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府議会の報告

平成29年2月定例議会 一般質問

平成29年3月7日
朝倉 秀実 議員

目次

1.2017食博覧会・大阪について

【質問】

(食博による大阪の魅力発信について)

まもなく、素晴らしいイベントが大阪で開催されます。
4年に1度の食の祭典、2017食博覧会・大阪です。
来る、4月28日から5月7日までの10日間、大阪南港インテックス大阪のすべてを使って、盛大に開催されます。
太閤さんの時代より大阪は天下の台所、食いだおれの街、食の都です。
今、大阪には内外からたくさんのお客様がお見えになっています。
その、大阪に来られた方のアンケートによれば、東京へは一度行けば十分だが、大阪へは何度でも来たいという意見が寄せられていると聞いています。
大阪はそれほどに、世界の人々にとって魅力的な都市となっていますが、その魅力の大きな要因の一つが大阪の食文化です。
いつでもどこでも、美味しいものが気軽に食べられる、そのことが一つの文化にまで発展し、あまたの人々を魅了しています。
そうしたなか開催される食博覧会・大阪を通じて、我が国の、大阪の素晴らしい食文化をさらに世界にアピールしていく好機であると考えます。
今回の食博は、「日本の祭り・日本の味くらべ」をテーマに、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化にスポットを当て、日本全国の味覚を取り揃え、それを彩る伝統文化の象徴としての各地の祭りを体感できる「日本の宴」が展開されると聞いております。
松井知事には前回同様、会場に足を運んでいただき、大阪府民の代表として、先頭に立って食博覧会を盛り上げていただきたいと願っております。
現在、大阪外食産業協会など大阪の食関係団体が中心になり、準備に大わらわとなっています。
2017食博覧会・大阪の成功に向けた、知事のエールをお聞かせいただきますようお願い致します。

【知事答弁】

  • ○食博は、4年に1度、食に関連する大阪の事業者が中心となって開催される我が国最大級の食のイベント。
  • ○この食博を通じ、大阪から、国内はもとより世界の国や地域へ「おもてなしの心」と「元気」をお届けしたいと関係者一同取組んでいる。
  • ○おりしも、ニューヨークタイムズ紙が選んだ「今年行くべき世界の都市2017」の記事でも、「食博覧会・大阪」が紹介されており、注目度も高まっている。
  • ○知事として、食博実行委員会の顧問も務めていることから、私自身、自ら先頭に立って食博を盛り上げ、大阪の食文化のさらなる向上に向けて、全力で取り組んでいきたい。

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2.観光施策について

【質問】

(来阪外国人旅行者の動向と観光施策の目的について)

さて、その食博に、たくさんの外国の方にもお越しいただきたいと願っておりますが、それにしても昨今、たくさんの外国人の方、とりわけ外国人観光客の方がお見えになっています。最近の動向も含めて、我が国と大阪を訪れる外国人の状況はどうなっているのか、その来日外国人の国別の内訳はどうなっているのか、お聞きいたします。
また、来日外国人のことを表すインバウンドという言葉には、当然にその効果という視点が強く含まれます。増大するインバウンドにどのような効果を求めるのか、また、そもそも観光施策を進める目的は何なのかについて、あわせて府民文化部長にお伺い致します。

【府民文化部長答弁】

  • ○昨年2016年の訪日外客数は、推計値として2,404万人であり、また、大阪を訪れた外国人旅行者数は941万人と、いずれも過去最高を記録した。前年からの伸び率については、全国の22%を、大阪は31%と大きく上回り、順調に伸びている。
  • ○国別の内訳としては、全国では、中国637万人を始め、韓国・台湾・香港の東アジア4カ国で、全体の約73%を占めており、大阪では、中国373万人をはじめ東アジア4カ国で719万人と全体の約76%を占めている状況。
  • ○次に、インバウンドに期待する効果と観光施策の目的についてであるが、観光を通じて多くの人を大阪に呼び込むことで、宿泊施設・観光施設・交通機関・小売店舗など、幅広い関連産業に、旅行消費をはじめとしたマーケットの拡充が期待でき、大阪経済の活性化につながるものと考える。
  • ○また、単なる経済効果だけでなく、観光集客を図るうえでは、地域の歴史や文化、四季折々の自然や街並み、エンターテイメント、食などの様々な魅力を磨き上げ、広く発信することが重要。
  • ○こうした取組を進めることによって、観光立国推進基本法の基本理念にもあるように、府民自身の誇りや愛着(シビックプライド)を醸成し、活力ある地域社会の発展につなげることや、世界中の人々に日本・大阪の魅力を発見いただくことで諸外国との相互理解を進めることも、観光施策の重要な目的と認識。
  • ○今後も、これらの目的を果たすよう、大阪の都市としての魅力を創造・発信し、インバウンドをはじめとした観光振興に取り組んでいく。

【質問】

(インバウンドによる経済効果につい)

もともと、観光は商工労働部の所管であったように記憶している。
それは他でもなく、当然、経済効果ということが大きな目的であったからである。
増大するインバウンドが、大阪の経済にとってどのような効果を生んでいると把握しているのか、とりわけいわゆる爆買いだけではなく、広く大阪の商業、商店街などの消費に結びついているのかインバウンドの効果を広く大阪経済にどう結びつけていくのか。商工労働部長の見解をお聞きする。

【商工労働部長答弁】

  • ○大阪を訪れる外国人旅行者による消費額は、平成27年の調査で5,700億円程度と推計される。大阪で買い物に使われた消費額も一人当たり6万円を超え、商店街をはじめ百貨店、ドラッグストアなど様々なお店で多くの買い物をしていただいており、こうした直接的な消費を含め、インバウンド向けのビジネスや雇用の拡大が、昨今の大阪経済の活性化に大きく寄与している。
  • ○大阪府では、インバウンドの拡大を商業の活性化に結びつけるため、これまで、国の交付金を活用したWi-Fi整備のほか、商店街の魅力づくりや、ITを活用した情報発信を支援するモデル事業を実施してきた。
  • ○さらに、来年度は、府民文化部と連携し、宿泊税を活用して、観光資源をストーリーに沿ってつなぎ、府内各地へ誘客する事業に商店街を組み込み、消費拡大につながる取組みを検討しているところ。
  • ○今後とも、関係部局や市町村等と連携し、インバウンド効果を大阪経済の成長に結びつけてまいりたい。

【質問】

(観光施策-関空の国際拠点機能につい)

訪日外国人観光客の爆発的な増大の一つの要因は、いわゆるLCC、格安航空会社の急速な発展。とりわけ関西国際空港に就航するアジア各国のLCCは急速に増大しており、そのことが関西、とりわけ大阪へのインバウンドの増加につながるとともに、関空自体の収益改善にも大きく貢献している。開港以来、長年、経営に苦しんできた関空が、今、活況を呈していることは誠にありがたく、うれしく思っている。
関西国際空港は、大阪・関西の未来とその発展にとってなくてはならないとの思いのもとに多額の資金を投入して建設されたもの。収益の改善は歓迎すべきことではあるが、一方、建設当初に想定された関空の本来あるべき姿、役割はどういうものであったのか、そのコンセプトや使命に照らして現在の姿はどう評価されるべきなのか、今後の取り組みと合わせて政策企画部長の見解を伺いたい。

【政策企画部長答弁】

  • ○関西国際空港は本年で開港24年目を迎える。建設にあたり、国から示された計画案には、「首都圏の空港とともに我が国を代表する国際空港として、また、国内航空輸送網における基幹空港としての機能を併せ持つ空港を建設する」と記されている。
  • ○現在の関空は、総発着回数が17万7千回、総旅客数は2,500万人を超える活況にある。国内の13都市、海外の23ヵ国83都市にネットワークが張られ、LCCや国際物流航空会社の拠点が置かれるなど、開港以来、厳しい状況にあった関空も、今や日本の重要な役割を担う国際拠点空港に発展しつつあると認識。
  • ○一方で、長距離国際線が減少するなどの課題もある。このため、本府では、関西の自治体・経済界で構成される関空促進協を通じ、航空会社へのプロモーションをはじめ、欧米の大手旅行社を関西に招聘し、旅行商品の造成を要請するなど、旅客需要の拡大に努めている。
  • ○今後とも、関西エアポート社と協調・連携し、航空ネットワークの充実、アクセス利便性の向上など、関空の機能強化を促進していく。

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3.府職員の評価制度について(要望)

【要望】

(人事評価制度の見直しについて)

最後に、府職員の人事評価制度について知事にお願いを申し上げます。

我が党は平成9年、「職員個人の業績を評価し、それが適切に給与や人事面で反映されるような制度を確立すべき」と提案し、その後、職員の評価制度の導入がスタートしました。
それまでは、大阪府には評価制度はありませんでした。

どのような組織であっても、評価のない組織はあり得ません。
がんばる者もがんばらない者も同じ評価などということはあり得ないとの思いで、府の職員に対して、そして教員に対しても、評価制度を取り入れてきました。
がんばる職員、がんばる先生を応援しようと呼びかけてきたのです。
当時、我が党議員団の一員でおられた松井知事とも力を合わせてまいりました。

その後、平成24年に施行された職員基本条例によって現在の相対評価制度が導入されました。
がんばって、大きな成果を上げた職員に高い評価を与えることは当然です。
一方、職務怠慢、意欲がない、府の職員に相応しくないなどの状況が明らかである場合には厳しい評価が下され、免職をも排除するものではありません。

現在の府の制度の内容は、職階ごとに職員を5段階に区分し、上位から5%、20%、60%、10%、5%と決められた率に必ず割り振るというものです。
この制度によりますと、職務の状況に拘わらず、10%の職員には厳しい評価が与えられ、5%の職員は免職の対象になることもあります。
これは、ここにおられる、いわゆるひな壇部長15名のみなさんも例外ではありません。
すなわち、がんばって仕事をして、大きな成果をあげたにもかかわらず、厳しい評価が与えられることとなります。

この機会にあらためて、民間企業の実態を確認したところ、府の行っているような人事評価を行っているところは見あたりませんでした。
ある大手企業の人事部長は、機械的に差をつけるやり方は聞いたことがない、実態にそぐわない評価制度を行えば企業がもたないのではないか、とおっしゃっていました。

総務部が行った職員アンケートでは、評価制度を良しとする職員がいる一方で、執務意欲が低下したとする職員が1563人もいます。
なにがなんでも最低の評価をつける者を選ばなければならない制度に、評価を受ける職員も、評価を行う管理職もたいへんに苦しんでいます。
人間関係がおかしくなり、チームワークが保たれなくなったとの声も耳にします。
職員のやる気を高めるための評価制度が、一方でやる気を削ぐことにもなってしまっていることをたいへん残念に思います。
せっかく人事評価に労力をかける以上、逆効果に結びつくような仕組みはあまりにもったいないのではないでしょうか。

知事は、「公務員は税金で身分保障されている以上、納税者が納得する厳しい評価制度にする」と仰っています。その知事の主旨を理解し、制度の導入にあたっては私も賛成してきました。導入以来、一定の成果も挙げてきているとも考えます。

しかし、評価は、どこまでも公正公平でなければなりません。
府の職員に対して、すでに実施されている絶対評価制度についても、常に厳格な運営が求められます。
翻って、利潤の追求を目的とする企業とは異なり、数字には表せない公務員の職務に対して、そもそも相対評価が相応しいのかとの思いもありますが、相対評価を直ちにやめることは無理としても、せっかくの評価制度の効果を殺いでいる部分の手直しを行うこと、すなわち、せめて10%、5%と定めている下位区分について、柔軟に運用できるような手直しがぜひとも必要であると考えます。

府の職員はみな優秀です。
政策課題が山積しているなか、職員はがんばって仕事をこなしています。
その職員のやる気をさらに高め、チームとしての能力を上げ、府民のために成果を出すことができるよう、評価制度をより良いものとすることが極めて重要です。
人事評価制度の見直しについて、ぜひご検討をいただきますよう、知事の英断を期待し、私の質問を終わらせていただきます。

ご静聴ありがとうございました。

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