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府議会の報告

平成28年9月定例議会 一般質問

平成28年12月15日
しかた 松男 議員

目次

1.大阪城・周辺エリアのまちづくりについて

【質問】

まず初めにグランドデザイン・大阪の大阪城・周辺エリアについて伺います。
スライド資料①をご覧ください。 このエリアには、府内最大級のみどりの大阪城公園を中心に、ビジネス機能が集積する大阪ビジネスパーク、大阪有数の乗降客がある京橋駅、そして、大規模な土地利用の転換が見込める大阪城東部地区などがあります。
このうち、大阪城東部地区は、その大半が私の地元の城東区であり、人口密度が市内の行政区で一番高く、約17万人もの人が暮らしております。
地元の方々は、鉄道施設やごみ焼却場跡などといった広大な敷地があるこの地区について、いろいろな期待を持っており、例えば、若者世帯が住むマンションや、商業施設、また、青少年の育成・住民の健康づくりのために、総合スポーツコミュニティ施設を作ってはどうかという提案もなされております。
スライド資料②、スライド資料③をご覧ください。現地の写真です。
このような、住民の様々な声がある中で、大阪府としては、大阪市とともに「まちづくりの方向性(素案)」の成案化に向け、スピード感を持って取り組んで欲しいが如何でしょうか。
また、このエリア全体のまちづくりにあたりましては、エリア内だけのまちづくりにこだわらず、周辺エリアまでの拡がりをもった取組みが重要だと思います。
例えば第二寝屋川は、大川となって中之島エリアにつながる。また、上町筋は、大阪城公園・難波宮跡から天王寺エリアに至る。このように大阪城・周辺エリアは他のエリアとのつながりによって、より魅力ある都市空間になるものと考えます。
大阪府としては、大阪市と協力しながら、大阪城・周辺エリアをより大きく捉えて、他のエリアへの拡がりのある都市空間の創造を進めるべきと考えますが、どのように取り組むのか、併せて住宅まちづくり部長に伺います。

【住宅まちづくり部長答弁】

大阪城・周辺エリアは、「グランドデザイン・大阪」において、大阪が、住み、働き、学び、楽しむ、圧倒的な魅力を持つ都市空間となるための象徴的なエリアのひとつ。
とりわけ、大阪城東部地区については、本年7月に「多世代・多様な人が集い、交流をはぐくむまち」をコンセプトとしたまちづくりの方向性(素案)を大阪府・大阪市でとりまとめたところであり、今後、地元や民間事業者等、各方面からのご提案なども参考にしながら、成案化に向けた取組を、大阪市とともに進めていく。
また、他の象徴的エリアへの拡がりを持った取組については、大阪城公園と大阪ビジネスパークの間を流れる第二寝屋川は、大川を通じて天満橋から「中之島・周辺エリア」、さらにベイエリアにつながるため、舟運の活性化を契機とした歩行者ネットワークの完成に向け、検討を進めていく。
また、大阪城から南に伸び、「なんば・天王寺・あべのエリア」につながる上町筋では、現在、都市計画道路の拡幅にあわせた新たな歩道整備などが進められており、今後は、桜街道のようなみどり豊かな歩行者空間を、検討していく。 今後とも、大阪府としては、東西二極の一極を担う大阪の都市空間創造をめざし、「グランドデザイン・大阪」の実現に向け、大阪市とともに、スピード感を持って進めてまいりたい。

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2.まちのバリアフリー情報の提供について

【質問】

(府におけるまちのバリアフリー情報提供に関する取組みついて)

次に「まちのバリアフリー情報の提供」について質問します。
先日の新聞記事で、地下街が取り上げられており、「大阪は東京に比べて、エレベーターなどのバリアフリー設備が整っているものの、車いすやベビーカー等で設備を利用したい人にとって設置場所がわからなければ『宝の持ち腐れ』になってしまう」、「高齢者や障がい者が外出する際には、事前に分かりやすいバリアフリー情報を入手できることが重要である」といったことが報じられておりました。
大阪の梅田にある「ディアモール大阪」や「ホワイティうめだ」などの地下街は、JR、私鉄、地下鉄の7つの駅や、多くのオフィスビル、商業ビルとも網の目のように結ばれており、日本最大級の規模となっております。
大阪には他にも「クリスタ長堀」や「なんばウォーク」などの大規模な地下街もあり、大阪はまさに“地下街王国”と言ってもいいくらいの都市であります。
大阪府では、「グランドデザイン・大阪」や「グランドデザイン・大阪都市圏」の中で、「ストックを活かし、「人」中心の定住魅力のある都市空間の創造」をそのメインテーマに掲げており、少子高齢化社会に対応したまちづくりに取り組もうとする姿勢は高く評価しますが、今後、現在あるストックを活用し、「宝の持ち腐れ」とならないよう、大阪のまちを、高齢者や障がい者等はもとより、誰もが移動しやすいようにするため、「まちのバリアフリー情報の提供」についてどのように進めていくのか。福祉のまちづくりを所管する住宅まちづくり部長に伺います。

【住宅まちづくり部長答弁】

「人」中心の都市空間の創造をめざす「グランドデザイン・大阪」、「グランドデザイン・大阪都市圏」を実現するためには、大阪府が福祉のまちづくり政策として、全国に先駆けて条例を制定し、20年以上にわたり整備を進めてきた、バリアフリー設備のストックを有効に活用することが重要であり、「宝の持ち腐れ」とならないよう、鉄道駅や商業施設、医療施設等のバリアフリー情報を府民に適切に提供する必要がある。
大阪府としては、市町村に対し「バリアフリー基本構想」の点検・見直しを行い、バリアフリー情報の提供を明確に位置づけるとともに、駅施設とその周辺地域については「バリアフリーマップ」を作成するよう、強く働きかけてまいる。
また、大阪府自ら広域的な観点から、大阪府のホームページ上で、府内全域の鉄道駅・地下街や市町村が作成している「バリアフリーマップ」などのバリアフリー情報を来年3月をめどに提供できるよう、スピード感を持って取り組む。

【要望】

いま答弁をお聞きし、大阪府自らもバリアフリー情報の提供に取り組まれるとのこと、是非ともよろしくお願いします。
私は、さらによりよいものにするために、バリアフリー情報の提供を行っている民間事業者と協力することも必要ではないかとも考えております。
府民や大阪のまちを訪れる多くの方々にとって、まちのバリアフリー情報が適切に提供されていれば、だれもが迷わずに歩けるだけでなく、楽しく観光や買い物などができ、まちの活性化にもつながるものと考えます。
「人」を中心とした、魅力あふれる都市空間を創造するためにも、福祉のまちづくりの観点は不可欠であり、真に役に立つバリアフリー情報の提供がなされるよう、市町村と民間事業者、そして大阪府がしっかり連携しながら取組みを進めていただくよう要望しておきます。

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3.いじめ問題について

【質問】

①府内のいじめ認知件数及びその内容について

次にいじめ問題について質問いたします。
先日来の報道等で連日のように伝えられていましたが、福島原発事故後に横浜市に避難した中学1年生が痛ましい、いじめを受けたことについて、私は非常に心を痛めております。この事案では、嫌がらせや暴力行為だけにとどまらず、転校先の小学校において現金約150万円を同級生に払わされていたとの報道もありました。これが事実なら、重大な犯罪ともなる事態であり、絶対にあってはならないことだと思っております。
先般、文部科学省が平成27年度「児童生徒の問題行動等の調査」を公表しました。その中では、全国の小中高校と特別支援学校において、いじめを認知した件数が、22万4540件で、過去最多であったと報道等でも大きく取り上げられておりました。
このような状況の中、大阪府の学校でいじめが増加しているのではないか、また深刻な状況が起こっているのではないか、非常に心配をしております。
そこで、まず、同調査での大阪府内のいじめの認知件数をお伺いします。また、その中で、どのようないじめが起きているのかその内容について伺います。

【教育長答弁】

平成27年度の大阪府内の小・中・高校及び支援学校のいじめの認知件数は、全ての校種で増加し、あわせて10,363件となっており、これは前年度の5,248件の約2倍となっている。
府教育庁としては些細なことでも積極的にいじめとして認知し、適切かつ迅速に対応することで、いじめの解消に努めている。
次に、いじめの内容については、府内公立小中学校では、「冷やかしやからかい・悪口や脅し」が約63%と大半を占めている。「軽くぶつかったり、遊ぶふりをして叩く・蹴る」が約20%、「仲間外れ、集団による無視」が約17%となっている。
一方、公立高校においても、「冷やかしやからかい・悪口や脅し」が約45%と大半を占めているが、次いで多いのが「パソコンや携帯電話を使ったいじめ」であり、約26%を占めている。

【質問】

②府内における学校でのいじめへの対応について

大阪府内全ての校種でいじめの認知件数が増加していること、また、その中で「冷やかしやからかい・悪口や脅し」などのいじめが多いという現状は理解しました。
ただ、冒頭で申し上げた横浜の事案でも感じたところではありますが、あのような重篤な事態になる前に、学校は何とか対応できなかったのかという思いが強くあります。どのようないじめであっても、いきなり重篤な事態に至るとは考えにくく、早期に発見して軽微な段階で対応することが非常に重要であります。
そこで、大阪府では、学校でのいじめに対して、どのように対応しているのか教育長に伺います。

【教育長答弁】

いじめへの対応については、「いじめ防止対策推進法」に基づき、早期発見や相談体制の整備に努めるとともに、学校、地域、家庭など関係者と連携し総合的かつ効果的な対策を進めている。
府教育庁としては、教職員が子どもの小さなサインをいち早く察知し、どんなささいなことでも必ず親身になって相談に応じることが、いじめの早期発見や深刻化の防止につながると考えている。
この間、年度当初に府内全ての小中高校の生徒指導担当教員を集めた、いじめ防止に向けた研修の開催や、いじめの早期発見、早期対応を行えるよう、全ての学校に対して、年間複数回のアンケート実施を指導してきた。
また、スクールカウンセラーを配置し、学校における相談体制を充実させてきたところ。
暴力や金品をたかるなどの重篤なケースと判断した場合については、学校だけの対応ではなく、速やかに児童相談所や警察などの関係機関との連携を行いながらその解決に取り組むよう指導しているところ。

【質問】

③暴力行為に対する教育長の考えについて

大阪府がいじめに対して、丁寧に対応していることは理解しました。ただ、私としましてはもう一つ気になっていることがあります。それは、この間の議会答弁で、大阪府における暴力行為の発生の厳しい状況が取り上げられていることであります。
この間、国は、いじめの定義をより厳格に適用し、被害者の立場に立ち、些細なことでも子どもが嫌な思いをすれば、いじめとして認知に努めるよう指導があったとも聞いております。
暴力を受けた子どもは、当然、みな嫌な思いをするわけで、暴力行為はいじめとして捉えることもできるのではないでしょうか。
そういう意味で、私は「全ての暴力行為がいじめである」というぐらいの構えで、しっかりと対応することが必要であると考えております。
そこで、改めて、府教育庁としては、暴力行為に対して、どのように考え、どのように対応しているのか教育長に伺います。

【教育長答弁】

議員ご指摘の暴力行為ですが、大阪府における暴力行為発生状況は、非常に厳しく、喫緊の課題であると認識している。
昨年度から中学校に対しては、「生徒指導機能充実緊急支援事業」を実施し、今年度から小学校に対して「小学校指導体制支援推進事業」を実施しているところ。これらの事業により学校現場では、生徒指導での組織的な取り組みがすすみ、暴力行為発生件数が減少してきている。
ただ、平成27年度府内の暴力行為は、千人当たりの発生件数で全国平均に比べ、小学校で2.3倍、中学校で2.8倍と、極めて厳しい状況であり、今後もさらに成果を上げるため、これまで以上に市町村教育委員会としっかり連携してまいる。

【要望】

私は、大阪の子どもたちが安全で安心して登校できる学校づくりをすることが何よりも大切であると考えております。そのためにも、いじめや暴力行為といった問題を解決する必要があります。
府教育庁が、その改善に向けて取り組み、成果が出てきていることをお聞きして少しは安心しました。
ただ、現状は依然として厳しく、全国に比べて、それほどまで暴力行為が多いということは、極めて憂慮すべき状況であります。
府教育庁は、このことを大阪全体の課題ととらえ、今後も率先して取組みを進めるべきであります。
本年度の成果も踏まえて、事業継続・拡充することによって、引き続き、いじめ・暴力行為といった課題の改善に向けてしっかりと取り組んでほしいと思います。

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4.子ども・高齢者の体力向上について

【質問】

①子どもの体力向上方策について

次に、子ども・高齢者の体力向上について質問いたします。
今年10月に新聞掲載されました、スポーツ庁が6歳から79歳までを対象に調査している平成27年度「体力・運動能力調査」の結果によりますと、現行の調査方式になった平成10年度以降、子どものほとんどの年代で運動能力の向上が続いています。
一方、大阪府における子どもの体力状況につきましては、緩やかに向上してはいるものの、昨年度の小学5年生と中学2年生を対象とした「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果では、全国と比べて依然として低い状況であります。
そこで、府教育庁では今年度から、プロスポーツ団体やダンス専門の団体を府内の小学校に派遣する事業がスタートしたと聞いております。
これは専門家が体育の授業で直接子どもたちに指導するというもので、非常に良い取組みだと思いましたので、私の地元でもいろいろな所でこの事業についてふれてきたところであります。
そこで、すでに事業が終わったところもあるようですが、実際に指導を受けた子どもや学校はどう受け止めているのか、また、体力向上に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか教育長に伺います。

【教育長答弁】

府教育庁では、子どもの運動習慣の定着と体力向上を図るため、今年度から「子どもの体力づくりサポート事業」として、プロスポーツチームや体育専門大学の教員等、また、ダンス専門団体などの外部指導者を小学校に派遣し、体育の授業で子どもたちを直接指導していただいている。
これらの取組みの前後に、運動やスポーツに対する意識の変化や効果について調査をするため、子どもたちを対象にアンケートを実施している。今年度、事業を実施する61校のうち、これまでに終了した11校のアンケートの結果では、「運動やスポーツが好き」と答えた子どもの割合が、実施前と比べて4.2ポイント増加し、93.4%となった。
また、教員からは、「専門家により子どもが飽きずに続けられる内容を実践してもらい大変よかった」、「思いもよらない道具の活用や指導方法を知ることができ、とても参考になった」という声があったほか、「めっちゃWAKUWAKUダンス」を運動会で取り入れてみたいという学校もあり、非常に好評であった。
今後は、小学校教員を対象に体力向上に向けた研修会(5~6市(各地区1市)で実施予定)を実施するとともに、「子どもの体力づくりサポート事業」の取組みを事例集としてとりまとめ、市町村教育委員会へ紹介し、府内の公立全小学校に活用を働きかけてまいる。

【要望】

私たち大人は地域や学校で、運動をする場や機会を保障し、子どもたちが適切な運動や遊びを通し、運動を習慣付け、体力を向上させるとともに、積極的に体を動かし、スポーツに親しませるようにすることが重要です。
特に、直接指導に当たる教員は、心身ともに成長期にある子どもたちの特性を踏まえ、発育・発達段階に応じた適切な取組みの実践が求められます。
そういった教員のスキルアップのためにも、今年度行われている「子ども体力づくりサポート事業」の成果を大阪府内全域に普及し、各学校が継続した取組みを実施できるようになるまで、教育庁にはしっかりと学校への支援を続けていただきたいと思います。

【質問】

②高齢者を含めたスポーツ施策について

次に、高齢者を含めたスポーツ施策についてであります。
新聞報道では、高齢者の体力が向上しているというスポーツ庁の調査結果を掲載し、高齢者の体力向上の要因を健康志向から運動する人が増えたことが影響したとしております。
就学中は、体育の授業などで運動する習慣がありますが、卒業後は働き盛りや子育て世代をはじめとして、何のスポーツもしないという人も多いと思います。
特に、高齢者は、健康で長生きするためにも、運動をするという習慣を持つことが重要でありますが、必ずしも積極的に運動をする人ばかりでなく、外部との接触機会も希薄になる中で、運動に取り組むことが厄介に思う方も多く、そういった方々にも気軽に運動に取り組んでもらえるような環境づくりが必要であると考えます。
大阪府では、2025年の大阪万博の誘致に向けた基本理念を「人類の健康・長寿への挑戦」と掲げており、高齢者が一人でも気軽に運動習慣を身につけ、継続してスポーツを楽しむことが、健康長寿にもつながると考えます。
そこで、現在の「大阪府のスポーツ推進計画」では、誰もが「みる」「する」「ささえる」スポーツに参加できる大阪やスポーツを通じて健康で明るく活力に満ちた大阪を目指して、様々なスポーツ施策を展開していると聞いておりますが、高齢者を含め、どのような施策を実施しているのか、府民文化部長に伺います。

【府民文化部長答弁】

本府では、府民の誰もがそれぞれの体力や年齢、興味・関心に応じてスポーツを楽しむことができる生涯スポーツ社会を実現するため、「大阪府スポーツ推進計画」を策定している。
その中で、特に高齢者については、健康増進や生きがいづくりが必要として、現在、様々な施策に取り組んでいるところ。
具体的には、高齢者をはじめ、幅広い世代の方が参加できるよう、健康体操や太極拳なども取り入れた「総合型地域スポーツクラブ」への設立支援及び指導助言や、運動を続けるモチベーションを高めることを目的とした「府民スポーツ・レクリエーションフェスティバル発表交流会」などを毎年開催している。
さらに、今年度からは、運動習慣のない方に運動を始めるきっかけを提供するため、スポーツ体験会を実施するとともに、自身の現在の体力年齢を知ってもらうための体力測定会も実施している。
今後とも、高齢者をはじめ、誰もが気軽にスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現に取り組むことで、大阪の元気や活力の向上を図ってまいる。

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5.企業内保育施設について

【質問】

企業内保育施設設置促進への支援について

次に、企業内保育施設について質問いたします。
子育て世代が結婚・出産・育児のライフステージに応じた多様な働き方を実現するためには、子どものそばで仕事できるような仕組みづくりが必要であり、例えば、在宅ワーク、テレワーク、フレックスタイムの拡大など、働き方改革の推進が重要であります。
保育所をはじめとしたこれまでの保育サービスは、住まいの近くに整備されることが主流でありましたが、送迎などの時間を考えますと親が働いている職場の近くの保育所利用も選択肢の一つであると考えております。
その中でも、保護者からは、働く場所で幼児を預けることのできる事業所内保育施設の設置を求める声を多く聞きます。
私が地域で応援している子育て支援拠点を利用している方たちからも、「勤めている事業所内に保育所があれば、保育所を探す必要もなくなり、大いに助かる」という話や「フルタイムで働くのは大変だし不安があるが、子育て支援拠点のような場所で、自分の子どもが近くにいるような状況で働ける場があればよいのに」といった声を聞いております。
これは、働きたいという気持ちと子どものそばにいたいという気持ちが入り混じった切実な声であります。
すでに、事業所内に保育施設を設置している企業もありますが、まだごく少数です。
しかしながら、国において、平成28年4月に「企業主導型保育事業」が創設され、事業主拠出金を活用して、企業が設置する保育施設に整備費や運営費の一部が助成されるようになりました。
これによって全国で新たに5万人分の保育の受け皿を確保するとされており、待機児童の早期解消に向けた有効な手立てとして期待されております。
とはいえ、保育の知識や経験のない企業がいきなり保育事業に取り組むことは難しいものであり、しっかりとサポートしていかなければ事業の拡大が進まず、子どものそばで働きたいという切実な希望に応えられなくなってしまいます。
府は、働く場所で子どもを預けることのできる企業内保育施設の設置が円滑に進むよう、保育に取り組む民間企業に対し、支援すべきと考えますが福祉部長の見解を伺います。

【福祉部長答弁】

企業主導型保育事業は、事業主からの拠出金を活用し、整備費の4分の3相当が助成されるなど財政面で手厚いものとなっており、また、企業の従業員の子どもの他にも、地域枠として子どもを受け入れることも可能であります。
府内には1千名を超える待機児童がいますので、この事業を積極的に推進したいと考えており、商工労働部と連携して、保育施設の設置を検討している事業所に対し、利用可能な助成金や保育所の運営ノウハウを持つ関係機関等の紹介、保育士確保に関するアドバイスを行う相談支援事業などを実施しています。あわせて、内閣府と共催し国の助成制度を紹介するセミナー等を5回開催したところです。
本年11月時点で、府内では27施設で事業が認められ、全国最多である667名分の保育の受け皿が整備される予定です。今後とも、関係部局と連携して、保育に取り組む民間企業を支援し、保育環境の整備に取り組んでまいります。

【要望】

部長は既にご存知と思いますが、子育てをしながら働く女性を支援する「ママスクエア」という取り組みをご紹介させていただきます。
「ママスクエア」は、事業所内保育よりも緩やかな働き方を提案するもので、保育園でも在宅でもない、子どものそばで働ける未就学児を中心としたキッズスペース付オフィスのことであります。
こうした取り組みがすべて良いとも言い切れませんが、子どもとなるべく近くで親が働くという働き方は参考になるものと思います。
企業には、ぜひ、このような観点からも働く親が安心できるような形で、企業主導型保育事業を拡げていってほしいと思います。

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