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府議会の報告

平成28年9月定例議会 一般質問

平成28年10月7日
徳永 愼市 議員

目次

1.地域活性化に向けた空家の利活用について

【質問】

現在様々な地域で人々の居場所・たまり場として様々なサロンが開かれている。私の地元の東成区でも約60箇所運営されている。私自身も、商店街にある古民家をリノベーションし、世代を超え、地域の枠を超えて気軽に集まれる場所を作り、定期的にサロンを開いて活動をしている。
また、先日東成区で行われた「サロン講座」に私も参加したが、若い方の参加も多く、情報交換したり、地域で孤立している方の居場所づくりやいろいろな方のつながりをどうやってつくるかなどを話し合ったりしていた。その中で、先ほど奥田議員から質問のあった「こども食堂」の事も重要なテーマになっていた。
しかしながら、ノウハウが乏しく、このようなサロンを開こうにも、「どこの場所でやるか、どうやって運営していくか」などという話を聞く。
一方で、空家や空き店舗を活用したい、また地域のためならぜひ使ってほしいという所有者もいることから、行政が所有者と活用意欲ある人を結びつけて、地域全体の活性化につなげていくことが必要と考える。
昨年度の都市住宅常任委員会で質問したが、大阪府では、これまで、民間の力によって空家や空き店舗を活用し、それを核としてまち全体の魅力やポテンシャルを向上させる「リノベーションまちづくり」に取り組んでおり、これまでに寝屋川市など3地区で進められている。
寝屋川市では、大阪府からリノベーションによるまちづくりに成功した経験と知識を有する専門家の方々を派遣したことにより、防災道路の整備だけでなく、古民家の再生によるまちづくりが進められることとなったと聞いている。
そこで、空家や空き店舗を活用した交流の場づくりにも、これまで大阪府が「リノベーションまちづくり」による取組で蓄積した経験やノウハウを活用して取り組むとともに、府域全体においてこのような取組みを進めていくべきと考えるが、住宅まちづくり部長の考えは如何。

【住宅まちづくり部長答弁】

  • ○大阪府では、「住まうビジョン・大阪」において、空家の多様な活用による居住魅力の向上を重点的に取り組む施策として位置づけ、その具体的な取組みを掲げた「空家総合戦略・大阪」を策定し、建築、不動産関連などの民間団体で構成する「大阪の住まい活性化フォーラム」が中心となって、空家だけでなく空き店舗を活用した交流の場づくりについても取り組むこととした。
  • ○具体的には、市町村の要望に応じて、リノベーションによるまちづくり経験をもつ専門家の派遣を行っていくとともに、まちづくりに向けての課題や法律的な問題などの相談を受ける窓口の整備や、全国の成功事例をとりまとめて市町村や地域へ発信することに加え、地域におけるまちづくりのきっかけとなるよう市町村とセミナーを開催するなど、民間の力による空家や空き店舗の利活用を核としたまちの魅力づくりを進めることとしている。
  • ○今後、「リノベーションまちづくり」の府域全体への展開を図るため、実施地区を現在取り組んでいる3地区から今後3年間で10地区に広げていく。

【要望】

市町村としっかりと連携をしていただきたい。また先の代表質問でもあったように空家バンクと連携して取り組んでいただきたい。このような取り組みがまちの活性化につながり、そして若い方が地域につながっていく。そして地域活動に取り組むきっかけになればと思う。
またセミナーについても、だれもが参加することができるオープンなものにしていただきたい。

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2.共生型福祉施設について

【質問】

共生型福祉施設の取組みについて、さらなる普及に向け、大阪府としても設置促進に向け市町村における一体的な体制作りも含めて支援していく必要があると思うがどうか。

【福祉部長答弁】

  • ○いわゆる「共生型福祉施設」についてですが、国は、昨年9月、高齢者、障がい者、子ども等を分け隔てなく包括的・総合的に支援する仕組みを構築する方向性を打ち出し、本年3月には、現行制度の中で運用上対応可能な事項を整理した施設運営のガイドラインを示しました。
    また、府として、本年8月にお示しの富山県を発端とする「共生型福祉施設」について調査したところ、府内で少なくとも3か所で運営されていました。
  • ○この「共生型福祉施設」では、高齢者・障がい者・子ども等に係るサービスの総合的な提供が可能となりますが、その整備はそれぞれの地域の実情に沿った形で進める必要があります。
    また、高齢者や障がい者それぞれの特性を踏まえた適切な支援の確保やそのための人員確保、設備整備が課題となっており、国は、平成30年度に向けて、福祉サービスの各制度の人員配置基準、設備基準の緩和について検討するとしています。
  • ○府としては、「共生型福祉施設」の開設を希望する事業所が、円滑に手続きを進められるよう、市町村に対して、国通知に基づき事業者からの問合せ等に対して円滑に対応できるような総合的な相談窓口の設置を検討するよう求めてまいります。
    あわせて、事業所や市町村との情報交換の場において、ガイドラインや今後の国の動向等の情報提供や技術的助言に努めてまいります。

【要望】

実施主体は市町村ですが、大阪府としても、やっていこうという思いを持っている方が取り組みやすくできるよう、まとめ役として市町村にしっかりと支援していただきたい。

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3.まちづくりついて

【質問】

(大阪城東部地区のまちづくり)

「大阪城・周辺エリア」はグランドデザイン・大阪のなかで、大阪らしいポテンシャルとストックを持つ象徴的なエリアのひとつと位置づけられ、そのなかでも「大阪城東部地区」は大阪を代表する観光地である大阪城公園に隣接するなど、大きなポテンシャルを持つ地区である。しかしながら、戦後から現在まで素晴らしいポテンシャルを持ちながらほとんど生かし切っていないのが現状である。
この地区は、うめきたエリアをはるかに上回る大きさで、使用していないごみ焼却場や大阪市交通局の検車場などの大阪市有地、JRの鉄道施設やUR団地など約40haにも及ぶものである。
私は、昨年度の9月議会や2月議会の都市住宅常任委員会で「大阪市など関係者と協力して取り組んでいく必要がある」「府民に見える形で取組を進めていく必要がある。」と指摘してきた。また、以前から大阪城東部地区のまちづくりの私案を作成し、関心を持ってきた。
(スライド説明)
「若者が学び表現し挑戦できるフィールドを作る」をテーマに学校やフリースクールなどの教育機関をつくり、川沿いは水辺のアプローチを設置し、コンベンションセンターを作る。
また埋め立てられた猫間川を再整備し親水空間を造ったり、隣の大阪城公園とつなげ市民が憩える拠点とするもの。
また、地域住民の方も関心を持っている方が多く、たとえば地区内にある大阪市有地を先行的にスポーツ施設やグランドなど市民が使えるような施設を作ってほしいという声もある。
そして、今回やっと「『大阪城東部地区』のまちづくりの方向性」素案が示された。
ぜひとも大阪府市として協力して進めていただきたい。
ついては、地区内は大阪市有地も多いが、この地区の活性化は、大阪全体の活性化の原動力にもなることから、大阪府もより積極的に取り組んでいくべきだと考えているが、住宅まちづくり部長の考えを伺う。

【住宅まちづくり部長答弁】

  • ○本年7月には、「『大阪城東部地区』のまちづくりの方向性」の素案を大阪府・大阪市が一体となってとりまとめたところ。この中では、「2025日本万博基本構想」(素案)やうめきた2期のテーマにも通じる「健康・医療」をはじめ、「人材育成」「観光・集客」などの機能の集積により多世代・多様な人々が集い、交流を育むまちづくりをコンセプトとしている。
  • ○併せて、現在、この素案に基づき、地区内の大阪市有地について、大阪市主体で有効活用にかかる市場調査を実施しているところ。
  • ○今後、本府としては大阪市とともに、この市場調査や各方面からのご提案などを参考にしながら、「まちづくりの方向性」の検討をより一層深め、大阪全体の活性化に向け、民間主導によるまちづくりの具体化に取り組んでまいる。

【要望】

大阪城東部地区は東京でいう新宿副都心のような、大きな可能性があり、今後大阪が発展するための重要な地区である。そう考えると合同庁舎を建てるのも一つの考えであると思う。
今後、まちづくりを進める上では、民間任せではなく、行政も主体的に関わり、また地域住民にも還元される取り組みをしていただきたい。

【質問】

(福祉3センターの移転集約とまちづくり)

公衆衛生研究所と環境科学健康センターの森之宮への一元化により、福祉3センターが「府立成人病センター跡地等のまちづくり方針」の対象地域内に移転する案が出てきた。
福祉3センターが来ることにより、今後のまちづくりの進め方に、大きく影響すると思われるが、どう思っているのか。

【福祉部長答弁】

  • ○福祉3センターの移転集約については、当事者団体の意見を十分にお聞きし、アクセス面を最重要視して、森之宮地区への移転集約する方針を、平成25年に決定いたしました。
  • ○この度改めて、コスト面やスケジュール面等について検討した結果として、「府立成人病センター跡地等のまちづくり方針」の対象地域内での施設設置の方向性が決定したため、基本計画策定に係る予算案を提出させていただくこととなりました。
  • ○「まちづくり方針」については、これまで、近隣住民の皆さまとの意見交換を重ねて策定してきたという経過があることを十分に踏まえて、今後、基本計画の策定を進める中で、施設と「まちづくり方針」との関係性などについても、丁寧に調整や検討を進めてまいります。

【質問】

(福祉3センター移転集約と地元の理解)

平成27年2月議会の都市住宅常任委員会において、今後のまちづくりの進め方を聞いたところ、「地元へのまちづくりの検討状況や企業等の誘致状況については、地区の連合町会に対し、これまでも意見交換や情報提供をさせていただいてきたところであり、引き続き、適宜適切な情報提供に努めてまいる。」という答弁だった。
しかし、この度、言わば大阪府の都合で突然出てきたと受け止められても仕方のない移転案に、地域の人たちは、戸惑いや憤りを感じ、今後どのように進んでいくのか心配している。
福祉3センターが早くできることは、私としても決して否定するものではないが、地域の住民の理解を得られないまま進めると、地域住民との関係が不幸なものとなってしまい、施設の完成後にまで悪影響が及んでしまうことになる。
地域からは、森之宮のまちづくりに対して、以前から大阪府に要望書が出されており、森之宮地区に移転するに際し、そのような地域の方の要望に対して考慮するつもりはあるのか。

【福祉部長答弁】

  • ○福祉3センターの移転集約に関する基本計画の策定に併せて、施設のあり方の検討を進めていくに当たっては、当事者団体はもとより、近隣の住民の皆さまの声をしっかりと丁寧にお聞きしていくことが重要と認識しています。
  • ○早速、職員に指示し、先月の下旬には、近隣住民の皆さまから、地域のまちの歴史的経過や、皆様のまちづくりへの思いを聞かせていただいており、真摯に皆様のお声に向き合っていかなければならないと改めて肝に銘じさせていただいています。
  • ○今後、新しい施設が地域や府民に開かれ、近隣住民の皆さまに受け入れていただけるものとなるよう、基本計画の策定や検討を進めてまいります。

【要望】

地域の方に対しては十分説明を尽くしたうえで進めていただきたい。
平成26年に大阪府に渡した地域からの要望書の中の一つに、「森之宮・成人病センター跡地には、もともと大阪府のおかげで児童公園があるので、これからも公園やオープンスペースのような、皆が集える場所や賑わいのある場所が欲しい」といった声も上がっているので、ぜひ検討していただきたい。
また、福祉3センターの移転集約の予定地については、私も地元議員として実際に改めて見に行ったが、視覚障がいのある方なども利用されることを考えると、今以上に歩道の安全性を確保しなければならないと感じた。
今後、警察や道路管理者など関係者と、しっかりと調整をするべきであることを強く要望しておく。

【質問】

(府立成人病センター跡地等のまちづくり)

次に、成人病センター跡地等のまちづくりについてだが、福祉3センターがこの地域に来ることになれば、これまで、デベロッパーなどの民間事業者の声を中心に、大学へのアンケート実施などをされてきたが、今後、具体化に向けての動きが加速していく中で、まちづくりの進め方について、さらに幅広い検討が必要ではないか。
ついては、今後は、更に公民問わず対象を拡げて、幅広く意見交換を進めていくべきと考えるがどうか。
また、地元からは、先ほどにもあったように地域の要望の中で、緑地を設けるなど、さまざまな声があるが、まちづくりを進めるに当たっては、近隣住民の声をしっかりと聞いて進めてほしいと考えている。
併せて住宅まちづくり部長に伺う。

【住宅まちづくり部長答弁】

  • ○大阪府は、平成26年12月に、地元の意見を踏まえ、「多世代が交流する、学びと健康とにぎわいのまち」をコンセプトとする「府立成人病センター跡地等のまちづくり方針」を関係各部と連携して策定した。
  • ○大阪府では、この方針のもとに、これまで、大学や学校法人をはじめ、様々な土地の活用の可能性を探るため、ゼネコンやデベロッパーなどにアンケートを行い、意見交換を行ってきたが、今後は、健康・医療・介護分野の法人にもアンケートを行うなど、公民問わず、これまで以上に幅広く情報提供や意見交換を行ってまいりたい。
  • ○また、まちづくりに当たっては、これまでにお聞きしたものも含め、今後とも、近隣住民の皆様のご意見を聞きながら、進めてまいりたい。

【質問】

(公衆衛生研究所一元化と地元の声について)

これまで府は、成人病センターの移転、公衆衛生研究所の旧健康科学センタービルへの移転を進めてきた。地元の北中道地区の皆さんは、過去からの経緯により無条件に府の方針に賛成しきれない状況の中でも、地域の将来のために成人病センター跡地のまちづくりなどに誠実に取り組んでこられた。
そうした中、8月29日に府の担当者から地元の皆さんへ公衆衛生研究所と環境科学研究所との一元化施設の整備について説明が行われた。その際、一元化施設の立地場所についての具体的な話は全くなく、「これから検討する」という発言を繰り返し今後の方向性について事前説明がないまま、8月31日の府戦略本部会議で、旧健康科学センタービル周辺で決定した。
その後9月22日には、北中道地区の人々が一同に会し、府の担当者から新研究所の一元化施設の整備に関して説明が行われた。施設の説明はあったが、研究所とまちづくりの関連については何の説明もなく、そのことについて地元の出席者の皆さんから憤りと厳しい質問が相次いだ。
まず、こうした北中道地区の方々の思いを健康医療部としてはどのように受け止めているのか、健康医療部長に伺う。

【健康医療部長答弁】

  • ○成人病センターの移転、公衆衛生研究所の移転について、地元、東成区北中道地区の住民の皆様が、これまでより様々な想いを持っておられること、また、成人病センター移転跡地のまちづくりを、地域のため、将来のために良いものにしたいという想いをもって取り組んでいることは、十分認識している。
  • ○とりわけ、一昨年度より公衆衛生研究所の単独移転の方針についてご説明した際、公衛研を他の地域へ移転して欲しいとの要望があったこと、9月22日の住民説明会において、非常に厳しいご意見をいただいていることについては、健康医療部として真摯に受け止めている。

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4.戦没者の遺族に対する特別弔慰金の今後の取組みについて

【質問】

所管の厚生労働省に対し、必要な人件費を要望するなど、具体的に処理時間を短くする体制づくりが急務ではないか。今後の対応はどのように行うのか、福祉部長に問う。

【福祉部長答弁】

  • ○特別弔慰金の府における対象者は約5万7千人であり、本年8月末現在で3万8千件を超える申請を、府内各市町村を通じていただき、受付順に処理を行っているところです。
  • ○全国的にも今回、審査に時間がかかっている理由としましては、初年度に申請が集中したこと、さらに、前回請求者が主として戦没者の配偶者や子であったものが、戦後70年が経ち、孫や甥・姪が請求者となるケースが増え、戸籍チェックなどの審査が複雑化していることなどが考えられます。
  • ○こうした状況から、本府としても、これまで所属内の応援体制や審査手順の効率化など審査処理のスピード化に取り組んできたところです。
  • ○しかしながら、未だ多くの審査未了案件を抱えているため、議員ご提案のとおり、この度、厚生労働省と協議を行い、審査に係る人員体制強化や事務処理環境の改善を進めたいと考えております。
  • ○こうした取組みにより、今後、1日でも早く府民に支給できますよう、一層努めてまいります。

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5.パブリックコメント制度の周知

【質問】

府が各種計画や審査基準などの案を策定する際には、行政だけで意思決定するのでなく、広く府民の意見をお聴きすることが重要である。そのためにはパブリックコメント制度が適切に実施され、府民から幅広くご意見を頂き、頂いたご意見を最終案にきちんと反映させることが不可欠であると考える。
ところが、実施されたパブリックコメントの結果をみると、府民からの意見提出が少なかったりゼロだった案件も見受けられる。その原因として周知不足があるのではないか。
ついては、パブリックコメント制度そのものについて「府政だより」への掲載等により一層の周知を図るとともに、個々の実施案件についても市町村等より多くの場所で情報が入手できるよう取り組むべきと考えるが、府民文化部長の所見を伺う。

【府民文化部長答弁】

  • ○パブリックコメント制度でより幅広く府民からご意見をいただくためには、パブリックコメント制度の周知とともに個々の実施案件の周知に努めていくことが重要。
  • ○制度そのものについては、現在、府ホームページ上で周知を図っているところ。今後は、これに加えて「府政だより」やメールマガジン、SNS等の多様な媒体を活用した広報を行い、一層の周知を図る。
  • ○個々の実施案件の内容については、現在、府ホームページ、担当室課及び府政情報センターでの公表を基本としている。
  • ○今後、さらに、府民がパブリックコメントの実施状況をより把握し易いよう、新たに府内10か所の「情報プラザ」に実施状況の一覧表を配置するとともに、身近な市町村庁舎においても案件情報が入手できるよう市町村への協力を働きかけていく。
  • ○今後とも、多くの府民のご意見を府政に反映できるよう努める。

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