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府議会の報告

平成26年2月定例議会 代表質問

平成26年2月27日
花谷 充愉 議員

1.南海トラフ巨大地震対策

①巨大地震対策進捗状況と今後のスケジュールについて
②庁内司令塔について
【質問】
近い将来発生が予測されている南海トラフ巨大地震について、10月30日に開かれた「南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会」で府が公表した被害想定によると、津波などによる死者は最悪の場合、13万3,891人になるとのことです。これは国の公表数値の13倍以上に上ります。府は最悪の場合を想定した数字と説明していますが、府の被害想定には地下鉄や地下街の被害は含まれておらず、最悪の想定以上に被害が拡大する可能性もあります。
我が会派は、東日本大震災のような津波被害は二度と発生させてはならないという強い思いから、防潮堤、堤防の改修などの津波対策等を府政の最重要課題であるとして速やかな改修を求めてきました。
平成25年度補正予算において、津波対策準備のための調査・設計費や工事費が措置されたことは一定評価しますが、防潮堤、堤防の液状化対策を一日でも早く完了させるため、26年度以降も十分な予算措置を行って頂くよう、強く求めておきます。
言うまでもなく、巨大地震に対する対策は危機管理室、都市整備部、住宅まちづくり部だけでなく全庁が密接に連携し取り組まなければなりません。
そこで確認いたしますが、防潮堤の液状化対策をはじめとする、南海トラフ巨大地震対策に関係する事業の進捗状況と、今後のスケジュールはどうなっているのですか。
また、本来は知事が府の最高責任者ということになりますが、南海トラフ巨大地震対策のように、複数の部局が関係し、長期的に進めなければならない事業は、たとえ知事が交代しても、組織としてしっかり進められる仕組みを構築する必要があると考えます。
我が会派は、その司令塔の役目を、各部局との打ち合わせ、予算要求、執行状況の確認など、あらゆる進捗管理を副知事の1人が先頭に立ち一元的におこなうべきだと考えますが、小河副知事のお考えをお聞かせください。
【小河副知事答弁】
南海トラフ巨大地震対策は、府政の最重要課題の一つ。今年度末までに「地域防災計画」を修正し、対策の方向性を決定する。とりわけ、液状化による防潮堤等の沈下対策や密集市街地対策等は、急務の課題であることから、知事から早急に検討を行うようにとの指示を頂き、「府政運営の基本方針」において最重点課題として位置付け、所要の予算を計上した。
今後は、年内をメドに、本府の地震被害軽減目標と対策を定めた「地震防災アクションプラン」を見直し、施策ごとに目標を設定する。同時に、年次ごとの工程表を新たに定め、毎年度、工程表に基づき進捗管理を行うなど、PDCAを強化したい。
また、地震防災対策は、府民の命を守るとともに、「強い大阪」の実現に向け、より強力に推進していく必要があると認識しており、危機感管理を担当する私が、各部局に対して、必要な判断や指示を行い、確実な施策の実行につなげていく。
③密集市街地整備の促進について
【質問】
密集市街地整備は、これまで密集市街地を抱える市から整備の促進を求める強い要望があったにもかかわらず、橋下前知事、松井知事の一方的な予算縮減の影響で取り組みが大幅に遅れてきました。
我が会派は本会議での質問や知事への要望等あらゆる機会を通じて、密集市街地整備促進のため必要な財源の確保や、市が積極的に取り組めるよう、施策誘導を求めてきました。
府は、来年度から、密集市街地内の老朽住宅除却促進のため、補助対象エリアの拡大や、期間限定ではあるものの、補助率のかさ上げなどにようやく取り組むこととなったが、既に遅れているのだという認識で事業を進める必要があります。
住宅まちづくり部は、今年度の部局運営方針で、「地震時に著しく危険な密集市街地の解消」について、平成32 年度までに概ね解消することを具体的な目標に掲げています。9月議会での我が会派の質問に対し、住宅まちづくり部長は「平成32年の目標は達成できる」と明言されましたが、そのために必要な全体の予算額すら把握していない始末でした。
今後の取り組みを効果的に行うには、今までの態度を改め、関係市と十分に協力し取り組む必要があります。
府内の密集市街地は、7市11地区で面積にして2,248ヘクタールに上りますが、そのうち大阪市域は1,333ヘクタール、堺市域は54ヘクタールで、府全体の約6割を占めています。平成32年度の目標を達成するには、大阪市域、堺市域の対策を進めることが不可欠です。
しかし、26年度予算に政令市への補助は含まれていません。補正対応してでも政令市に補助を行わないと、府域全体の目標達成など不可能と考えますが、住宅まちづくり部長の見解を伺います。
【住宅まちづくり部長答弁】
これまで政令市については、都市計画など広域自治体並みのまちづくりの権限を有することから、府補助は行ってこなかったところ。
しかし、南海トラフ巨大地震などの大規模な地震に備えて、平成32年度までに著しく危険な密集市街地を解消するという目標を達成するため、政令市についても、今年度内に策定を予定する「密集市街地整備方針」に基づき、これまで以上に府市が連携して整備を進めていかなければならないと考えている。
今後、政令市から要望があった場合は、その他の市と同様に補助していくことを検討してまいりたい。
【指摘】
≪資料1≫
大阪府の密集市街地の予算は、ことあるごとに我々が要望してきた経過もあり、今年は2.5億円に増額して頂いていますが、今までずっと予算が減額され事業が遅れてきました。府域全体の6割を占める政令市の事業を新たに補助対象とするなら、2、5億円では予算が足りないと考えます。枠にこだわらず予算を増額し取り組みを推進して頂くよう要望しておきます。
≪資料2≫
一方、大阪市の予算額をみると、平成21年に3億2千500万円あった予算が、現在では6千万円程度になっています。大阪市も府と同様に、予算は減額の一途です。
大阪府も政令市に対して、今までと方針転換し補助するというのであれば、府の予算を増やすだけでなく、政令市の取り組みが進むよう、大阪市と堺市に予算の増額等を要求し取り組みが予定通り進むよう府としてリーダーシップを発揮されるよう要望しておきます。

2.鉄軌道整備

①北大阪急行の延伸について
 北大阪急行の延伸について伺います。
≪資料3≫
府から示された事業スキームでは、全体の事業費は約600億円、鉄道事業者が80億円、その残り半分を国が負担し、箕面市が160億円、大阪府が1/6の100億円を負担するということになっています。
一方、これまでの同一市域内の鉄道延伸の事例を見ると、鉄道事業者は事業費のうち3分の1程度は負担しています。
≪資料4≫
例えば、京阪中之島線では鉄道事業者は全体の事業費1,310億円の内約485億円の負担をしています。阪神なんば線も同じ理屈で、鉄道事業者は890億円の内、340億円を負担しています。
これまでの例から見ると、北大阪急行は200億円程度負担してもおかしくないはずですが、何故80億円しか負担しないのでしょうか。さらに、なぜ府は全体事業費6分の1なのかも、全く説明がありません。
また、箕面市は、今回の合意に際し、市議会に財政運営基本条例の制定と延伸事業費に係る予算(債務負担行為)を提案すると聞いています。府は戦略本部会議でこの事業にゴーサインを出したということですが、府議会には今回の事業に関する議案が上程されていません。
そこで、まず都市整備部長に、北大阪急行の延伸に関する府、鉄道会社の負担の考え方とともに、大阪府の負担する事業に関する予算案など、府議会への議案提出についての考え方を伺います。
 北急延伸は、北大阪地域と大阪都心との直結、広域拠点形成による地域の活性化といった広域的意義から、府としても箕面市、鉄道事業者とともに事業化に向けた検討、協議を進めてきた。
協議を進める中、
・鉄道事業者は、受益の範囲として、事業費に投じた資金を将来の料金収入で回収できる額、現時点で80億円という額を示された。
・箕面市は、鉄道事業者の負担を除き、国がその1/2を支援する交付金制度の適用を獲得し、国費が市へ交付されることとなった。
さらに、箕面市から
・市が事業主体となり、事業区間の一部を主体的に施行すること
・整備費の一部と今後の事業費の増嵩リスクは市が負担すること
・市が広域拠点形成のまちづくりに率先して取り組むこと
といった提案が示された。
こうした提案を受け、府としても現行の鉄道補助制度の一つである「都市鉄道等利便増進法」の全体事業費3分の1を地方が負担するといった考え方を参考に、地方負担1/3を府と市で折半し、全体事業費の1/6を負担することとした。こうした協議結果等を踏まえ、先月の戦略本部会議において、事業主体、負担割合、リスク負担といった基本的事項について年度末に基本合意を締結し、事業化の手続きを進めていくこととした。
今後、事業費等が確定した時点で、平成27年度末には基本協定を締結すべく、必要な府の負担についての予算案を府議会に提案する。
この外、鉄道事業者が軌道法に基づく特許申請をする際にも、府議会に同意を求めることとなる。
【再質問】
今回の事業スキームを見ると、箕面市がかなり頑張っています。箕面市は、これまで行われた鉄道延伸事業の地元負担割合を大きく上回る負担を負ううえ、事業費が増えた場合のリスク負担、国費の導入も自ら汗をかいて実現させています。
一方、松井知事は「鉄道ネットワーク構築は広域行政が担うべき」と発言されていましたが、北大阪急行延伸では、箕面市が用意した事業スキームにただ乗っているだけです。松井知事のリーダーシップは全く感じられませんし、広域自治体の長として自ら政策実現ために汗をかき知恵を出しているとは思えません。
府は株式譲渡なども含め、100億円相当を上限に負担することになっていますが、まず保有株式の取り扱い、売却等の選択肢を明確にしておくべきです。
知事はOTKの株式売却について、泉北高速鉄道等の運営は民間で出来るので売却すると説明されていました。そうであれば、北急の株式の25%を府が持っている理屈はないはずです。府が所有している北大阪急行会社の株式も即座に売却し延伸の財源にすべきではないですか。もしくは、延伸事業を終えてから株式売却する方針なのでしょうか。知事に伺います。
【知事答弁】
OTKは完成された会社、その株式価値はデューデリジェンス(投資対象評価)で明らかになっている。北大阪急行はこれから延伸し、北大阪並びに周辺のまちづくりを通じて大阪全体の経済に寄与する、そのことで北大阪急行の価値が上がる。これから完成に向けて工事が始まる。北大阪急行の延伸を完成させ、株式価値を高め、ストックの組み換えで大阪全体のインフラ整備に使える形をとってゆく。
【指摘】
府は広域自治体としての事業に対する支出の根拠を「南北軸の強化」と説明されていますが、延伸は複数の市にまたがるのではなく、箕面市1市域だけです。
府が100億ものお金を出す根拠を「南北軸の強化」とするなら、延伸によって得られる効果、全体に及ぼす影響について、我々にしっかりした根拠を示すべきです。もし、延伸の目的や事業効果が地元住民の利便性の向上にあるなら、府が鉄道事業者よりも多く負担する根拠はありません。我々は事業そのものに反対しているわけではありませんが、府が多額の事業費を支出する以上、便益を受ける地元住民以外の理解も得られる根拠を示す必要があります。
今回の事業スキームで今後の鉄道延伸を決定するなら、箕面市のように裕福なところはどんどんやって、財政力が弱いところのインフラ整備はしないことになります。地元市が負担するから、事業実施するという考え方はおかしいと指摘しておきます。
【再質問】
ところで、この事業は何人の指揮官で進めているのか。
【知事答弁】
最終の意思決定は私がした。
【再質問】
先の部長答弁では、事業主体は箕面市。国からの補助金も市に入る。そのようなことも全て知事が決めたのか。
【知事答弁】
部長の答弁は、事業が始まった時に基礎自治体、広域自治体の負担割合を述べたもの。
鉄道事業は府域全体にメリットをもたらすものであるから、広域自治体のトップが計画を決定した。
②大阪府都市開発㈱株式売却について は質問取りやめ

3.府営住宅

市町移管の進め方について
 府は地域密着の住民サービスを提供する観点から、府営住宅の市町移管を目指しており、そのうち大阪市域の府営住宅69団地、約1万4,500戸について、平成27年度をめどに大阪市へ移管するとしています。
府営住宅の市町移管について、府はどのようなビジョンを持って進めようとしているのか、また、今後の移管見込み、スケジュールはどのようになっているのか。住宅まちづくり部長に伺います。
【住宅まちづくり部長答弁】
府営住宅の市町移管については、府民の貴重な資産である府営住宅ストックを活用することにより、地元の市町が地域のまちづくりや福祉施策と緊密に連携した施策展開をし、生活支援など地域課題の解消や地域力の向上を図ることを目的としている。
このため、地元の市町と「府営住宅を活用したまちづくり協議の場」を設置し、府営住宅の空き室活用の検討や、建替事業に合わせた施設・サービスの導入などの協議を行っており、より積極的にまちづくりを行う市町の意向に基づいて、府営住宅の移管を進めていく。
また、今後の移管の見込みとスケジュールについては、大阪市との間では平成27年度の移管に向けて協議を進めており、大阪市以外の複数の市町では大阪府が提供した情報に基づき検討を開始しているところ。
【再質問】
希望する市町にだけ移管を進めることになれば、府域全体の住宅施策が全く見えず、中途半端な状態になります。このままでは将来に大きな禍根を残すことになると心配しています。
府営住宅の市町移管は、平成22年の財政構造改革プログラム案で初めて位置づけられ、23年度からは市長会、町村長会と勉強会が開始されました。府は、市町に公営住宅ストックを活用できるメリットがある、まちづくりに生かせると説明されていますが、答弁をお聞きしても、広域行政を担っている府が住宅行政、府営住宅をどの方向に進めようとしているのか、ビジョンが一向に見えてきません。
そもそも、府営住宅は泉北ニュータウンのように、広域的な視点にたって大阪府がまちづくりをしてきたものや、高度成長期に良好な居住環境を確保するとともに、必要な労働力を確保するため設置されたもので、市町エリアに関係なく配置されてきました。そのため、市町毎に見ると公営住宅の密度にばらつきが生じるのは当然です。 
その市町に立地しているからというだけで全て受け取れというのは、府の身勝手な理屈としか言いようがなく、大阪市以外から手が上がらないのは当然です。
また、大阪市への移管も、今の大阪市域内での偏在なら府と市の大きな枠組みのなかで収支も含めたバランスが何とか取れると思いますが、特別区に移行した瞬間に、区の間で偏在が生じることになり、前提が崩れるのではないでしょうか。その場合の対応も全く説明がありません。
府営住宅の移管だけは、大阪市が存続される前提で進められていますが、新たな大都市制度が実現したあと、特別区長と区議会の判断にゆだねるべきだと考えるがどうか。知事に伺います。
【知事答弁】
公営住宅は、府営、市営の別なく、そのエリアにおいてそのストックを活用してまちづくりを行っていただくのが、利用者、府民、市民にとってふさわしいと考えている。
広域自治体の役割は、民間住宅も活用しながら低所得者の皆様に良き住環境を提供するシステムを作ってゆくのが我々の仕事。
大阪市に移管されたのち、市営住宅も含め各区の区営住宅になる。各区長が協議しながら、必要な住環境が確保できれば問題ないと思っている。
【再質問】
そんなことは聞いていない。まず特別区ができてから、各特別区長に府営住宅を受け取っていただけるか聞いたらどうかと尋ねている。
【知事答弁】
今特別区ができるかどうかも含め、議論の最中。広域自治体が持っている公営住宅を、まずは基礎自治体に移していくと考えている。
【指摘】
知事はいつもできなかったことは考えない。できる前提で考えると言っているじゃないか。矛盾です。
知事のやり方は、何でも一方的に決めて、それから市町村と協議するというやり方です。府政を円滑に推進するには、方針を決定する前に市町村と十分に協議し合意を得てから進めるべきです。どのような政策も協議、協調が大切であり、そのことをお忘れなきよう、強く指摘しておきます。

4.運輸事業振興助成補助金

平成26年度当初予算要求について
 運輸事業振興助成補助金は平成21年度に見直しが行われ、22年度以降、府は中央団体出捐金を補助対象として認めてきませんでした。
しかし、26年度当初予算において、商工労働部の要求資料を見ると出損金が含まれています。要求に至った考え方を商工労働部長に伺います
【商工労働部長答弁】
平成21年度の補助金見直し当時は、中央団体による出捐金事業について情報が公開されておらず、事業内容が不透明な状況のもと、府はその使途に関与できないことから、22年度予算以降、出捐金を補助対象と認めてこなかった。
その後、運輸事業の振興助成に関する法令が整備され、第三者評価機関による出捐金事業計画の策定や年次評価が行われるとともに、事業内容及び評価結果について積極的な情報公開が行われ、現在では透明性が確保されている。
その結果、中央団体は地方協会の補助金を有効に活用する観点から、環境や安全を確保する装置に対する助成などの全国水準を維持する事業や、全国統一的に実施することが効率的・効果的な事業など「交通安全や環境対策に資するもので府民・事業者に効果が行き届く」という府の補助金交付スキームに合致する多くの事業を実施していることが確認できた。
そのため、中央団体出捐金については、府はその使途に関与できないものの、補助対象にすべきであると考え、26年度当初予算で所要額を要求するに至ったもの。
【再質問】
所管部長の考え方は理解しました。それに対し知事はどのような判断を下されたのかお伺いします。
【知事答弁】
大阪府トラック協会は、府民や事業者にとって意義のある、環境や交通安全に関する重要な事業を実施していただいていると認識しており、そのような事業に対しては補助金を交付している。
出捐金という形で、一旦、中央団体に資金を集めて事業を実施するのではなく、大阪府トラック協会が直接実施すればよいと考える。運輸事業者や国民のために中央団体が全国統一的に実施しなければならない事業があるなら、国が対応すべき。
したがって出捐金という使途を補助対象とすることはできないと判断した。
【再質問】
本件については、まず、運輸事業振興助成補助金及び中央団体出捐金の仕組みについて説明します。
≪資料5≫
トラック輸送は国内貨物輸送の9割以上を占める物流の基幹であり、我が国の経済活動、国民生活を支えている、高い公共性を有する産業です。この補助金は昭和51年度に軽油引取税に暫定税率が導入された際、営業用トラックやバスのコスト上昇を抑制する目的で当初通達によって導入され、現在は法制化されています。補助金の使途は交通安全対策や、環境対策、緊急輸送訓練等政令で定められていますが、そのうち全国で統一的に実施する方が効率的な事業や、同じ水準を維持する必要がある事業は、都道府県協会の出損金を財源に中央団体が実施しています。
言うまでもなく、中央団体と都道府県協会が行う事業効果は、ともに府民や事業者に効果をもたらすスキームとなっています。実際、中央団体出捐金事業から、府民や事業者に還元された額は平成23年度、24年度ともに、約2億6千万円となっています。
しかし、府は22年度以降この出損金を補助対象として認めていません。そしてこの間、府トラック協会は自己資金で出損金を支払っており、その合計額は2億1千万円に上っています。このような状態が続けば、いずれ府トラック協会の資金が枯渇し、府が補助対象と認める事業さえ実施できなくなり、最終的には府民や事業者に悪影響を及ぼすことになります。
府の補助スキームでは「交通安全や環境などの分野及び府民の利便性の向上に資する事業のうち、府民及び事業者に効果が行き届くもの」に補助することとされています。まさに出捐金事業はこのスキームに合致するものです。昭和51年からの経過と法令が制定された重みを踏まえ、府民の安全安心に大いに効果のある事業を安定的に継続するために、単に出損金だからという理由で補助対象から外すべきでないと考えるがいかがですか。知事に伺います。
【知事答弁】
府の役割は、府民に対し交通安全や環境といった分野で貢献すること。事業者、府民に効果が及ぶものに対し補助してゆく。全国統一的に実施する必要があるなら、国が直接措置すべきで、中央出損金の仕組みそのものを見直すべき。
事業者、府民にとって必要な事業で、トラック協会の資金が枯渇してできない場合は、しっかりと府として補助してゆく。
【再質問】
知事が「国が対応すべき」というなら、国に要望しているのか。もう一点は、府だけが勝手な理屈で出損金を認めない中、中央団体は大阪府域でも事業を行い、事業者、府民はその利益を受けているが、その経費は府以外の地域の支出で賄われている状態である。そのことについて知事はどう考えているのか。
【知事答弁】
国に対してシステムの変更を要望している。これは分権改革。大阪は大阪のやり方があり、府民、事業者にプラスになる事業は府独自ででもやってゆく。
【指摘】
国に要望しているなら、国が制度を改めるまで、現行制度に則ってやるべきと指摘しておく。

5.万博記念公園承継

大阪府日本万国博覧会記念公園運営審議会について
 万博記念公園事業の府への承継については、「大阪府日本万国博覧会記念公園条例」が去る9月議会で可決、成立し、平成26年4月1日の承継に向けて手続きが進められています。
この条例に基づき、7名の委員で構成される「運営審議会」が設置されていますが、審議会の設置目的と審議内容はどのようなものですか。また委員の人選について、誰がどのような基準で選任したのですか。
我々は、今更、運営方針を議論するのはおかしいと考えています。府としてどのような公園にしたいのか、明確なビジョンがあって国から引き受けているはずです。その具体的なビジョンを達成するために専門家に知恵を借りる、そのための人選、議論ということであれば100歩譲って理解できないことはないですが、なぜ、経済人維新の会の代表者の更家氏が人選されているのか。どの分野の専門家なのか。
また、大阪青年会議所の理事長はどの分野の専門家か。青年会議所の理事長の任期は1年ですが、肩書が青年会議所の理事長ということは、理事長が交代すれば、委員も交代して頂くのか。府民文化部長に伺います。
【府民文化部長答弁】
万博記念公園については、4月1日から府が承継する方向で準備を進めており、特別会計を設置し、独立採算で運営することとしている。
公園開設から40年以上が経過する中で、緑を守り、育てるとともに、公園の活性化方策や老朽化している施設のリフレッシュなど、新たな発想により魅力を創出することが必要であると考え、審議会を設置し、幅広い観点から有識者の意見を聴くこととしたもの。
先日、第1回審議会を開催し、「日本万国博覧会記念公園の活性化に向けた将来ビジョン」について諮問したところであり、今後、自然環境・景観の保全、施設の改修・整備、観光・集客やにぎわいづくり等の事業展開等について、調査審議いただく予定。
委員の選任にあたって重視したのは、公園を府に承継後、独立採算で運営していくため、企業経営の視点を重視すること、緑地を含む公園計画、スポーツ振興、観光集客の分野の専門家に参画いただく方針とし、その際には女性や若い世代、更には国際的な視点からもご意見をいただけるよう留意した。
具体的な人選にあたっては、大阪万博当時に国の職員として開催準備に携わられた堺屋特別顧問をはじめ、経済界とも相談し、大阪府として選任したもの。
更家委員については、公園運営に経営の視点を取り入れるため、企業経営の分野で、関西経済同友会 常任幹事や大阪商工会議所 常議員も務める同氏を選任したもの。
中谷委員については、企業経営の分野で若い世代の視点を中心にご意見をいただくため、大阪青年会議所理事長も務める同氏を選任したもの。理事長職のあて職ではなく、理事長の交代にあわせて審議会委員を交代するものではない。
【指摘】
知事の人選はあまりにも恣意的に見えます。府民から見て疑念のない人選をすることは為政者としての最低限守るべきマナー、常識です。我が会派は審議会が設置目的をきちんと果たすか、注視してゆく。身内に甘く、他者に厳しいようでは府民の信頼に答えられないことを指摘し、次の質問に移る。

6.大都市制度

①法定協議会の進め方
 言うまでもなく、地方自治体は二元代表制です。
選挙で付託を受ける1つの民意は「首長」もう1つは「議会」です。有権者はそれぞれに別々の権限を付与しています。首長には行政の長としての権限(人事権、予算の執行権)を付与し、その首長を住民の代わりにチェックしているのが議会(議員)です。また、世の中には多様な民意があり、それを調整するのも議会の責務です。無論、私達、議員は知事の部下や下請けではないのです。
ところが、1月31日に開催された第13回の法定協議会で、区割り案を絞り込みたいとの自らの提案に対し、維新以外の会派から同意が得られなかったとして、橋下前市長は今月3日、市長辞職と出直し選出馬を表明されました。あまりにも一方的で自分勝手な判断であり、市長としての自覚に欠けると言わざるを得ません。
≪資料6≫
これが、知事、市長が示されたスケジュールですが、区割りは第3ステージが終了してから絞り込むスケジュールとなっています。今は第2ステージの段階で、それすら終わっていません。
橋下前市長は法定協議会が行き詰まったので、打開したいと言っていますが、その原因は、明らかに知事や市長の説明不足が原因です。例えば「府市双方の財源不足」「あるかどうかわからない効果額」「大阪再生の見通し」など、議論の具体化によって表面化した矛盾や課題に、知事、市長は具体的な策を満足に提示できていません。
また、自らの主張が通らないからと言って、市長職を任期途中で放り出し、選挙に訴える政治手法は、大阪市のみならず府の来年度予算編成にも大きな影響をおよぼすばかりでなく、本来かかるはずのない多額の選挙費用を大阪市民に負担させることになり、あまりにも乱暴で、無責任なやり方です。
次回の法定協議会は、全ての委員が開催に合意し、維新以外の全ての会派が予定通り開催するよう申し入れを行ったにもかかわらず、浅田協議会会長の一存で一方的に中止されました。この行為も重要な会を取り仕切る者としてはあるまじき行為であり、何十時間もかけてパッケージ案を精査し、真摯に議論に参加した者から言えば許し難い行為です。
我が会派は、選挙という手法で、一方的に自己主張を展開するのではなく、法定協議会で提案者として真摯に議論をするべきだと考えますが、法定協議会開催を中止した浅田会長の判断について、知事はどのようにお考えか。
【知事答弁】
そこまで市長をぼろかすに言うなら、あなたがやったらどうか。
法定協議会は会長が招集するとなっており、会長が決めること。市長が法定協のあり方について問題提起し、それを焦点に選挙されることから、次の法定協は市長選挙の民意が示された結果で考えるべきこと。
市長をやっつけていただいたらいい。
【再質問】
橋下市長は法定協議会委員の入れ替え、特に府議会のメンバーを入れ替えるために、市長選挙で民意を問うといわれていますが、なぜ、大阪市民の投票(意志)で府議会の構成を変える理屈があるのでしょうか。1万歩譲って、府議会メンバーの入れ替えを民意で問うならば、市長選挙ではなく、知事選挙ではないでしょうか。勿論、知事選挙の有権者は大阪市民も含まれます。松井知事は、府知事選挙を行わない理由をマスコミから聞かれた際に、「大阪市内の特別区の区割りと、基礎自治体として特別区になった場合のサービスをまとめるのが法定協の目的。大阪市域以外は、法定協の中身をまとめるエリアにはなっていない。」と説明されていますが、真面目に言っているのであれば大問題です。
市長と知事が掲げる都構想(主張)は大阪市役所と大阪府庁という2つの役所の再編であり、双方の事務分担を抜本的に見直すというものです。よって、法定協議会は知事、市長、府議会、市議会のメンバーで構成されており、大阪府全体の問題として真摯に議論されてきました。法定協議会での議決後には市議会、府議会の議決を必要とするのはそのためです。
橋下前市長の主張通り、選挙で民意を問いたいのであれば、知事選挙で民意を問うべきではないでしょうか。なぜ、知事は辞職されなかったのですか。大阪府民の民意を不要と考えているのですか。
【知事答弁】
都構想の民意は市長も私も既に得ていると思っている。2年3か月前のダブル選挙で、都構想を掲げ選挙を行った。そして知事選挙では私が選ばれた。今回は民意を得て約束した設計図づくりが法定協によって止められたというのが我々の解釈。
法定協の規約で「大阪市を特別区に再編するなど、新たな大都市制度の枠組みが確認された。その枠組みを前提に大阪自らが主体的に詳細な制度設計を行ってゆくこととなる」と規約に書かれている。
この規約において、それを誠実に判断いただける法定協のメンバーを選びたいということ。
法定協の設計図は大阪市内の区割りのあり方であるから、大阪市長選に限り、法定協議会のメンバーの入れ替えを含め、税金の無駄遣いであるとの批判も含めて、民意を問いたいというのが今回の選挙である。
【再質問】
知事に聞いているのは、市長選の民意で府議会メンバーの入れ替えを求める、これが民意かと聞いている。
【知事答弁】
府議会の民意は3年前の統一選挙で出ている。法定協議会で自民党、民主党、共産党の皆さんが、誠実に職務をこなさないことがはっきりしたので、代わってもらいましょうということ。
【再質問】
誠実に議論している。また橋下市長から入り口論でもいいから参加してくれというから参加している。今尋ねているのは大阪市民の民意で府議会メンバーの構成を代えていいのかと聞いている。
【知事答弁】
今でも構成は代えることができる。ただ選挙なくして構成を代えれば、また橋下独裁の批判も受ける。だから今回は選挙に訴え、民意を改めて確かめさせていただいて(構成を)代えさせていただきたいということ。それがおかしいというなら花谷議員自らやってください。
【再質問】
府議会議員のメンバーを代えるのに、市長選の民意でいいのかと聞いているのに、既に民意はダブル選挙で得ていると言われる。それならわざわざ辞めてまで問い直す必要はない。
大義がない、逆切れ選挙だと言っているのはその点。自分たちの理屈が通らないから民意を問うとは、まったくわがままです。
知事は我々に保身だといわれるが、参院選で敗北したとき、政党の幹事長を辞める、責任を取ると言っていたが、市長に引き止められて辞めなかった。残念だった。今回は法定協議会が一つにまとまらないから出直し選挙やるんだ、俺は辞めるとおっしゃって、また市長に引き止められて、お辞めにならない、これも残念でした。
保身、立場、身分にしがみついているのは、松井知事のほうじゃないですか。本当に残念です。
【再質問】
松井知事や橋下前市長の都構想に関する主張はいつも一方的で嘘に満ちています。
橋下市長は市長選挙の必要性について、記者会見でも府民、市民が大きな誤解をするような大きな嘘をついています。
1つは、2年半も設計図をつくってきた、維新以外の会派が作業を意図的に遅らせていると主張されていますが、4案のパッケージ案を示されたのは、昨年8月9日です、また、財政シミュレーションを示されたのは、我々が何度も何度も主張して、やっと昨年の12月6日に出されたのです。
橋下前市長は、「4案のまま議論すれば、最低でも5年~10年かかる」と言われていましたが、そもそも、4案を示し協議するよう求めたのは、松井知事、橋下前市長です。議会側から4案の提示を求めたことは一切ありません。橋下市長の主張が正しければ、5年~10年もかかる案を法定協議会に出してきた知事、市長の方にこそ責任があります。更に、法定協議会に第3ステージ終了後に、1つに絞るという工程表を示したのも知事、市長です。
現在、法定協議会は、第2ステージです。次の第3ステージでも4案並行して議論するのが、橋下市長の方針であり協議会でも確認されているのではないでしょうか。反省すべきは松井知事、橋下市長の方です。出直し選挙をする大義などどこにもありません。
知事に確認しますが、なぜ、第3ステージ終了後の平成26年4月から6月に、1つに絞るという工程表を示しているのに、5年~10年もかかるような4案を法定協議会に示されたのか、判り易く説明してください。
【知事答弁】
当初のスケジュールに基づき、協議を進めてきたが、第9回の法定協議会で4案を絞り込むために、財政シミュレーションを提出することを確認した。この協議経過を踏まえれば、財政シミュレーションから明らかに優位な1案に絞って議論を深めないほうが不自然である。
それから、花谷議員からひきょう者呼ばわりされる理由は全くない。保身だという批判は全く当たらない。
【指摘】
4案を出して5~10年かかると言ったのはあなた方。1案ならどれだけかかるのか。自分たちがやっていることを棚に上げておいて、法定協議会が止まったと主張されるのはおかしな話。
②地方自治法の新たな仕組みを活用せよ
 我が会派は「広域行政の一元化」「二重行政の解消」、また、「都市内分権」を目標としていますし、様々な提案もしてきました。それは現行制度でも十分可能であり、「大阪市を解体しなくても知事と市長、府議会議員、市会議員で構成する協議会を設置し連携すれば、二重行政の解消と広域行政の一元化はできる」という主張を繰り返し丁寧に説明しています。
橋下前市長は都構想の必要性について、「意思決定を1本化しないといけない。連携では解決されていない問題が山ほどある」と反論していましたが、大きな誤解です。ごく少数の事例を挙げて、都構想の必要性を強調されていますが、大阪府と大阪市が別々の意思決定をしたためにできなかった事業、また、大阪の発展を阻害した事例はありません。大阪府と大阪市、市内市町村が連携してきたからこそ、多くのインフラ(高速道路、鉄道、港湾、拠点開発等)が大阪で整備されてきたのです。
橋下前市長はさも整備が遅れているかのように指摘していましたが、複数のリーダー、府知事、大阪市長、府内市町村長が協調して、あるいは府域トータルの視点で実現できていることは明白です。松井知事、橋下市長の主張が正しければ、
≪資料7≫
パネルに表示したようなインフラは大阪ではできていなかったということになります。
一方、総務省は道府県と政令市の二重行政解消のため、重複事業の一本化を協議する「調整会議の設置」や、政令市の区を「総合区」に格上げすることで、人事や予算編成権限を強化し、「総合区長」を特別職とするなどの地方自治法改正案を国会に提出しようとしています。これは広域戦略協議会の設置や、区長の準公選制を主張してきた我が会派の考えに沿うもので、多大なコストと時間をかけ、効果が出るかわからない都構想にいつまでもこだわるのではなく、法に定められた新たな仕組みを活用し、府市が連携して景気対策、大阪再生に取り組むべきであると考えますが、知事はこの総務省案についてどのように考えますか。
【知事答弁】
今回の地方自治法の改正は、大阪における府市統合本部の設置や公募区長など、区役所改革の取り組みが国を動かし、昭和31年制度創設以来改革の動きがなかった政令指定都市制度の改革がやっと示されたものです。
しかしながら、大阪ではさらなる改革が必要です。それが広域機能を一元化した、我々が目指す新たな大都市制度である。これをなくして大阪の革新はないと確信している。
花谷議員が総務省案でいいというなら、それを掲げて選挙すればいいじゃないですか。
③府民、市民に対する説明について
 先の質問でも申し上げましたが、今通常国会に、地方自治法の改正案を提出し、政令市の行政区の権限を強化した総合区制度を新たに設けるなどと報道されています。
また、長年の懸案事項であった政令市の小中学校の教職員の人事権は政令市、給与負担は府県というねじれを解消し、さらにそれにあわせて、定数決定権や学級編成権もまとめて府県から政令市に移す制度改正が平成29年度から実施される予定です。
このように、国の制度改正により、政令市や区の権限が充実されるのに対し、一方、大阪都構想では、中核市なみの権限については法令改正の理解が得られつつありますが、政令市権限の事務について、特別区に移譲したければ特例条例で対応し、国は法令改正しないとの説明が先の法定協議会で大都市局よりありました。
この方式でいくと、特別区に小中学校教員の人事権は条例により移すことは可能ですが、給与負担や学級編成権、定数決定権は広域に残ったままになり、ねじれが解消できないことになります。
知事も市長も教員の人事権と給与負担は一致することが望ましいと言ってきました。
このように、ひとつひとつの事務について、丁寧に、都構想の場合と政令市のまま総合区を置いた場合を比較し、どこがどう違うのか整理し、それを住民のみなさんに明らかにしていくべきではないのでしょうか。
また、我が会派の主張によって、各区割り案の財政シミュレーションが、不十分ながらも提示されましたが、政令市のままの場合の財政シミュレーションや住民サービスがいまだに示されていません。都制度移行後の姿と現行制度下の姿をきちんと比較し、市民に提示しないと、都制度と現行の制度のどちらがいいのか、住民は判断できません。判断材料を早急に提示する必要があると考えますが、知事如何ですか。
【知事答弁】
我々は、新たな大都市制度の実現を目指して制度設計を進めている。制度設計に基づいて協定書を取りまとめることが先決です。そのうえで住民理解が進むようしっかりと説明してゆく。我々が示したパッケージ案は現行のサービスを維持することを基本としており、特別区が設置されれば、住民の皆様の意見を踏まえ、各区の特色を生かしたサービスの提供を区長、区議会の下に行われることになる。これが我々が目指す新たな大都市制度、区長、区議会ができれば、より住民ニーズをとらえ、ニーズに沿った行政が可能となる。
④経済効果額等について
 1月17日の第12回法定協議会で私が、同じ思いの知事、市長の下で為し得た成果を尋ねたところ、松井知事は、大坂城を利用したモトクロス大会の例を挙げ、「当日の来客者数だけで2万人、そして世界に対してどれだけ大阪の名前が売れたか、これはもう、これをお金でどうはかるということになると、数十億、数百億規模の経済効果が出ている」と自信満々に話をされていました。
知事が言われた「数十億、数百億規模の経済効果」の根拠はなんですか。また、その経済効果額は大阪府内で発生したものなのですか。
【知事答弁】
モトクロス大会は来場者だけでなく、テレビ、インターネットなどで国内外に広く情報発信され、PRできたと考えている。
効果額は僕のビジネスマンとしての感覚です。大坂城を利用した3Dマッピングの効果額は専門家が評価しており、450億ほどの効果が出ている。
【再質問】
一ビジネスマンの発言と、880府民を代表する知事の発言は全く違う。
何の根拠も無く、単にその場の思いつき、感覚で発言されたのか。根拠がなければ撤回して頂きたい。知事の根拠のない、思いつきの発言がそのまま、報道されれば、府民は大きく誤解します。議会での議論、法定協議会でしっかり議論を尽くすことによって、府民に正確な情報を伝えることができます。その情報を基に府民が自分の意志で判断する。それが、本当の民意ではないでしょうか。
松井知事は自らの発言に責任を持つのであれば、「数十億、数百億規模の経済効果」の根拠、効果検証をするべきだと思いますがどうですか。
【知事答弁】
「数十億、数百億」は控えめに言ったつもりで、撤回するつもりは全くない。経済効果が出ている数字については、部局からお示しする。
【再質問】
根拠があるならきちんと示してください。市長も6億数千万の選挙費用について質問された際、二重行政の無駄を省いて何千億円もの効果が上がるから大したことないと説明されていた。何千億円の根拠も知りたい、知事、市長が一ビジネスマンの感覚で発言するようなことでは困ると申し上げている。
もう1つ知事の思いつき発言について指摘しておきます。
今議会に、法人事業税・法人府民税法人割の超過課税の延長をするため、第91号議案が提案されています。知事は、特区進出企業に法人事業税を免除することと府内企業とのバランスを取りたいとして、「頑張る企業を応援したいので、超過課税は廃止したい」旨の発言をされています。多くの府民、企業者が知事の発言で、大きな期待をしていましたが、それは、今や失望に変わっています。知事の発言の影響は非常に大きいのです。
超過課税を延長する理由について、知事は府民に対し明確な説明とお詫びが必要ではないかと考えますがどうですか。
【知事答弁】
気持ちとしては超過課税について問題意識を持っている。法人府民税法人割、法人事業税の超過課税は、大都市特有の緊急かつ膨大な財政需要に対処するために実施している。今の府の財政状況では、なかなか超過課税を辞める状況に至っていないのが私の考え。
適用期間を3年延長する条例を提案しているが、さらに府財政を立て直して、今は減債基金の積み立て不足も49年までかかるものを37年までは短縮してきたが、未だ超過課税の解消までは手を付けられないのが正直なところ。これと特区の税制とは分けて考えている。

7.政令指定都市への補助

大阪市、堺市への補助金支出に対する府の方針について
 知事はなにかにつけて「制度が悪い、制度が悪い」と主張されますが、法定協議会でも「差等補助」について持論を展開されていましたし、今議会でも、今まで出していなかった政令市への補助金が予算化されているので確認します。
府が府内の市町村に補助金を支出する場合、政令指定都市を除くといった差を設ける、いわゆる「差等補助」について、平松前市長から、「教育や福祉といった基礎的な行政サービスにおいて政令指定都市という理由で差を設けるべきではない」と批判されたことに対し、当時の橋下知事は、「補助金は一般市町村と横並びが当然という発想は間違いであり、政令指定都市については特別な権限と財源を持つ以上、その主体的な対応に任せる。これが私の政策判断です」と答えています。
その差等補助について、教育委員会では、小中学校に在籍する医療的ケアを必要とする児童生徒に対応するため、看護師を配置する市町村にその経費の一部を助成する「市町村医療的ケア体制整備推進事業」や、中学校給食を導入する市町村に財政的支援を行う「中学校給食導入促進事業」について、これまで政令指定都市は制度の対象外であったものが、平成26年度予算から対象にすると唐突に方針が変更されています。
これまでと方針が変わったのはなぜですか。また、これは全庁的な方針変更と考えて良いのか、知事の明確な説明を求めます。
【知事答弁】
政令市は、広域自治体である府県並みの権限と、基礎自治体である一般市町村の権限の両方を兼ね備えていること、財源についても、宝くじという一般市町村にない大きい財源があることから、政令市を補助対象から外してきた経過があった。
橋下市長と協議し、差等補助はもう辞めようという方向で府、市とも動き出している。
【再質問】
この予算(差等補助)は橋下前市長の側から要求があったのか、それとも、松井知事の判断で予算化されたのか。
【知事答弁】
府下の広域的課題対する責任は府にあり、これらの課題解決のため、府全域で広域的に取り組む課題に対する補助金については、政令市も対象に加えるという考えを持っている。この考えは橋下市長も同じ認識を持っている。
【再質問】
橋下市長の方針が変わったから知事も方針を変えたのでしょうね。松井知事は法定協議会で「差等補助」について、「僕はこの市長がやりたいことに対して、議案を出しません。予算もつけません」「絶対に予算化しない」「議案も出さない」等と豪語されていましたが、なぜ、気が変わったのですか。
【知事答弁】
法定協での花谷議員の質問は、いまでも2人が協議連携すればできるじゃないかという話を、今後もずっとできる話に議員がすり替えたから、それは違うと、平松市長とはできなかった。
差等補助も権限、財源は向こうにあり、財源も一般市町村と同じように扱ってもらわなければならない。それを双方の議会、理事者も含めてそれぞれ納得してもらう必要がある。
差等補助については、府は府の、市は市の言い分があった。最終責任が僕と市長だからできたということ。違う人ならできていない。今までできなかった。
【指摘】
それぞれが今まで言っていた主張を変えただけじゃないですか。橋下市長は知事時代「大阪市には出さない」と言い、自分が市長になったら「出してくれ」と。あたかも我々だからできると言われるが、制度を変えなくてもできるというのが我々の主張で、まさにできたじゃないですか。

8.大阪市立学校の府移管

①学校移管時期と新たな大都市制度実施時期との関係について
 平成26年1月26日に開催された府市統合本部会議資料「大阪市立の特別支援学校及び高等学校の大阪府への一元化に向けた基本的な考え方(案)」によると、一元化の対象と時期について、「特別支援学校については、平成27年4月に府へ移管」「高等学校については、新たな大都市制度実施時期に合わせて移管。但し枚方市にある大阪市立高等学校については、関係者理解など条件が整い次第府に移管」としています。
移管を決定するに当たっては、移管の対象やその時期、財産を移管する方法や、財源負担のあり方などを事前に決めておく必要がありますが、起債の償還方法や施設整備費の負担方法などは今後府市で協議するとなっており、大まかな方向が示されているに過ぎません。
移管決定後は、生徒等への周知、入学手続き、教員採用、市教職員の受け入れ、システム等の環境整備を行うと聞いていますが、これらの詳細も明らかになっていません。
先の9月議会で我が会派の質問に対し、中原教育長は、市立高等学校の府移管にかかる関係者へのアナウンスは、少なくとも移管の1年前には行わなければならないと答弁されています。
そうであるなら、制度移行時の平成27年4月の1年前、26年3月にはアナウンスが必要であり、そのためには今議会に必要な議案が上程されていなければなりませんが、今議会では市立高校の議案は府市ともに上程されていません。
大都市局長に確認しますが、市立高等学校が新たな大都市制度実施時期に合わせて移管されるなら、都構想が実現しない場合は、27年4月の市立高校の府への移管は出来ないということになるのでしょうか。受験を控える子供たちにとって大切な問題なので丁寧に答えて下さい。
また、そのことは府市統合本部で確認しているのですか。
さらに、移管時期について、平成24年6月には「大都市制度移行時に併せて実施」とされていたものが、25年8月にいったん外れ、移行に関わらず行うと変更したものが、再び「大都市制度移行時に併せて実施」となっています。どのような経過で方針を変更されたのですか。
【大阪府市大都市局長】
本年1月の統合本部会議においては、枚方市内の市立高等学校を除く高等学校について、「新たな大都市制度実施時期に合わせて移管を行う」ことを確認したところ。
この中で示している「新たな大都市制度の実施時期」については、知事、市長は平成27年4月をめざしているが、今後、法定協議会において決定されるべきものであり、これに合わせて、高校の移管を行うということを前提として、統合本部で確認したものと認識。
府市統合本部は、府市共通の課題について、行政として方向性を一致させる場であり、状況変化など必要な場合は、統合本部で方針や方向性の再確認や見直しを行っている。
高等学校については、当初、統合本部会議で「新たな大都市制度移行時に広域自治体に一元化」との基本的方向性が取りまとめられたが、24年11月の市戦略会議やその後の統合本部会議において、市長から「大都市制度移行とは関係なく移管できるものは、別のものとして区分して整理を進めてもらいたい」との指示があった。
その指示を受けて、府市の教育委員会間で調整をしていただき、財政面や教育内容等の課題が解決できるなら、27年4月に府へ移管することは可能との判断から、昨年8月の統合本部会議において「27年度に向けて課題を解決した上で、広域自治体に一元化」との方針を確認した。
その後、引き続き協議を進めたが、財政負担などの課題が解決の途上にあることから、枚方市内の市立高等学校を除く高等学校については、「新たな大都市制度移行時に一元化する」こととし、本年1月の統合本部会議及び府市それぞれの戦略会議において、方針を再確認したもの。
②学校移管時期と新たな大都市制度実施時期との関係について
 「大都市制度移行時に併せて実施」この文言が入っているか、いないかで事態は大きく変わります。児童、生徒やその保護者にとって移管のタイミングは人生を左右する大きな問題です。にもかかわらず、教育行政を預かる中原教育長から、これまで何の説明もありませんでした。教育長はこの件についてどのように受け止め、主張されたのですか。あるいは移管時期がどうなるかは大した問題でないとでも思っているのですか。
先の9月議会での我が会派の質問に対し、中原教育長は、市立高等学校の府移管にかかる関係者へのアナウンスは、少なくとも移管の1年前には行わなければならないと答弁されています。当然、支援学校の移管についても同様であり、今議会に提案されていないということは、移管はしないということになるがどうですか。できるということであれば、先の答弁との整合性についてどう考えているのですか。
【教育長答弁】
簡潔に、しかし、府民の皆さんにご理解いただける程度に答弁します。
会社で言いますと事業の一部譲渡のような形で、譲渡人が大阪市で、譲受人が大阪府です。
事業譲渡のような形で、譲渡人と譲受人がいるわけです。それぞれの最終決定は議会で決断されます。
大都市移行制度は教育委員会が直接かかわる問題ではございません。知事部局と知事の判断ですので、それと切り離した形で、大阪市立高校とそれから支援学校を教育委員会としてお引き受けするのが得策かどうか検討してまいりました。
支援学校は都道府県に設置義務があるということを前提に、教育内容がきちんと維持されるのかどうか、財政的な負担はどの程度か、あるいは人事面での調整がどの程度必要か、そういうことをずっと考え、目途が立つというところまで来たんですけれども、その後、譲渡人側のいわば代表、社長が交代、辞任する、交代の可能性があるということで今、棚上げになっています。
それまで何の説明もなかったということですが、移管のタイミングについても前回の議会で説明しています。それから、府市統合本部の会議も公開です。何も説明もなかったというのは事実誤認だと思います。
移管の時期についても非常に重要だと考えています。前回、私がたしかに、1年前、これが告知のタイミングではなかろうかということを申しあげました。
学校の移管に関する告知のタイミングというのは、府民の皆さんにどの程度影響を与えるかということに相関関係を持つと思う。今は内容が一旦棚上げになって、全く白紙になりました。ですから、大阪府への移管について、内容が大きな変更を以前よりももっと伴うのであれば、1年では足りないと思います。2年ということになってきましょうし、あるいは内容が縮小されたということであれば、1年を若干切ったからといってそれができないということはありません。
内容が今わかりませんので、憶測に基づいて皆さんを混乱させてもいけませんので、状況を見て、しかるべく判断させていただきたいと思います。
③大阪市独自施策の取り扱いと児童、生徒及び保護者への説明について
 現在、市立支援学校10校(移管は新設校2校が追加)には2,087名の生徒数が在籍し、毎年600名を上回る園児、児童生徒が入学して来られます。例えば障がいを持つ幼稚園児が小学校に上がる際、保護者は支援学校と普通の小学校のどちらに通うか選択しなければならず、支援学校の教育内容は重要な判断基準となります。
一方、大阪市立の特別支援学校、高等学校の府への移管にかかる財政負担は1月28日の第22回大阪府市統合本部の「確認事項」で一定の整理が行われています。
この確認事項に基づく府の財政負担は、今後10年間特別支援学校で約267億円、市立高校で約131億円、併せて約398億円になると見積もられています。このうち、基準財政需要額に算入され交付税収入が見込めるものと、国庫支出金を差し引いても、実質的な負担見込み額は170億円になると見込まれています。市立学校の府移管に当り、我が会派はこれまで各学校が培ってきた特色が損なわれないよう、特段の配慮を求めてきましたが、特色を維持するためには経費面でも府の水準を上回る費用が必要です。
市から移管した学校の運営について府は予算面で特段の配慮を行うのですか。
また、大阪市では、市立支援学校について、市の独自施策で実習助手などの教職員の加配を実施していますが、この措置が府移管でどうなるのか分からず、不安の声が関係者から上がっています。
府は市から支援学校の移管を受けるにあたり、教員の加配など、これまで市の独自施策、負担で行ってきた措置について、どのように取り扱うのですか。またその取扱いについて、府は児童、生徒や保護者にどのように説明しているのですか。
【教育長答弁】
先ほど申し上げましたように、譲渡人と譲受人の間で、まだ話が一旦白紙に戻っていますので、今後、どういう形でやるか、これは今まだ確定したお話はできません。それ故に、今までの考え方をご説明申しあげます。
先ほど、お話がまとまりかけたという説明を申し上げましたが、そのときの考え方は、大阪府の他の支援学校、府立高校と同じような教育サービス、これを水準とすべきだろうと。それを上回るサービスを市の中でしている学校もあります。
それにつきましては、市の状況をよく知る大阪市教育委員会と話をしっかりした上で、本当に必要だということであれば、基本的にそれは大阪市の財政負担ということで話し合ってきました。
そこまで必要でないだろうと、サービスをもうやめてもいいだろうというものに関しては、在校生の皆さんに迷惑がかかってはいけませんので、移行期間が必要であると。移行期間の財政負担については、そこは詳細について話し合っていると。その時点で一旦棚上げになったというのが現状でございます。
今後、話し合いを続けて、何らかの方向性が決まりましたら、これは在校生や保護者の皆さんへの説明は、譲渡する側の、市の側の責任だと思っておりますので、市の方で適切に告知、内容の説明をしてもらえると考えております。
【再質問】
教育長の答弁はまるで他人事のようにしか聞こえてきません。大阪市に説明責任があるというが、移管を受ける府にも当然説明責任はあります。教育長は府の教育を預かる最高責任者ではないのですか。
≪資料8≫ ≪資料9≫
大阪市の平成25年度から27年度の教育施策の方向性を定めた「大阪市教育振興基本計画」です。
「民間や広域行政との適切な役割分担を進めます」の項目で、「高等学校、特別支援学校の広域自治体(大阪府)への一元化を進めます」と明確に記載されています。
子供、保護者を最優先し、混乱を招かないようにするのは、教育長の仕事です。にもかかわらず、大阪市の計画では、「移管を進めます」とされ、既に現場にもアナウンスされており、混乱が生じています。
できないことは、できない、とはっきり主張するのが教育長の責務だと思うが、いかがですか。
【教育長答弁】
これは市の教育振興基本計画ですから、第一義的には市に責任がある話だと思います。
あえて、何かコメントをしなさいということであれば、「一元化を進めます」ということですから、一元化を進める意向があるということを示しているという、意味している日本語に私には読み取れます。
これを大阪府が決定したとか、まさに先ほど、譲渡人と譲受人という話が大事なんですけれども、それが合意したかどうか、大阪府が合意したというようなことが書いてある、あるいはそういうことが疑われるようなことが書いてあれば、大阪府として抗議いたします。
しかし、大阪市がそういう意向を持っているというのは、議員が冒頭で、教育長は何の説明もない、まさに大阪市はこういう方向でやっていくんですということを知らせているということなので、これはあえてコメントをしなさいということを言われたとしても、適切な表現ではないかと。これをやらないと、また説明がないということになり、勝手に話し合って決めたということになりますので、適切ではないかと私は思います。
【指摘】
相手のことばっかり、他人のように言ったらダメです。受け入れ側の話をしています。受け入れ側が1年前には少なくともアナウンスしなければいけないと言われるから、大阪市がこう言っている以上、その期限が過ぎていると指摘しています。今議会に提案がないということは、27年4月の移管は無理ということを説明すべきと言っている。
昨日、一昨日の教育長の答弁で、現場で校長をやっていて教育長になったのは私くらいで、現場をよく知っていると答弁していましたが、昨日、大阪市の教職員会議で出てきたペーパーをここに持ってきているんですけどね、既に市長が辞任をされて、いないのに、提案もされていないのに、平成26年2・3月市会で特別支援学校の廃止及び関連予算を提案すると。それが実現したら、一元化しますよというペーパーが、昨日出ています。
ここで議論していることと現場までは、やはり遠いんです。きっちりとその辺りを気を付けて、他人事ではない、子どもを中心に考えて物事を進めていただきたいなという指摘をしておきます。

9.英語教育

小中学校を対象とした英語教育
 教育委員会は、来年度、小中学校、高等学校を対象として「英語教育推進事業」に新たに取り組むこととしています。
そのうち小学校では20校程度を指定し、朝若しくは夕方の授業時間外に、15分間の英語学習を週3回実施するとのことです。
一方、教育委員会は「大阪の教育力」向上プランで、学力の向上と無回答率0を目指し、そのため、多くの学校で授業時間外の時間を使い、漢字の読み書きや音読等の取り組みを行っていると聞いています。ここに英語教育が新たに加わることになります。確かにこれだけ時間を割いて6年間も取り組めば、英語力は向上すると思われますが、限られた時間を複数のカリキュラムで奪い合うことで、既存の取り組みとバッティングし、今の取り組みに良くない影響を与えるのではないかと心配しています。
また、英語教育を導入する学校は、府内7中学校区ということで、初めから実施できる市町村と出来ない市町村が生じてしまいます。
さらに、実施する場合は大量の教材を準備する必要があり、将来、府下全体の取り組みを想定しているのであれば、予算面での課題が生じてくると考えられます。教材費の予算は府が1/2補助するとなっていますが、府が言うように持続可能なものとするためには、市町村に大きな財政負担が生じます。
我々に対する説明では、各校の希望にまかせるとのことですが、これも、府のいつものやり方で、希望する学校だけ実施すればいいというのは、余りにも無責任なやり方です。同じ地域で実施する学校としない学校が混在すれば、現場も混乱し保護者からのクレームの対象にもなりかねません。
また、限られた時間の中で、特に小学校の低学年で優先すべきことが本当に英語なのか、甚だ疑問です。本来やるべき取り組みをおろそかにしてまでする必要性は全くないと考えます。日本語も十分に理解できていない時期に、英語を積極的に学ばせることに保護者の理解が得られるとは思えません。
これまでの取り組みとの整合性を教育委員会としてどう考えるのですか。また、2年後には府域全体に広げていこうということで、我々にはプラス面ばかりを説明されていますが、マイナス面の影響もあわせてしっかり検証すべきだと考えるが、教育長はどのように検証されるのですか。
【教育長答弁】
ご存知のとおり、大阪府教育委員会は各市町村の教育委員会に対して、指導・助言・援助、強制力のない形でしかできません。
その中で、学校現場、生徒、保護者のニーズを、まず汲み取るのはクラスの先生です。そのニーズを伝えて、学校全体としてまとめるのは学校長。それを市町村単位でまとめるのが市町村教育委員会です。
市町村教育委員会はしっかりと現場の声を聞いてニーズがあるか、無理がないかも含めて、それでやりたいというところに援助していくということがあるべき教育行政の姿だと思っています。何も間違っていないと思う。
今、国レベルでも、国民の多数の支持を得て政権政党となった自由民主党を中心に、安倍総理をリーダーに、政府が英語教育の推進をすごくしています。それに呼応して、文部科学省も様々な施策を出してくれていまして、大阪府教育委員会としては非常に感謝しているところであります。
今、一丸となって日本が全体として英語力を推進しなければ、これは今しかチャンスがないと思います。是非、大阪府の自由民主党の先生方も、国と歩調を合わせながら考慮していただいて、是非、ネガティブな側面だけを挙げられるのではなくて、子どものために、ポジティブな、建設的なご指導、ご鞭撻をいただきたい。そのように考えます。
【指摘】
自民党の中では同じ方針に向かっています。
我々が心配していることを指摘しているだけで、教育長にそこまで言われる必要はないと思います。
我々が教育長に今指摘をしているのは、きちんと効果検証をしてくださいよということです。英語を優先することによって、違うことが削減されないか。トータルで見ないといけないです。英語だけが伸びていていいのか、その他はどうなっているのか。きちんと検証してくださいと指摘しています。

10.私学助成

授業料支援補助金の今後の取り扱いについて
 授業料支援補助金は、平成27年度入学生が卒業するまでは、制度を維持するとしていますが、それ以降は今後検討するということで、保護者の間では、厳しい府の財政状況で28年度以降、今の授業料支援制度はなくなるのではという不安の声を耳にしています。
我が会派は、大変厳しい財政状況の中で、約230億円という多額の税金を使って無償化を行うからには、効果検証をきちんと行うべきと主張してきましたし、58万円を超える部分の授業料を学校が徴収できないというキャップ制のために、耐震化の取り組みが遅れているのではないか、また、私学の特徴である特色ある教育の展開が困難になっているのではないかという危惧を抱いています。
更に、経済的な理由を問わず自由な学校選択を可能とし、公私が切磋琢磨をし、大阪の教育力の向上を図るという観点においても、26年度入学生における私学の専願率は25%を下回り、この制度の効果が果たして上がっているのか、疑問です。
教育に関する制度は、5年間といった短期間ではなく、制度が持続可能であるといった財政的な裏付けを示すことで、子どもを持つ保護者に安心感を持ってもらうことが重要であると考えます。
先ほど今の授業料支援制度の問題点を指摘しましたが、それらを踏まえ、授業料支援補助金のあり方検討にあたっては、経常費助成も含めた私学助成全体の設計図が必要と考えますが、今後、私学助成についてどうしようと考えているのですか。
更に、授業料支援の内容次第で、生徒・保護者の進路選択にも多大な影響を与えることは当然です。そのためにも、早い時期の制度周知が必要で、28年度入学生からの制度変更であれば、1年半前の26年夏ごろには制度改正のたたき台が示され、26年の9月議会で議論されるべきと考えますが、どのようなスケジュール感で検討を進めていくのですか。府民文化部長に伺います。
【府民文化部長答弁】
平成28年度以降の新入生に対する授業料支援については、現行の無償化制度の効果検証を行いながら、引き続き、自由な学校選択が可能となるよう、生徒の立場に立ち、制度のあり方を検討していくこととしている。
その際には、経常費助成も含め、私学助成トータルについて検討を行うこととし、今年の夏ごろには、考え方をお示ししたい。
【指摘】
5年間だけの取り組みでは、いったいなんだったのか、単なる集票のためのバラマキだったのではないのか、そんな思いもしてしまいます。また、無償化が持続できない場合は、27年入試の子どもは3年間無償の一方で、28年入試の子どもたちは3年間多額の費用がかかることにもなります。同じ学校で学ぶ生徒や保護者がたった1年違うだけで、大きな不公平が生じないよう、また、学校選択に大きな悪影響が出ないようにすべきと考えます。

11.咲洲地区の活性化及び咲洲庁舎

①ペデストリアンデッキ整備と咲洲トンネル無料化について
 知事は地域の活性化のために、港湾機能の強化が必要と言われていますが、湾岸エリアのまちづくりが全くできていません。
橋下前知事はWTCビル購入の際に咲洲地区をアジアの宝石箱と称賛し、府庁の全面移転を強引に推し進めてきました。とりわけ、咲洲地区の活性化には、アクセスの改善が不可欠だとし、咲洲トンネルの無償化とペデストリアンデッキの整備を当時の平松市長に求めてきた経過があり、平成21年9月議会に、平松前大阪市長が議場に来られ、コスモスクエア駅から咲洲庁舎までのペデストリアンデッキ整備と、咲洲トンネル無料化を約束されました。
松井知事も橋下前市長と同様に、府庁の全面移転、WTCビルの購入を強力に推進してきましたし、地域の活性化、経済成長のため港湾統合が必要という認識を持たれているようですが、肝心の咲洲地区のまちづくりについては、本来やるべき事業がほったらかしになっています。
デッキの整備については、平成24年度までに整備するとしていた東ルートは全くできておらず、平成26年度までに整備するとしていた西ルートは、目途も立っていません。トンネル無料化は、平成25年度の早い時期に実現すると言っていましたが、平成25年10月5日から土日祝日のみの無料化が実施されているにすぎません。松井知事が橋下前市長にデッキの整備やトンネルの無償化を求めているにも関わらず、全く実現していません。
今後、議会や府民に明確な説明を求めると同時に、橋下前市長に対し、従来通りの約束を履行されることを強く求めるべきと考えますがどうか。
また、知事は、私と橋下市長の思いは同じ、同じだからこそ、今までできなかったことが実現できていると力説されますが、咲洲地区の現状を見れば、同じ方向を向いていないのは明らかです。橋下前市長が自らの都合で突然が違う方向を向いているのです。この状態を放置すれば、アクセスの改善が実現できていないことは明らかで、実際にはできることもやっていないのが現状です。
デッキ整備と咲洲トンネルの無料化は「いつ」実施するのですか。また、取り組みを放置していることに対し、改めて市に抗議すべきだと考えますが、いかがですか。知事に伺います。
【知事答弁】
ペデストリアンデッキの整備について、東ルートはコスモスクエア駅前から約370mと、咲洲庁舎前道路横断部分の60mが既に完成している。残る民有地部分についても、地権者と協議が整っている。西ルートは民間開発の動向に合わせて整備される予定である。咲洲庁舎の建物全面活用に向けた方向性を踏まえ、整備されることになっている。
咲洲トンネルはまず土日からスタートして、26年度中に全面無料化される。
②知事は咲洲庁舎からの撤退を政治決断せよ
 府は、我が会派の指摘を受けて、ようやく咲洲庁舎、南海トラフ巨大地震を踏まえた府庁BCP(業務継続計画)暫定版の作成作業に取り掛かっていますが、津波警報発令時には咲洲庁舎に職員が参集できないことも明らかにしています。
災害発生時に継続すべき最優先業務の継続に必要な職員1,050名は、自家発電機のある府庁別館を使うこととなっていますが、この場合、平時に別館で執務している所属は災害発生時に継続すべき最優先業務以外の業務を停止し、執務スぺースを明け渡すこととされています。
しかし、これでは最低限必要な応急対策業務は可能でも、大規模災害発生後長期に渡って必要とされる自治体の通常業務は実施できなくなります。
また、咲洲庁舎はたとえ庁舎自体に影響がなくとも、液状化被害等によって職員参集のためのアクセスや執務を行うために必要なライフラインが使えなくなる可能性が高く、その場合咲洲庁舎に入っている部局は一切の業務ができなくなります。
府庁BCPの策定状況を見ても、咲洲庁舎の購入、部局移転によって、大規模災害発生時の府庁機能は大きく損なわれていることがわかります。
以上の点からも、咲洲庁舎が府庁舎としてふさわしくないことは明らかです。
スピード感という名のもと、ビルの購入、活用を決めた橋下前知事と、その方針をろくに検証もせず引き継いだ松井知事の責任は重大です。
意思決定のスピードを求めるあまり失敗した典型的な事例であり、誤った判断であったことは明らかです。
これ以上の損失、不利益を防ぐためにも、知事は咲洲庁舎からの撤退を直ちに政治判断すべきであると考えるが、如何ですか。
【知事答弁】
咲洲庁舎については、内閣府から今後示される新たな知見に基づき、長周期地震動対策を抜本的に検討することとしている。津波や液状化の影響と対策についても大阪市やライフライン事業者の意見を聞きながら再検証を進めている。同庁舎の取扱いはこれらの検討結果を踏まえて総合的に判断する。
なお、咲洲庁舎自体が浸水域に含まれているわけではなく、津波発生直後に災害対応の場として使わないとしても、津波が引いた後、一般執務スペースとしては利用を継続するとしているため、必要な対策を講じているところです。
 ある時は、スピード感が大切だと言い、都合が悪くなれば、スピード感を忘れて国の知見を待つと言う。いずれにしても、松井知事のご自身の判断で出来るのです。知事が決断するだけの話です。
大都市問題1つ考えても、不毛な議論をしていると思う。あなた方の姿勢が「対立から協調」また、「批判から対話」へと変わらない限り、大阪の発展はありえない。
例えば、大阪市の出直し選挙の影響をうけて、
・市立特別支援学校の府への移管(約3億円)
・御堂筋イルミネーション延伸工事(9,200万円)
・大阪の陣400年イベント(2,820万円)
・水辺を生かした中之島地区活性化事業(1,300万円)
など、大阪府だけでも、計4億3,300万円もの予算計上が見送られています。
先ほどから様々な議論をしてきましたが、根拠のある、説得力のある答弁が全くできていません。根拠のない自信が一番たちが悪い。
本当に大切なことは、違う意見を持つ人としっかり話し合い、間違いのない判断をすることです。
府民、市民からみてみっともない、政争をやめる。選挙よりも府政に専念し、大阪を元気にすることに専念して頂くよう要望し質問を終わる。

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