、睡眠の大切さを子どもたちにわかりやすくアプローチする教育的手法である。
堺市立三原台中学校では、この「眠育」について保護者とも取組むことを通じて、結果として不登校の減少にも効果をあげていると聞いている。
この取組みは、不登校や暴力行為の直接的な原因を解消するものではないが、生徒たちが早く寝ることで朝決まった時刻に起きられるようになり、生徒の睡眠が改善され、基本的な生活習慣の定着につながると考えている。
私はこの取組みを、府内にも是非広く普及してもらいたいと思うが、教育長の見解は如何。

【教育長答弁】

  • ○子どもたちの健やかな成長を支えるためには、その実態を踏まえた教育活動が必要であり、各学校においては、家庭訪問等を通じて把握した児童生徒の課題に応じて、きめ細かな指導に努めてきたところ。
    お示しの基本的生活習慣の定着に向けては、特に、家庭と学校との連携が必要と認識している。
  • ○また、国は基本的生活習慣の確立に向けて、地域一丸となった活動が重要であるとして、「早寝、早起き、朝ごはん」国民運動を展開している。
    府においても学校、家庭、地域が連携し、例えば「早起きがんばりカード」等により子どもの生活状況を把握したり、「学校だより」等を活用した保護者への生活リズム確立に向けた啓発活動に取組むなど、各地域で実情に応じた取組みを進めている。
  • ○議員お示しの中学校での取組みについては、堺市が、睡眠指導を軸とした生活リズムの確立に向けて、どのように活用するか、検討を進めていると聞いている。
    府教育庁としても、まずは、当該中学校の実践や堺市での検討状況等を詳細に把握した上で、好事例について、様々な機会を通じて、市町村へ情報提供してまいりたい。

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3-1.違法民泊

【質問】

(違法民泊について)

大阪府では本年4月より国家戦略特区における「外国人滞在施設経営事業」いわゆる特区民泊が導入されたが、認定件数が4件となっている。また、旅館業法に基づく簡易宿所の面積基準が緩和されるなど、民泊の許可取得にむけて制度が改正されているとのことだが、許可件数はさほど伸びていないと聞いている。
一方で、インターネットによる仲介サイトに掲載されている民泊は、ますます増加し府内でも数多く登録されているところであるが、その多くは許可を得ず違法状態にあるのではないかと思われる。せっかく特区民泊の導入や簡易宿所の規制緩和を行ったのに、全く意味がないものなってしまっている。
自民党議員団として、今年6月に京都市へ違法民泊に対する取り組み状況について伺うべく視察に行った。京都市の担当者に聞いたところ、民泊施設の実態を把握するため、インターネット仲介サイトからの民泊施設の検索や関連事業者等に対する意識調査を実施したとのことであった。また、調査結果を受けて、違法民泊の立入調査や仲介サイト運営事業者に対し施設情報の提供要請、民泊通報・相談窓口を設置するなど、違法民泊対策に積極的に取り組んでおられることが分かった。大阪府ではこのような京都市の取り組み状況を把握しているのか。また、大阪府においては違法民泊に対しどのような取り組みを行っているのか、健康医療部長に伺う。

【健康医療部長答弁】

  • ○違法民泊への取り組み状況については、京都市と京都府にもお伺いしている。
  • ○違法民泊については、本府は京都市と同様に、インターネット仲介サイトの検索や府民からの通報等により情報を収集している。
    れらの情報をもとに、府保健所職員が直接現地へ訪問し、場所の特定に努めており、所在地を把握できた施設に対しては速やかに立入調査を実施し、すでに営業をやめさせたものも20件程度ある。

【質問】

(違法民泊について)

京都市の取り組みはマスコミ等でも大きく取り上げられたところであり、違法民泊の抑止力にもなっていると思う。府においても京都市のように窓口の一元化や積極的なPRが必要ではないか。京都市の取り組みを参考にして、大阪府でも積極的に取り組んでいくことが必要であると考えるが、健康医療部長に所見を伺う。

【健康医療部長答弁】

  • ○京都市における民泊の相談・通報等の一元的な窓口対応については、本府では環境衛生課と保健所で、府民や市町村からの通報・相談を受けて対応している。
  • ○また、府内で宿泊施設が集中している大阪市と、違法民泊の情報収集や調査手法などについて意見交換を行ってきたところであるが、今後とも、京都府・市の取り組みを参考に、大阪市と連携を密にして、効果的な違法民泊対策について検討してまいる。

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3-2.副首都推進本部会議の役割

【質問】

(副首都推進本部会議の役割①)

昨年12月に副首都推進本部が設置され、副首都化に向けた議論を進めておられるようですが、何を目指そうとされているのか、いまだ見えてきません。
そこで、副首都推進局長にお尋ねしますが、まず、「首都」とは何ですか?

【副首都推進局長答弁】

  • ○わが国において、「首都」そのものに対する法的な定義はなく、首都の要件は明確ではない。
  • ○国によって首都の態様もさまざまであるが、一般的には「首都」とは「その国の中央政府のある都市」とされている。

【質問】

(副首都推進本部会議の役割②)

では、副首都推進本部会議では、「首都」をどうとらえて、「副首都」の議論が進められているのでしょうか?
副首都推進局長にお尋ねします。

【副首都推進局長答弁】

  • ○わが国の首都である東京では、政治や行政、経済、金融、都市インフラ等が集積しており、副首都推進本部会議で整理した中間整理案では、こうした東京一極集中が続くわが国の現状を踏まえ、
    ・国全体の成長をけん引する国際競争力を持つ複数の拠点都市の創出や、
    ・首都直下型地震など想定外の大災害にも対応しうる国土の強靭化、
    ・地域の自己決定・自己責任に基づく分権型の仕組みへの転換 を、
    わが国における副首都の必要性として整理している。
  • ○その上で、東西二極の一極として、東京とともにわが国の成長をけん引し、非常時には首都機能のバックアップを図る「副首都・大阪」の確立を目指すこととしている。

【質問】

(副首都推進本部会議の役割③)

それでは、「副首都・大阪」とは、具体的にどのような都市をイメージされているのでしょうか?副首都に求められる機能とは、何でしょうか。
あわせて、そのエリアについてはどう考えているのでしょうか?
大阪府域なのか、大阪市域なのか、それともまったく違うエリアなのか、副首都推進局長にお尋ねします。

【副首都推進局長答弁】

  • ○中間整理案においては、副首都・大阪は、「西日本の首都」「首都機能のバックアップ」「アジアの主要都市」「民の力を活かす民都」といった役割を果たす都市として整理したところ。
  • ○こうした役割を果たす上で、大阪は既に一定のポテンシャルを有しているが、ハード・ソフトの両面において機能の充実に向けた取組みを進め、他の大都市より副首都に必要な機能が充実していること、非常時には首都の機能を担う能力もあることを明らかにするとしている。
  • ○そのうえで副首都に必要な機能面での取組みとしては、
    ・ハード面では、空港・港湾等の都市インフラの充実、消防・防災対策等の基盤的な公共機能の高度化 など
    ・ソフト面では、規制改革や特区による環境整備、産業支援・研究開発体制の充実、人材育成環境の充実、文化創造・情報発信の基盤形成 など
    を掲げているところ。
  • ○また、副首都のエリアについて、「副首都・大阪」の確立に向けては、大阪府域において、副首都にふさわしい都市機能の強化を図ることが不可欠であり、さらには、「副首都圏」として、京阪神や関西圏までも視野に入れた取組みも進めていく必要があると考えている。

【質問】

(副首都推進本部会議の役割④)

8月末から大阪市民を対象にした、新たな大都市制度の住民説明会が実施されていますが、ここでは、大阪市の総合区制度を中心に説明されているとのことです。
ではなぜ、副首都化のために、大阪市の総合区制度が必要なのでしょうか。
副首都に総合区が、どう関係あるのか、また、現状の府市制度では、副首都を目指すことができないのか。

副首都推進局長にお伺いします。

【副首都推進局長答弁】

  • ○大阪には、長期低落傾向にある経済や人口減少・超高齢社会の到来などの課題、また、大都市が抱える住民自治の拡充や二重行政の解消といった課題があり、それらを解決し、大阪が成長・発展を遂げるには、成長を担う「広域機能」と住民の生活を支える「基礎自治機能」の双方の充実が必要と認識している。
  • ○そのため、副首都大阪の確立をめざし、副首都にふさわしい都市機能の強化を図るとともに、それを支える土台としての行政機構はどうあるべきかについて検討しているところ。
  • ○大阪の発展・豊かな住民生活の実現を図るためには、現行制度にとどまらず、大都市制度がどうあるべきか、しっかり検討していくことが必要と認識。このため、その選択肢である総合区制度及び特別区制度について、並行して検討していくこととしている。

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4-1.当面の財政運営の取組み

【質問】

27年度の決算では、30億円の財政調整基金を取り崩しながら、取崩額を超える54億円の決算剰余金が生じている。
財政調整基金の取崩し30億円は必要なかったのではないか。

【財務部長答弁】

  • ○財政調整基金の取崩額については、出納整理期間の5月中に判断する必要があり、その時点では赤字となるおそれがあったため、30億円を取り崩した。

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4-2.私学助成制度の効果検証

【質問】

先の2月議会においても指摘したが、財政運営が厳しい中、毎年200億もの公費を投入していることに対する効果検証が不十分である。
私学授業料無償化を導入したそもそもの目的は、公立私立が同じ土俵で切磋琢磨することにより、大阪の学力・教育力を向上させることだと理解しているがどうか。

【答弁】

  • ○私立高校生に対する授業料無償化制度は、大阪の子どもたちが、中学校卒業時の進路選択段階で、家庭の経済的理由にかかわらず、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を保障するとともに、このことを通じて学校間の切磋琢磨を促し、大阪の教育力の向上を図ろうとするもの。

【質問】

私学授業料無償化を導入したことにより、大阪の学力・教育力は向上したのか。具体的・客観的なデータで説明されたい。

【答弁】

  • ○授業料無償化制度の導入以降、私立高校に入学する生徒の割合が高まるとともに、私学に進学する生徒の所得階層も、中低所得者の割合が増加するなど、自由な学校選択の機会の保障に大きく寄与している。
  • ○学力、教育力の面においても、中退率の減少や、大学への進学率の増加など施策効果が上がっている。
  • ○また、毎年、効果検証の一環として、私立高校に通う生徒の保護者に対して、アンケート調査を行っており、満足度は8割を超えている。
    さらに、本年8月に新たに実施した制度の対象となる私立高校に対するアンケート調査でも、制度導入後において、卒業後の進路に明確な目標を持っている生徒の割合や自ら進んで学習する生徒の割合が増加しているとした学校が8割以上となるなど、生徒の学びへの意欲が感じられる。
    また、学力について、目標値を達成する生徒の割合が増加しているとした学校の割合が約8割となるなど、本制度が生徒の学力向上に寄与しているものと考えている。

【質問】

私学助成制度の効果については、公立高校とも比較し、本当に切磋琢磨が行われているのか、公平・公正に競い合い、生徒の学力向上に寄与しているのかという観点からも検証すべきと考えるがどうか。

【答弁】

  • ○授業料無償化制度の導入に伴い、家庭の経済状況が厳しい生徒が、教育内容等により、自由に学校選択を行うことが可能となった。このような状況が、公私の切磋琢磨を促し、大阪の教育力の向上に繋がっていると考えている。
  • ○また、先ほどもお答えしましたとおり、保護者対するアンケート調査においても満足度が高く、学校への調査においても、生徒の学びの意欲が感じられる割合や、学力について目標値を達成する生徒の割合が増加した学校が多くある。
  • ○効果検証については、これまでも、毎年度、大阪府教育評価審議会において、公私ともに教育振興基本計画の進捗について点検及び評価行っているところであり、今後とも、審議会委員のご意見などもいただきながら、実施してまいる。

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4-3.庁舎問題への対応

【質問】

(庁舎問題への対応(咲洲庁舎の利活用・一本化))

本年1月22日に我が会派が咲洲庁舎へのホテル誘致を提言したが、知事は「非常に厳しい」と否定した。それが誘致に変わったのは、なぜか。どのような状況の変化があったのか。

【知事答弁】

  • ○ご提言の「咲洲庁舎へのホテル誘致」については、フロアの改修費用が経営判断の大きなポイントであり、事業者によっては厳しいとする意見もあったことから、「非常に厳しい」と発言したもの。
  • ○ただ、あらゆる可能性を追求する姿勢に変わりはなく、現在、公募開始に先立って、ホテルを含めた多様な事業者ニーズに対応できるよう、咲洲地区の用途制限を緩和する取組みを大阪市と進めており、今後とも、空スペースの活用促進に向け、全力をあげて取り組んでいく。

【質問】

(以上のように)咲洲庁舎は地震対策や空室問題など深刻な課題を抱えている状況であるが、現在のように庁舎が2つもある状態では本腰を入れての対応は困難と考える。庁舎の一本化を真剣に検討すべきと考えるがどうか。

【知事答弁】

  • ○多額の公金を投入して建設され、府が購入した貴重な府民の財産であることから、まずは咲洲庁舎の安全対策と空きスペース対策に最優先で取り組むことが所有者として当然の責務であり、当面、咲洲庁舎の売却や部局の集約を行う状況ではない。
  • ○なお、本庁舎が二つあることに関しては、今後、中長期的に、大手前・咲洲の部局配置にかかる課題の点検を行っていく。

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4-4.2025大阪万博

【質問】

大阪府では、2025年の国際博覧会誘致に向け、基本構想検討会議を設置し、基本構想の策定に向けた検討を行うなど取組を進めている。
まずは、大阪万博誘致に向けた取組状況について、政策企画部長に伺う。

【政策企画部長答弁】

  • ○仮に本年10月にフランスからBIE(博覧会国際事務局)への立候補がなされた場合、6か月後の来年4月には開催希望通告の受付が締め切られることとなる。
  • ○この期間内に政府として立候補するためには、府の策定した基本構想を基に、国による検討を経て、年度内に閣議決定をいただく必要があり、10月末を目途に府としての構想をとりまとめ、国への提出をめざす。
  • ○万博誘致を実現するためには、あわせて、地元での開催に向けた機運を高めることが重要。できるだけ早期に官民共同の誘致組織を設置し、府のみならず、経済界、関西各府県市と協力しながら、関西全体での機運醸成を図っていきたい。

【質問】

様々な検討は進められているものの、最大の課題は多額の経費面。
まずは、過去の万博、2005年に開催された愛知万博の会場建設費・運営費の総額と、費用負担者はどうなっていたのか。また、結果として、運営費については、当初の目標通りの収支となったのか。政策企画部長に伺う。

【政策企画部長答弁】

  • ○愛知万博の公式記録によると、実績ベースで、
    ・テーマ館などの建設費を含む会場建設費は1453億円
    ・運営費は632億円
    となっている。
  • ○費用負担としては、会場建設費は国・地元の自治体・全国を含む経済界がそれぞれ1/3ずつを負担。
  • ○運営費については、入場料の収入、営業施設使用料、駐車場収入、広告収入などにより負担しており、収支結果としては、約100億円の黒字となっている。

【質問】

費用負担について、参考となる「愛知万博」では、会場建設費については、国・地方・経済界が1/3ずつの負担をしたとのこと。先日、示された基本構想素案の中では、会場整備に係る建設・整備経費の概算額が、1200~1300億円程度と試算されているが、現時点において、経済界から負担していただける見通しはあるのか。
同様に、素案では、運営費としても740億円程度を要するとされており、それは、来場者として見込んでいる3000万人の来場者収入などの財源でまかなうとされている。来場者3000万人が実現できなければ、捻出不可能になるのではないのか。政策企画部長に伺う。

【政策企画部長答弁】

  • ○素案でお示しした通り、事業費については、会場建設費が1200億円~1300億円、運営費が690億円~740億円と見込んでいる。
  • ○まず、会場整備費については、経済界にも応分の負担をお願いしたいと考えている。これまでの働きかけにより、万博開催の意義や理念については、共通認識ができつつあるが、負担のあり方については、企業が投資しやすい方法を考えてほしいといったご意見をいただいており、素案では、「従来のいわゆる奉加帳方式での資金獲得手法ではなく、新たな発想、手法による民間資金の積極的な活用を模索する」と記載したところ。これを踏まえ、応分の費用負担について合意いただけるよう、引き続き協力を求めていく。
  • ○次に、運営費については、入場料収入等で賄うものと考えている。入場料収入は、入場者の増減によって変動するが、想定の3000万人は、愛知万博等の実績や、近年の訪日外国人数の増加傾向からすると、達成できるものと考える。仮に、入場者が3000万人に届かなかった場合でも、運営費は、営業施設使用料、広告料なども含めた様々な収入で賄われるものであり、対応は可能と考えている。

【質問】

会場候補地として考えられている夢洲の場合、新聞報道では、埋立ての追加費用が必要とのこと。また、夢洲の場合は鉄道アクセスとして中央線の延伸が挙がっているが、その整備のためには500億円以上のコストが必要とのこと。これらの費用負担についてはどう検討されているのか。政策企画部長に伺う。

【政策企画部長答弁】

  • ○素案では、ご質問の埋立てや鉄道整備等に関する経費を「関連経費」として記載。これらの経費には、たとえ万博が開催されなくとも、夢洲のまちづくりのために必要なものが含まれており、誰がどのように負担するのかについて調整が必要なもの。
  • ○埋立てについては、今後のIR事業の動向にもよるが、夢洲で万博に必要な面積約100haを確保するために、最大約30haの埋立てを行うための追加費用約50億円を見込んでいる。
  • ○鉄道整備については、来場者を円滑に輸送するための中央線の延伸や輸送力の増強などに約640億円を見込んでいる。
  • ○今後、その内容や事業費について精査を行うとともに、万博の事業として実施するものか、夢洲まちづくり事業として実施するものかを見極めるなど、経費負担のあり方についても検討を進めていく。

【質問】

万博の開催経費としては他にもある。例えば、開催地決定は国際機関であるBIE(博覧会国際事務局)総会において、加盟国の投票で決まるもの。フランス・パリなど他都市が立候補すれば、その投票に勝ち抜かなければならない。そのためには海外諸国への誘致活動、いわゆるロビー活動が必要であると聞く。それは誰が行い、そのための費用負担はどうなっているのか。

【政策企画部長答弁】

  • ○BIE申請後の加盟国などへの誘致活動については、国において対応するものと、官民で構成する誘致組織が担うものとを整理する必要があると考えている。今後、具体的にどのような体制、費用負担で実施するか、国や経済界などと調整していく。
  • ○なお、愛知万博の際は、県・市・経済界・企業等で構成される誘致委員気合が組織され、開催決定の4年前から活動を開始。その間、海外向けの誘致活動費の予算は、合計4億円。その負担割合は、県・市・経済界等で概ね2:1:1と聞いている。

【再質問】

夢洲にメガソーラー施設が設置され、「大阪ひかりの森プロジェクト」として太陽光発電事業が実施されている場所がある。これを、万博用地として活用するため、施設を移転・撤去するという動きがあると聞いているが、次の点について伺う。
① 太陽光発電事業の実施主体など、現状はどのようなものか。
② この用地を活用する場合、どのように活用する予定か。
③ この用地を万博で活用する可能性があるという話は、先月21日の夢洲についての府市技術検討会後に知事・市長が報道機関に明らかにした。事業者にはいつの時点で情報が伝えらえていたのか。また、このような話は、あらかじめ事業者に伝えておく必要があると考えるがどうか。

【政策企画部長答弁】

  • ○ご質問の「大阪ひかりの森プロジェクト」は、大阪市において実施されている。
  • ○まず、太陽光発電事業については、住友商事株式会社など3社が主体となって平成25年11月に発電を開始。発電規模は10メガワット。20年間の事業として実施していると聞いている。
  • ○次に、この用地の活用方向についてであるが、当該用地が廃棄物で埋め立てられた土地であることから、素案においては、公園・緑地や、イベント広場等の自然ゾーンとして活用するイメージをお示ししているところ。
  • ○3点目の事業者への情報伝達については、先月21日の府市技術検討会後に大阪市からお伝えしたとのこと。今後は、検討の進捗状況を踏まえ、大阪市から事業者にしっかりと情報提供、協議を行う旨を説明し、事業者からも了承を得られたと聞いている。

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5-1.麻しんの集団感染

【質問】

(麻しんの集団感染について)

8月17日に、関西空港内にある事業所の従業員が麻しんで入院中との報告が、当該医療機関を管轄する和歌山市から大阪府にあり、30日時点で同じ関西空港内の事業所の患者が16人判明したことを受けて、31日に集団発生事例として報道発表が行われた。
その後、今回の集団感染との関連性は不明であるが、関空利用者や医療従事者、救急隊員、関西空港対岸にあるりんくうプレミアム・アウトレットとその周辺施設の利用者など、次々に患者が判明し、府民の不安が広まっている。
大阪府では、この集団感染を受けて、これまでどのような対策を講じてきたのか。

【健康医療部長答弁】

  • ○8月17日に、和歌山市保健所から初発患者の報告を受け、接触者214人の健康観察を開始し、あわせて関西空港内の事業所への指導や府内の医療機関に対し広域的発生の情報提供及び疑い患者の対応について通知した。
  • ○また、9月7日には、近畿府県の感染症担当課や保健所を対象に、国立感染症研究所の専門家も招いて情報共有を図り、12日には、地元の泉州地域の市町保健センターを対象に、定期接種を確実に実施するよう説明会を開催した。さらに、15日には府の感染症に関する審議会の部会を開催して専門家の意見を伺い、今後の対応策等について検討した。
  • ○府民への情報提供としては、本府ホームページのトップページから、直接、麻しんに関する情報を入手できるようにするとともに、集団発生と判断した時点から報道提供を行った。
  • ○関西空港内の事業所については、ワクチン接種が必要な従業員に対して、順次接種を行った。
  • ○最終的に、9月29日に集団発生の終息を発表した。

【質問】

(麻しんの集団感染について)

これまで麻しん(はしか)は、主に小児が罹るものであるとの認識が一般的であった。しかし、今回の事案は、平成27年に世界保健機関(WHO)から、日本が「排除状態」の認定を受けて以降、成人世代が集団感染するという、新たな事案だと聞いている。大阪府は、この事案を教訓として、今後どのように対策を講じていくのか。

【健康医療部長答弁】

  • ○海外との接点である国際空港内の事業所に対しては、従業員の入社時における予防接種歴の確認や、ワクチン接種の勧奨などを徹底するよう、積極的に働きかけていくとともに、国に海外感染症と接する国際空港特有の課題に対応するためのガイドライン策定を求めている。
  • ○また、定期接種の確実な実施について、国にワクチンの安定供給を要望しているところ。
  • ○さらに、府民や事業所に対しては、予防接種や、麻しんが疑われた際の外出自粛や就業自粛など、その重要性をしっかり認識していただけるよう、啓発について工夫を凝らしていく。

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5-2.公衛研・環科研の統合

【質問】

(感染症など健康危機事象発生時の検査体制の確保)

今回、はしかの感染が拡大したが、健康危機事象が発生した場合、現在、直営で知事から公衛研に指示や依頼しているのと同じように、地方独立行政法人化しても検査体制を本当に確保できるのか。

【健康医療部長答弁】

  • ○本定例会に提出している大阪健康安全基盤研究所の中期目標案において、健康危機事象が発生した際、必要な業務に関して知事、市長から具体的に指示を行うこと、平時においても予め備えを行うことをしっかりと明示した。
  • ○また、これらの実効性を確保するため、新法人が作成する業務方法書への明記や、健康危機事象の発生を想定した府市と新法人の間における個別協定書の締結等、万全の体制を整備する予定。

【質問】

(検査結果に誤りが生じた場合の責任の所在)

地独法人化した場合、府市からの依頼を受けて法人が検査を実施することになる。仮の話だが、万一検査結果に誤りがあり、それが原因で知事や市長の行政権限行使に影響を及ぼすようなことが起これば、誰が責任を持つようになるのか。

【健康医療部長答弁】

  • ○誤りの内容等によって個別ケースの判断となり、一律に申し上げることはできないが、法人が実施した検査に誤りがあれば、一義的には、法人理事長等の役員の責任となる。
  • ○また、誤った検査結果に基づき行政処分を行った場合は、処分権者の側に責任があると考えられる。

【質問】

(直営である都衛研、地方独立行政法人化する府市研究所の違い)

東京都では、東京都健康安全研究センター以外の研究所等の施設は地方独立行政法人化したが、地方衛生研究所は直営で残した、と伺った。
公衛研、環科研は、統合・地方独立行政法人化、ということだが、改めて、なぜ直営ではダメなのか、伺いたい。

【健康医療部長答弁】

  • ○地方独立行政法人化することにより、年度をまたがった予算執行や、高度な専門性を有する法人の判断により時宜にかなった専門的な人材の確保が容易になるなど、弾力的な運営が可能となる。
  • ○また、新研究所では、府内で大規模な感染症、食中毒等が発生した際に、区域を越えた広域的、統一的な対応が容易になるなど、府域全体のセーフティネットを高めることが可能となる。

【質問】

(施設のあり方検討 整備費用)

旧健康科学センタービルの敷地内で一元化施設を整備していく、ということだが、費用はいくらかかるのか。

【健康医療部長答弁】

  • ○新研究所の整備工事費については、外部の建設コンサルタント業者の知見を活用した試算によると、超概算で86億円から113億円との結果が得られたところ。

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5-3.福祉3センターの移転集約

【質問】

(福祉3センター移転集約について)

福祉関係団体が入居し、府の重要な事業を実施している福祉3センター移転集約については、4年前の健康福祉常任委員会の我が会派の質問に対して、知事から「早期の施設整備を約束しており、任期の中できちっと結果を出す。」との答弁があった。今議会に森之宮地区での施設新築に向けた基本計画の策定に係る予算案が提出されているが、「大阪がん循環器病予防センター」への移転はどうなったのか。

【福祉部長答弁】

  • ○福祉3センターの移転集約については、当事者団体の意見を十分にお聞きし、アクセス面を最重要視して、森之宮地区へ移転集約する方針を平成25年に決定した。その上で、同地区内の「大阪がん循環器病予防センター」の建物への入居を前提とした検討を進めてきたが、その後、同センターへの移転の可能性がなくなった。
  • ○このため、この度改めてコスト面やスケジュール面等について検討した結果として、同地区での施設設置の方向性が決定したため、基本計画策定に係る予算案を提出させていただいているので、ご審議のほどよろしくお願い申し上げる。

【質問】

(福祉3センター移転集約について)

今後、森之宮地区での施設新築に向けて、基本計画の策定をしていきたいとのことであるが、府の施設である以上、当然ながら、施設の立地する近隣住民の皆さまに受け入れられるものとなるように、住民の皆さまの声を丁寧に聞いていくべきと考えるが、どうか。

【福祉部長答弁】

  • ○福祉3センターの移転集約については、耐震化の必要性からも、スピード感を持った検討や調整が、非常に重要なものになっていると認識。その一方で、とりわけ、施設を設置することとなる予定の森之宮地区の近隣住民の皆さまの声をしっかりとお聞きすることも重要。
  • ○現在、福祉関連の情報発信やコミュニケーション支援の拠点としての役割を担っている3つのセンターが集約されるメリットを活かして、地域や府民に開かれ、住民の皆さまに受け入れていただける施設となるよう、丁寧に検討や調整を進めていきたい。

5-4.難病センターの早期設置 ※要望

【要望】

いわゆる福祉3センターの移転集約の方針が、大きく変更され、新たに、森ノ宮地区に新設されることとなったことを受け、急きょ、私たち会派は、全国の都道府県で唯一、北海道にだけ設置されている「北海道難病センター」を視察し、その必要性について認識を新たにしました。

難病・慢性疾患患者の支援については、医療的な支援はもちろんのこと、難病患者の心のよりどころとなり、また、交流・学習等の場となる拠点施設としての「難病センター」の整備が必要であります。

大阪府議会においても、難病センターの早期設置について、平成12年9月定例会において請願が採択されていますが、16年余りが経過した現状において、未だに何ら進展が見られない状況です。

難病・慢性疾患患者の皆様の切なる願いをこれ以上放置することなく、速やかに、難病センターの早期設置について、着手するとともに、設置にあたっては、新設されることとなった福祉3センターとの合築を視野に検討を進められるよう、難病センターの所管部局である健康医療部みずからが、その実現に向けて全力で取り組まれることを強く求めておきます。

5-5.府大・市大の統合

【質問】

(1法人1大学について)

大阪府立大学の第3期中期目標の案では、大阪市立大学との統合に関して、「法人統合から大学統合に至る準備が円滑に進むよう取り組み、今中期目標期間中を目途に新大学の実現を図る」と記載している。
これは、1法人1大学を目指して進めていくということで、間違いないか。はじめに府民文化部長に確認しておく。

【府民文化部長答弁】

  • ○府立大学と市立大学の統合については、本年4月の第3回副首都推進本部会議において、大学統合に向けた検討体制や進め方について協議が行われた。
  • ○統合の進め方としては、まず法人を統合して、その後大学統合することを軸に検討を進めていくことが確認されたところであり、最終的に1法人1大学を目指して検討しているところ。

【質問】

(1法人2大学について)

我が会派としては、1法人2大学がいいと思っているが、そういう考えはないのか。1法人2大学でいくという案を検討するつもりはないか。
なぜ今の時点で、大学までを一つにすることを決めて突っ走るのか。
例えば、阪急阪神ホールディングスでは、持ち株会社方式で、阪急電鉄や阪神電鉄のそれぞれの社名・ブランドは残しながら、経営を統合している。このような選択肢もあるのではないか。
今の時点で一大学までを決めてしまう必要は全くない。将来、法人統合後に議論、検討されるべきであり、それまでは2大学が並存して、それぞれの強みを活かしながら、切磋琢磨していくべきと考えるがどうか。

【府民文化部長答弁】

  • ○平成27年2月に府立大学と市立大学がとりまとめた『「新・公立大学」大阪モデル(基本構想)』には、両大学の統合によって有するリソースを最大限に活用することにより、教育力、研究力及び地域貢献力の向上が図られる、との考え方が示されている。
  • ○この基本構想を踏まえ、教育・研究面での質の向上や新分野への展開、国際競争力の向上を図るためには、経営の統合だけでなく、両大学の統合により、スケールメリットや相乗効果を発揮できる新大学の実現(1法人1大学)を目指す必要があると考えている。
  • ○まずは法人統合し、新法人による運営体制を整えた上で、その後大学統合することを軸に検討を進めてまいる。

5-6.産技研・市工研の統合

【質問】

(施設の併存活用)

我が会派では、本年1月に産技研と市工研を視察し、現場の声を聴いた。その際、両研究所は、得意とする支援分野や支援機能が異なるし、また、それに応じた特色のある機器を整備しており、それぞれが強みを有していることが分かった。
統合に当たっては、この両研究所の強みは残していくべきである。これまで利用いただいている企業の利便性を低下させないためにも、現在の産技研と市工研の二つの施設は維持すべきと考えるが、改めて所見を伺う。

【答弁】

  • ○統合後の施設については、
    ・両施設に総合相談窓口を設置し、どちらからでも技術相談や試験依頼等ができるようにすることにより、利用企業の利便性が向上すること、
    ・両施設には目的や機能の異なる機器等が設置されており、それらを有効活用できること、
    ・利用企業から、施設の場所や機器等については現状を維持してほしいとの声が寄せられていることから、
    統合後も現在の府立産業技術総合研究所と市立工業研究所の二つの施設を併存活用することとしている。

【質問】

(施設集約の場合の議会の関与)

両施設は併存活用するとのことだが、将来、どのような状況変化が生じるか分からない。仮に、将来、どちらか一方の施設を廃止し一つの施設に集約しようとした場合、法人の判断のみで廃止することは可能なのか、それとも議会の議決を要するのか、確認しておく。

【答弁】

  • ○仮に一方の施設を廃止する場合は、法人の定款の一部を変更する必要があると考えられることから、地方独立行政法人法の規定により、設立団体の議会の議決を経なければならない。

【質問】

(府市の財政的責任)

次に、統合法人の財政運営について問う。
統合法人の設立団体は府市二団体とするとのことだが、その場合、府市双方から運営費交付金を交付することとなる。ちなみに、今年度の予算ベースで見ると、府から産技研には約19億4千万円、市から市工研には約12億1千万円の運営費交付金が交付されている。
統合法人が安定した運営を行っていくためには、引き続き府市がしっかり財源措置を行っていく必要があるのは言うまでもないが、将来、この運営費交付金をめぐって府市で意見が食い違い、法人の運営に支障が生じる事態を招かないとも限らない。そのような事態になったときに困るのは法人であり、利用する企業である。
設立団体が二団体であるからこそ、将来にわたる府市の財政的責任の考え方を明確にしておくべきと考えるが、所見如何。

【答弁】

  • ○統合法人が企業支援機能の強化を図り、大阪産業を牽引できる研究所として発展していくためには、安定的な財政運営が不可欠と認識。
  • ○このため、タスクフォースにおいて、運営費交付金の府市の負担のあり方について取り決め、報告書に取りまとめたところ。
  • ○主な内容は、
    ・運営費交付金の負担割合は、現在の産技研の運営に要する経費は府が負担し、現在の市工研の運営に要する経費は市が負担する、
    ・両研究所の共通経費に係る運営費交付金は、その内容に応じ、府市で均等又は応分の負担割合とする、
    というもの。
  • ○法人の業務運営に支障が生じないよう、必要な財源措置を行い、法人運営を府市双方でしっかり支えていく。

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