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府議会の報告

平成27年2月定例議会 一般質問

平成27年3月3日
岡田 義信 議員

1.地方創生と女性の活躍

1)女性の活躍推進事業における重点啓発について【府民文化部】
 まず、地方創生と女性の活躍についてです。
人口減少社会のもと、大阪経済の持続的な成長に向けて、女性の能力を活用することは、労働力確保のみならず、新たな需要や価値の創造に結びつく点からも重要であります。
しかしながら、大阪の女性の就業率については。いわゆるM字カーブの問題があります。
<説明資料1>・・・「大阪における年齢別にみた就業率」
 まず、全国と大阪の女性の就業率を見ますと、大阪府の20歳から59歳までの女性の就業率については、どの年齢階層をとっても全国平均を下回っていることがわかります。
次に、大阪における年齢別にみた就業率をみますと、まず、大学卒業後の女性の就業率は男性に比べて13ポイント低くなるという、「第1のギャップ」があります。
働いていない大卒の20歳代女性の約4割は卒業時に就職をせず、また、スキルは高く定年まで働く考えのある人も、職場の人間関係など様々な原因で約5割が5年で離職している実態にあります。
また、就業されている女性が、結婚されて子育てをされる30歳代の女性の就業率は低下していく状況にあり、とりわけ35歳から39歳までの就業率は、男性と比べて31ポイントも開く、「第2のギャップ」の問題があります。第1子出産後の女性の就業継続率は、約4割に留まるなど、子育て世代の就業継続が大きな課題となっています。
大阪の女性の就業率が大変厳しい状況にある中、いわゆる「女性活躍推進法案」が先日、閣議決定されました。
今後、国を挙げて、女性の活躍推進に向けた取組みが加速されることになりますが、企業においては、「仕事か子育てか」の二者選択ではなく、女性が仕事で培ってこられたノウハウやスキルを、子育て期を通じて発揮できる雇用環境の改善など、女性の就業継続に向けた一層の取組みが求められるところです。
能力や意欲のある女性が、当たり前に管理職となる時代の到来が待ち望まれますが、現状では、企業経営者のみならず、女性や男性の認識もまだまだ十分とは到底いえない状況にあります。
私は、女性の管理職登用を進めていく前提として、まずは女性の就業のすそ野を広げ、女性が就業を継続できる環境整備を進めていくことが何より重要であると考えています。
府においても、オール大阪として、経済団体や企業、大学等の関係機関との連携・協力のもと、総力を挙げて取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、このたびの補正予算案で提案される予定と聞いている「産・官・学の協働による女性の活躍推進事業」においては、女性の就業継続のため、どこに重点をおいた啓発に取り組んでいかれるのか、府民文化部長の考えをお伺いいたします。
2)女性の就業支援に係る府の取組みについて【商工労働部】
 私は、女性の就業のすそ野を広げるためには、働いている女性が「働き続ける」ことのできる環境整備を進めることに加え、働いていない女性を就業に誘導するための取組みも必要であると思っています。
大阪府の女性の就業率は、全国的に見ても低く、20歳から59歳までの女性の就業率は、全国でワースト3という非常に憂慮すべき事態になっています。
女性の就業にあたっては、女性の求職者に対する支援のみならず、民間企業や社会全体において、女性の就業を支えるという機運の醸成が是非とも必要であると考えます。
そこで、女性の就業支援に係る府の取組みについて、商工労働部長にお伺いいたします。
【要望】
女性の活躍促進のためには、働いていない女性だけでなく、働いている女性や、周囲にいる男性や家族、あるいは雇う側である企業等、社会全体の意識が高まる必要があります。
意識の改革に、万能薬はありません。今、緒についた様々な事業を継続して取り組むとともに、社会全体で連携して実効性を一層高められるにする必要があります。
女性が離職されたり、就職しない理由は、多様ありますが、働く意欲ある女性と企業、両面に対する支援の取組みはまだまだと考えます。この点について、今後より一層、充実を図っていただくよう求めて次の質問に移ります。

2.阪神圏の高速道路における料金体系の一元化

1)西名阪自動車道を含めた阪神圏高速道路における平成29年度当初料金体系の一元化に向けた検討状況について【都市整備部】
 次は、阪神圏の高速道路における料金体系の一元化についてお伺いします。
<説明資料2>・・・「西名阪自動車道を含めた高速道路の状況」
 図の青線は、松原ジャンクションを中心に、西名阪自動車道をはじめとする高速道路等を示しています。
西名阪自動車道は、「区間均一料金」とされており、松原から香芝までの間、どこで乗り降りしても普通車で410円ですが、この料金は、短距離を利用する者にとっては割高感が否めないことは、皆様もそう感じておられると思います。
私の地元である藤井寺インターチェンジと、他の高速道路との結節点である松原ジャンクションとの間はわずか3.1kmであるにもかかわらず、410円と割高な料金となっています。
また、松原ジャンクションから先の、阪神高速や近畿自動車道などの高速道路は、すべて別料金であり、乗り継いで利用する際は、さらなる負担感もあって、高速道路が利用されず、これが周辺の一般道路が渋滞する一因になっていると考えられています。
この渋滞解消を図るための一案として、例えば、西名阪自動車道等と並行する赤線で示した国道25号は、柏原市内から大阪市内までの間は慢性的に渋滞していますが、並行する高速道路を利用しやすい料金にすることで、自動車交通を国道25号から西名阪自動車道などの高速道路に転換できるのではないか、と考えています。
大阪府では、西名阪自動車道も含めた阪神圏の高速道路を、平成29年度当初に、管理主体を超えて料金を一元化し、シームレスで利用しやすいものとすると聞いています。
これまで、阪神圏の高速道路料金の検討を行う「国と地方の検討会」等において、関係機関とともに検討を進めていると聞いていますが、平成29年度の当初料金体系の一元化に向けた検討状況について、都市整備部長にお伺いいたします。
【要望】
海外の高速道路料金とも比較してみても、西名阪自動車道の3.1kmで410円の料金や、その先の阪神高速などに乗り継いだ際の料金は、非常に割高な料金と言えます。

そこで、利用距離に応じた負担となる対距離料金や、継ぎ目のない料金体系は、交通渋滞の緩和や公平な利用者負担の観点から是非とも進めるべきです。早く実現させていただきたいと考えます。 また、私が指摘した西名阪自動車道以外にも、大阪府域には、短距離で割高な料金区間が阪神高速も含め多数あり、こうした負担感や、乗継ぎの割高感を解消することで、高速道路ネットワークの機能をさらに高めることになると考えています。
そして、高速道路の機能を最大限に発揮することが、大阪、関西のさらなる成長を実現していくことにつながることは言うまでもありません。一日も早く阪神圏の高速道路料金が利用者視点に立った公平で利用しやすいものとなるよう求めて、次の質問に移ります。

3.健康マイレージ事業

1)この事業を実施すべきと評価、判断された理由について【健康医療部】
 次は、健康寿命延伸プロジェクトについてお伺いいたします。
<説明資料3>・・・「低迷する大阪府の健康指標」
 大阪府の健康指標のうち代表的なものを記載しています。
47都道府県の中で、いずれも低迷しており、がん検診受診率に至っては、ほぼワースト1です。これが大阪府の現状です。
こうした中、高齢化社会を迎えるわけですが、
<説明資料4>・・・「大阪府の75歳以上人口予測」
 大阪府の75歳以上の人口予測をグラフに示しています。
平成22年の8万7千人から平成42年には165万人になり、確実に高齢者人口が増える様子が容易に見てとれます。この増加は避けることはできず、必ずやってきます。
では、高齢化が進むと、介護を要する人数にどう影響するのでしょうか。
<説明資料5>・・・「大阪府の要支援・要介護認定予測」
 大阪府の要支援・要介護認定者の予測をグラフに示しています。
平成22年の45万9千人から平成47年には86万9千人になる予測です。平成22年から25年の間に、約2倍近く増加すると予測されています。要介護・要支援にならないために、壮年期からの健康づくりが重要です。
では、この増加が及ぼす、経済的な影響はどうでしょうか。
<説明資料6>・・・「介護費、医療費の将来推計予測」
 社会保障に係る費用の将来推計です。
府では長期予測データがないため、国における資料を引用していますが、介護費、医療費が高齢化の進展と同調するように増える見込みです。高齢者、要介護者が増えるため、当然の結果と言えますが、莫大な費用負担が必要となります。
今後、本格的な超高齢者社会を迎える中で、平均寿命から介護が必要な期間を引いた年数である「健康寿命」を延伸していくことが、個人の健康づくりを推進し、要支援・要介護者の増加を抑制するだけでなく、医療保険や介護保険制度を安定させ、持続させるためにも必要不可欠ではないでしょうか。
これは、市町村や医療・介護の保険者だけに委ねることではありません。国も府も取り組むべきことです。
今回、平成26年度追加補正予算案として、健康寿命延伸プロジェクトという事業の計上が予定され、これまでのような周知、啓発的な事業ではなく、健康マイレージ事業を実施する市町村への支援を開始されると聞いています。
健康寿命を延伸させる方策として、国の健康・医療戦略においても総合特区を活用した大規模社会実証が実施されるなど、健康ポイント制度の活用が注目されているところです。
そこで、府において、この事業を実施すべきと判断された理由について健康医療部長にお伺いいたします。
2)今後、市町村からの要望等にどう対応するのかについて【健康医療部】
 健康マイレージ事業は、市町村からも是非実施したいという声が届いていると聞いていますが、単に補助金を交付するだけでなく、事業を効果的に実施していくための技術的支援や、事業実施後の評価を一緒に行っていくなどが大切ではないでしょうか。
このような市町村からの要望や期待に対し、府では今後どのように対応されるのか健康医療部長にお伺いいたします。
【要望】
健康マイレージ事業の実施にあたっては、技術的、専門的な支援は、もちろんですが、市町村が、それぞれの地域性、住民ニーズを踏まえた事業を自由に展開することのできる制度とすることが重要です。事業実施後の評価については、十分精査をするよう求めて、次の質問に移ります。

4.都市計画道路八尾富田林線

1)現在の藤井寺市域の取組み状況、今後の予定について【都市整備部】
 最後は、都市計画道路八尾富田林線の、現在の藤井寺市域における取組み状況、今後の予定についてお伺いいたします。
<説明資料7>・・・「都市計画道路八尾富田林線」
 私のライフワークの一つ「都市計画道路八尾富田林線」は、八尾市から藤井寺市、羽曳野市等を経て富田林市を結ぶ、全長約11.4kmの広域幹線道路です。
この八尾富田林線は、南北軸の強化とともに、大阪府中部広域防災拠点のアクセス強化にも資する路線です。
私の地元・藤井寺市域においては、大和川の南側を通る府道大阪羽曳野線から南へ、西名阪自動車道の高架下を通り、府道堺大和高田線までの約1.6kmの区間で事業が実施されていました。
しかしながら、残事業費が多大なこともあり、平成20年度に事業が休止されて6年が経過しています。
この間、東日本大震災を契機とした防災意識の再高揚や沿道地権者の状況の変化などもあり、地元からの事業再開の要望は極めて強いものがあります。
これまでも藤井寺市域の事業再開について何度も議会で取り上げ、直近では、昨年9月議会で都市計画変更について質問し、「6車線から4車線への車線縮小や立体交差箇所の平面交差化など、車線数や構造の見直しを行い、都市計画変更の素案を作成しているところ」との答弁を得ましたが、
そこで、現在の藤井寺市域の取組み状況と今後の予定について、都市整備部長にお伺いします。
 終わりに、私の所信は、大阪をどこにも勝る日本一のまちにすることです。
この議場にいらっしゃる先生方も恐らくは同じ思いで、その思いを府民の皆様に切に訴えて、現在に至っているのだと思います。
思いは同じ、到達点は同じということで、本日は温かい心で御清聴いただきましたことに厚く感謝申し上げます。
以上をもちまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

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