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議員団活動

平成23年5月定例会について

自由民主党大阪府議会議員団

 6月4日午前3時過ぎに改選後初めての府議会が終了致しました。この議会では大阪の将来にとって非常に大切な議題をほとんど議論することなく、維新の会が単独で強硬採決する結果となり、異常な状況での採決でありました。徹底した議論をすることなく結論を求めるのは民主主義の否定であり、今後の議会運営に大変大きな危機感を持っています。もちろん民主主義は多数決で決します。しかし、あくまで議論を尽くす。提案者は相手を「説得する努力」と「妥協する寛容さ」を持つべきであります。その努力があってはじめて民主主義と多数決の論理は成立するのであります。
今後、大阪知事選挙、大阪市長選挙をにらんで「政策」より「政局」の議論が中心になることが予想されますが、対立より対話、対立より協調を求めて参ります。
下記に、5月議会での提案された議案について我が会派の考え方を説明させて頂きますので、ご意見あればお聞かせ下さい。

国旗・国歌条例制定の件

 マスコミでも注目されていましたが、我が党として府有施設に国旗を常時掲揚するための条例制定を目指し、大阪維新の会は国旗掲揚と国歌斉唱の条例化を目指し府議会で議論しましたが、我が党の提案は他会派の賛同を得ることが出来ず否決となりました。下記に我が党と維新の会の提案した条例の違いについて説明致します。
知事が国旗掲揚を決断できなかったから・・・
 本来、府立高校を含む府有施設に国旗を常時掲揚することは、わざわざ条例化しなくても、知事が全庁方針として決断すればできることであります。例えば、大阪市や堺市は国旗の掲揚を条例化し義務付けしていませんが、市長の号令で私立高校等の市有施設には国旗を常時掲揚しています。我々も、橋下知事が就任して以来、府有施設に国旗の常時掲揚を求めてきましたが「議会が条例化すれば従う」との答弁を繰り返し、常時掲揚には否定的な態度でありました。また、府教委(教育長)にも府立高校に国旗を常時掲揚するよう求めてきましたが、「条例設置による義務付け」若しくは「橋下知事が全庁方針として決定すれば従う」との趣旨の答弁をされており、条例化しなければ、国旗の常時掲揚はできないと考え、提案することになりました。
起立は条例なしでもできる
 一方で維新の会が提案した「国旗・国歌条例」について教育委員会や提案者である維新の会と議論を尽くしましたが、国歌斉唱時の起立義務付けにかかわる規定を条例化したとしても、今まで通り、「処分は教育委員会に任せる」「条例によって拘束されるものは何もない」「どういう罰則がいるかは教育委員会が決めること」等の答弁であり、罰則規定もなく目的を達成するための担保もない条例は「不要」であるとの認識に至りました。また、拘束力のない条例を設置しても、提案趣旨の1つであります、「団体の規律を守る」という目的も達成できず、条例設置後も国歌斉唱時の教職員の不起立は教育委員会に委ねることに変わりはありません。
矛盾している市町村教職員に関する規定
 また、条例の中身にも大きな不備があります。先ず、第2条第2項において定義される教職員に「市町村立の小学校、中学校に勤務する校長、教員」を含んでおり、また第1条では市町村立学校における服務規律の厳格化を図ることを目的としていますが、第4条第2項で「市町村教育委員会による服務の監督の権限を侵すものではない」と規定しています。市町村教育委員会の権限を侵すおそれがあると認識をしながら、「権限を侵すものではない」という条項を置くことは条例の自己矛盾であります。
国旗条例は必要、国歌起立条例は不要
 我々は本会議でも条例の矛盾を指摘し、提案されるのであれば、言葉に責任を持ち説明に矛盾がないようするべきだと指摘してきました。
また、審議中に教育委員会が不起立教員を処分したことは違憲ではないという最高裁判所の判決が下されたことで、教育委員会は不起立教員へ毅然とした態度で処分できることが法律上、担保されたのであり、今後、入学式、卒業式に教員が不起立であれば、職務命令違反として戒告を含む厳しい処分が可能となり維新の会の主張する条例は「不要」となります。
また、23年度の小学校の学習指導要領では「いずれの学年においても国歌が歌えるよう指導すること」と改訂されています。この学習指導要領で小学校の教職員はいずれの学年においても、必ず国歌を教える義務を負うことになっています。
 我々としては、上記の理由により、維新の会の提案された条例に「反対」ということではなく、「不要」であるとの認識から条例撤回を求めました。また、教員を起立させたいという「理念」だけでも条例化したいということであれば、教職員を府立学校に勤務するものに限定する等、内容を一部改正すれば賛成できるとの趣旨も伝えましたが、全く受け入れられませんでした。一部改正や条例が撤回されなかったため、採決では反対票を投じなければならない結果となりました。顧みて、国旗・国歌に関する審議は不十分且つ幼稚であったと思っています。このような大切な問題を政局に使い、子どもたちの教育の観点から議論しなかった議員に愛国心を語る資格はないと考えます。

大都市制度検討協議会設置の件

1 協議会は3者合同でやるべき
 我々は、大阪府域の広域行政を一元化し、2元行政の解消を主張している立場から、「大阪府「大阪市」「堺市」の3者がバラバラで議論を深めるより、それぞれの議会の代表と首長が一緒に、同じテーブルについて協議をすることを望んでいます。維新の会が提案した条例は「大阪府」「大阪市」「堺市」の3者協議の場を求めるとしながら、大阪府議会だけの協議会を設置するというものであります。
2 なぜ、議事を過半数で決める必要があるのか?
 また、協議会の議事を「出席議員の過半数で決する」となっています。協議会の目的は大都市問題について議論を深める、協議を尽くす、このことに意義があるのです。既に過半数を持っている会派が、条例に過半数を記載するのは、自らの意思を大阪府議会や府民の総意とし、議事を都合よく進めようとしているようにしか見えません。
3 なぜ、9月30日までに結論を出すのか?
 更に、協議会の結果報告期限を9月30日までとされていましたが、わずか4か月間で議論できるほど府・市の問題は簡単ではありません。
総務常任委員会で、提案会派に対して行った質問への答弁は「協議会の結果を11月に行われる市長選挙、知事選挙で府民、市民に示し民意を問う」との驚きの言葉でした。
この答弁が維新の会の本音であり、協議会設置の目的が「党利党略」であると言わざるを得ません。
上記3点がクリアされれば、議論への参加は拒むものではない
 本当に大阪府にとって理想の大都市制度を検討したいという趣旨で条例を提案されているのであれば、我々が指摘している以上の3点は府民感覚からすれば、クリアできない問題ではないと考えます。
提案者であります、維新の会に上記3点について修正を求め、更なる議論を求めましたが、これ以上の議論は不要だと判断され、強硬採決に至ったのであります。議論の最中、強行採決をするのであれば、協議会には参加しない意向を表明し維新の会に妥協を求めましたが、結果は強硬採決でありました。

府議会議員定数削減条例(109名→88名)

 「大阪維新の会」が提出した府議会の定数を現行109名から88名とする条例改正案が、5月議会最終日に上程されました。至極残念なことに、我々は定数に関しては1分の審議もすることなく、また、本会議場で採決に加わることなく可決されました。
なぜ、この時期に提案するのか?
 選挙は4年先であります。なぜ、この時期にこだわるのか説明責任を果たされていません。公職選挙法の改正がない状況で、有権者にとってベターな選挙制度を議論するのは政治家として当たり前の作業だと考えます。
各党が党利党略や党勢拡張を目的とした選挙制度を主張することは、有識者を無視した許されない行為であります。
なぜ、定数が88名なのか?
 本来、議員定数は管理、検査する「事務の量」「予算規模」等、地域の事情によって配分されるべきであります。議員定数の「多い」「少ない」の議論は基準を何にするかによって意見は分かれます。東京都と比べれば多くなり、近隣の奈良県、兵庫県と比べると少ないということになります。本府の場合の議員定数を先ず、何人にするのかという大切な議論が出来ていません。
橋下知事は、大阪府の議員は10万人に1人でよいと主張されていますが、88名の根拠をしっかりと示されるべきであります。
なぜ、格差を拡大させるのか?
 現在の府議会の定数は109名(法令定数は120名)であり、1票の格差は2.20倍であります。我が会派は「選挙」は有権者のためのものであるとの観点から、現在よりも格差が拡大することないよう配慮を重ねながら定数削減を行って参りました。
この度、「大阪維新の会」が提案した条例は、現行選挙区の区割りを変えずに人口比で定数を単純に21減したもので、「1票の格差」は2.88倍に拡大します。
格差を縮小させるプランがあります
 橋下知事は、法改正をしなければ1票の格差は縮小できないと発言していますが、我が会派は、選挙区の区割りを変更(合区)した上で「1票の格差」を現在の2.20倍から少なくとも1.92倍まで縮小し、定数を88名に削減するシュミレーション案を作成し、現行法でも実施可能であることを確認しています。
本来、議員定数については、いきなり条例改正ではなく、府民の方にも入っていただき、一から協議する場を作ることが望ましいと思います。しかし、そのような協議の場は設けないということになったため、我が会派から定数削減条例修正案を提出することにしましたが、提案しても議論をしていただけなかったので、取り下げました。

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